2017年02月27日

Billy Joel, Streetlife SerenadeのUSオリジナル

好きなアーティストがあまりにも多いので、かなり好きなアーティストでも、全作品が手元にあるということは少ない。

ビリー・ジョエル(Billy Joel)なんか相当好きなアーティストなんだが、「ストレンジャー(The Stranger)」より前の4作品となると、手元にないどころか、聴いたことすらなかった。

もちろん、「聴かなくていいや」と思っていたわけではなく、「そのうち聴こう」とは思っていたのだが・・・

ってことで、ついでではあったのだが、彼の3作目「ストリートライフ・セレナーデ(Streetlife Serenade)」のUSオリジナル(Columbia PC 33146)を買ってみた。
まぁ、USオリジナルと言ったって3桁価格なんだけども(笑)


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いやぁ、でも、これはとても良いアルバムである。

珠玉の名曲というほどのものはないが、かなりの佳曲が並んでいるし、AB面に各1曲づつインスト曲が置かれ、実によく全体がまとめられている。

個人的には、冒頭に配されたタイトル曲とラストの前に置かれた"Souvenir"がお気に入りだ。


マスタリングはArtisan Sound Recordersであることが、裏ジャケのクレジットに明記されている。

そして、手持ち盤のRunoutにもしっかりArtisanマークの刻印があった。


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音は、悪くはないんだが、特に良くもない(笑)
まぁ普通、でも、カリフォルニア録音、カリフォルニア・マスタリングって感じ?(意味不明 笑)


ちなみに、手持ち盤のMatrix末尾は2A/2Bで、惜しくも2A/2Aとはいかなかったが、まぁいいか(笑)


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Discogsを見る限り、2が一番若いMatrixでいいみたいだ。

最近気になるプレス工場については、工場識別の刻印が見慣れてるのと微妙に違うのでちょっと断定はできないんだが、たぶんサンタマリア(カリフォルニア)だと思う。

そう思って聴くと、なにせ録音・マスタリング・プレスとカリフォルニアづくし、まさにカリフォルニアの音がする~♪(笑)
ラベル:Billy Joel

2017年02月25日

George Harrison~慈愛の輝き~

今日2月25日はジョージ・ハリスン(George Harrison)の誕生日。
今年はこのアルバムを引っ張り出して聴いていた。


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オリジナルはセルフタイトルであるが、日本盤には「慈愛の輝き」というタイトルがつけられた。
オリジナルのリリースは1979年2月14日らしい(日本語版Wikiでは2月14日になっているが、英語版Wikiでは2月20日になっているから、確定できない)が、日本盤のリリースは同年2月25日ということで、今日2月25日はこのアルバムの日本盤の誕生日でもあるわけだ(笑)

ってことで、今日は珍しく日本盤もいっしょにとりあげよう。


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手前が英盤(K56562)で、奥が日本盤(P-10561D)。日本盤に帯がないのがちょっと残念。
英盤は光沢のあるすべすべの紙で、発色が鮮やかだ。一方、日本盤のほうはちょっとマットな紙質で、少しくすんだ感じに見える。


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裏ジャケはよりそれがはっきりしている。
手前が英盤で奥が日本盤。写真だとよくわからないかもしれないが、緑が濃く美しい英盤に対して、日本盤はちょっと枯れ気味にすら見えてしまう(笑)

ってことで、ジャケ的には、圧倒的に英盤に軍配があがる。


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英盤には、厚紙のインナースリーブ(袋になってるってことです)が付属している。
写真では手前のものだが、裏側には(表に印刷されている"Faster"以外の)歌詞が印刷されている。

奥の二つが日本盤に付属しているもので、英盤のインナースリーブの表裏に印刷されているのと同じものを薄い紙の表裏に印刷したインサート(袋じゃなくて一枚紙ってことです)と、湯川れい子さんの解説が片面に印刷された(裏には何も印刷されていない)インサートだ。

解説ってほとんど読まないボクにとっては解説付きのプラス点もないので、附属物でも英盤の圧勝である。


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英盤のレーベルはリムの赤が少し柔らかい。


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日本盤のレーベルはリムの赤が少しきつい。

これは微妙な判定だが、この優しい愛に満ちた温かいアルバムには、英盤のレーベルのほうがイメージに合っている気がする。


さて、一番重要なのはもちろん音質である。

手持ちの英盤はMatrix末尾A3/B3(ただし両面とも3の前に何かを消した痕がある)なのだが、これより若いのがあるのかどうか知らない(Discogsにも英盤のMatrix情報は出ていない)。

インナースリーブのクレジットによるとロンドンのStrawberry Masteringでマスタリングされているのだが、上のレーベル写真でもわかるように、手持ち盤のRunoutにはしっかりStrawberryの刻印がある(両面にある)ので、これでいいのだ(笑)

ちなみに、これまた上のレーベル写真でもわかるように、日本盤のRunoutにもしっかりStrawberry刻印がある。
つまり、日本盤もStrawberry Masteringでカッティングされた輸入メタルによるプレスということで、基本的に音は変わらない。

基本的には変わらないのだが、盤の材質やプレス品質とかの違いから生じる差はもちろんある。
この点日本盤のほうが優秀!と言いたいのだが、実際聴いてみると、ボクには英盤のほうが好ましく聴こえる。

一番大きいのは盤の材質だと思うのだが、英盤はペラペラの柔らかい材質で、出てくる音も柔らかめの音なのだ。
それがね、優しい愛と温かさに満ちたこのアルバムに実によくマッチして心地良いんだな。

まぁ、こういうのは、聴いてるシステムによっても違うだろうし、プラシーボ効果的なものもあるかもしれないので、アテにならないけどね(笑)
ラベル:George Harrison
posted by 想也 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | George Harrison | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

レコードができるまで

昨日の記事を書いたあと、上下にスタンパーをセットしてプレスしてるプレス機の様子がわかる動画がないか探してたら、これを見つけた。





コンパクトにまとめられていて、わかりやすい動画だと思うが、ちょっと省略がある。

大量生産のレコードは、カッティングしたラッカー(凹)から、マスター(凸)を作って、そこからマザー(凹)を作って、そこからスタンパー(凸)を作るのだが、この動画ではマスター→マザーの工程は省略されていて、ラッカーから直接スタンパーを作っている。

工程が少ないほうが音質的には有利なので、この工程で作られるレコードもあって、diskUNIONが配給しているTHINK! RECORDSがリリースしている「マスター盤プレッシング」のレコードなんかは、これだ。
(ラッカーから直接スタンパーを作るというか、マザー・スタンパーを作らずに、マスターから直接プレスするというかは、言い方の問題ーだよね?)

とはいえ、通常はマスター→マザーという工程を経て大量のスタンパーができるわけだし、ボクたちアナログコレクターはその痕跡をRunoutに探したりするので、そこまでわかる動画がないかと探したら、diskunionTVの東洋化成潜入レポートを見つけた(笑)

カッティングプロセスまで丁寧に説明してくれている。



<カッティング編その1>


<カッティング編その2>

動画中、レコードの溝の映像が撮れなくて残念がっていたが、これは、そのへんに売ってる10倍ルーペでも十分に確認できる。
ちなみに、ボクが日常的に使ってるのは、これ。



レコードの音飛びには二種類あって、傷がついている場合とゴミがこびりついている場合なのだが、後者の場合には、このルーペとつまようじで対処できることが多い(ただし、視力と指先の器用さに自信がない人はやらないほうがいい 笑)。



<盤説明編>

ラッカー→マスター→マザー→スタンパーのメタル処理のプロセスはここで説明されている。



<プレス編>


一度、東洋化成に見学に行ってみたいなぁ。