<The Police, SynchronicityのUSオリジナルについては、現在でも探究を続行しており、後に誤りが明らかになったものについては、打消し線で対応しています。正しい情報については、新しい記事をご覧ください。>またもやポリス(The Police)"Synchronicity"USオリジナルの話である。
必死になって探しているわけではないが、一応ES(Electrosound Group Midwest, Inc.)工場産の半透明盤を手に入れる努力はしている。
といっても、ヤフオクで定期的に検索をかけている程度ではあるが(笑)
でも、そんなことをしてると気づくこともある。
何に気づいたかというと、10年前の紙ジャケ探検隊の特集記事に掲載された一枚とボクが入手したもののジャケットが同じ版だったことは、実は、「シンクロニシティ♪」なんて言うほど珍しいことではなかったんじゃないか、ということに気づいたのである。
確かに
93種もあれば、同じ版にめぐりあうのは奇蹟に近い。
しかし、それは、初期盤に限った話なんじゃないか。
いや、だってね。
探検隊とボクとがシンクロしたジャケットと同じ版のジャケットが、現時点でヤフオクに2点出ているんである。
3日ほど前までは3点出ていたのだ。
そのとき、ヤフオクにはUS盤は7枚しか出品されていなかったのだ。
93種もあるのに、US盤が7枚しか出品されていないヤフオクで、なんで3つも同じのがあるわけ?
そこで、ボクは気づいた。
ボクの手持ちの盤は、ステッカーは貼ってあるがうそつきステッカーで、初期盤ではなく、透けないレイト盤であることは前に書いた。
そうだとすると、一番可能性の高い仮説は、レイトになるとジャケットの種類はぐーんと減って、場合によっては日本盤みたいに1種類になってしまうというものだ。
レイトのジャケットが1種類だとすれば、同じジャケットのがゴロゴロしててもなんの不思議もないのである。
ってことで、このジャケットと同じ版の場合は、透けないレイト盤の可能性がかなり高いんじゃないかと思う。まぁ、93分の1で初期盤にも存在するはずなので、必ずレイトとも言い切れないのだが・・・ステッカーが貼ってあっても要注意なので、ジャケット表裏両面の写真を載せておこう。
初期盤を手に入れたいなら、これと同じ版のジャケットは避けるのが無難である。

さて、この事実に気づいたので、逆に、このジャケットと違う版のものであれば、初期盤の可能性が高いだろうと、もう一枚買ってみたのが、今日届いた(笑)
ワンコイン価格だったので、もちろんマトなんぞ聴かなかったのだが、日本でテキトーに買えばRCA工場産が届くのか、もう一度実験してみたかったというのもある。
ところが、届いたのはなんと末尾M2/M1というモナーク工場産だった。
でもって、この盤、実に興味深い特徴を備えていたのである。
両面にMASTERDISK刻印があり、Side1にのみRL刻印があるのは当然として、問題は、透けるか透けないかである。
透けるか透けないかと言えば、透ける。
確かに透けるのだが、その透け方が問題なのである。
まず、初期盤の透け方を確認しておこう。
初期盤(マトRCA3/RCA1盤)はこんな風に青紫に透ける。

今回入手したM2/M1の盤は、こんな風に透けるのである。

青紫じゃない!
モナーク工場産はこうだったのか?
念のため、スティング(Sting)のソロと比較してみよう。
たとえば、1985年の"The Dream Of The Blue Turtles"と同じような透け方なら、同時期にプレスされた可能性が浮上する。

"The Dream Of The Blue Turtles"は透けまくりである(笑)
どうやら、これと同時期ではなさそうだ。
では、1987年の"...Nothing Like The Sun"はどうだ?

"The Dream Of The Blue Turtles"ほどじゃないが、けっこう透けていて、これと同時期でもなさそうだ。
写真だとわかりにくいが、実際は、青紫か否かという違いはあるが、透明度的には青紫に透ける盤と同じくらいな気がする。
やっぱりモナーク工場産だけ、青紫じゃなかった?
ここで、ボクは、重大なことに気づいてしまった。
モナーク工場の△番号の刻印である。
△26117/△26117-X
なんとこの番号は、うそつきステッカー盤のRunoutに刻印された番号と同じなのである。
レコードコレクターズ最新号(2017年6月号)掲載の「初盤道」第2回によれば、この番号はメタル処理されたときに刻印されるもので、この番号が同じならほぼ同時期にメタル処理されたものとみていいらしい。
もっとも、キャロル・キング(Carole King)"Tapestry"がリリースされた70年代初頭まではそうだったとしても、80年代のこの盤にも同じことが言えるのかはわからない。
わからないが、こういうルールはそんなにかわるものでもないだろうし、同じだと仮定しよう。
そうすると、EUR工場のマザーがモナーク工場に送られメタル処理を施されてスタンパーが作られた時期と、モナーク工場向けのラッカーが切られてモナーク工場に送られメタル処理を施されてスタンパーが作られた時期が、ほぼ同時期ということになる。
手持ちのEURマトの盤は透けないので、プレス時期自体はずっと後なのだろうが、スタンパーは同時期に作られたわけだ。
では、その時期はいつだったか?
EUR工場のマザーがモナーク工場に送られるという事態が最初期に生じていたのというのはちょっと考えにくい気がする。それに、聴いてみると、マトM2/M1盤より、マトRCA3/RCA1盤のほうが圧倒的に鮮度の高い音だ。
ってことで、少なくとも、このマトM2/M1盤は、最初期ではなくてちょっと後のプレスってことなんだと思う。
だから、透けるには透けるが、青紫には透けないんだと。
この透けるけど青紫じゃない盤てのが、モナーク工場産以外にも存在するのかは現時点では不明だ。
(Discogs上には末尾M以外の盤で透けるけど青紫じゃない盤てのも存在するのだが、なにせモナーク工場は、
少なくともレイトプレスでは、他工場向けのマザーを持ってきてスタンパー作ってプレスしていたので、末尾Mじゃないからといってモナーク工場産ではないとは言い切れないのである。)
逆に、モナーク工場産にも青紫に透ける盤があるのかというと、これはDiscogsで確認できた。
確かに存在する。
ってことで、今回入手した盤は、セカンドプレスと認定するのである(笑)
それにしても、あと何枚買えば、沼の底が見えてくるんだろうなぁ?σ^_^;
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