ってことで、なんとなくこのレコードを選んで聴いている。

手前は見ての通り帯付き日本盤だが、奥の3枚はすべてUS盤である。
US盤が3枚あるが、別に掘ったわけではない(笑)
一番最初に買ったのは日本盤(CBS/Sony 28AP 2850)だった。
シュリンクがそのまま残っているので、今もなお、ジャケや盤だけでなく帯まで美品のニアミントである。

US盤のインナースリーブの表裏を表側、両面印刷歌詞カードの表裏を裏側に印刷した見開きインサートと、解説を表側、歌詞の対訳を裏側に印刷した見開きインサートという、二種類のインサートが付いている。
帯もさることながらインサートの違いもあるので、なんとなく持っていたい日本盤である。
これが輸入メタル原盤使用とかだったら、もう日本盤だけ持ってればいいやってことになるのだが、あいにくこのレコードは日本独自カッティングで、いかにも日本盤らしい、優等生的な、おもしろくない音だ。
ってことで、確かヤフオクで何かのついでに、テキトーに1枚目のUS盤(Columbia QC 38653)を買ってみた。
この1枚目のレコードときたら、まったく確認もせずにテキトーに買ったものだから、インナースリーブも歌詞インサートも付属していないうえに、思いっきり聴きこまれた盤は、すっかりボロボロである。
これじゃ数百円でも高いぞ。
仕方がないので2枚目である。
数百円のレコなので、やっぱりヤフオクで何かのついでだったと思うが、今度は、インナースリーブや歌詞インサートが付属しているのをしっかり確認して購入した。
盤の状態もとても良かった。
めでたしめでたし。
のはずだったのだが、あるときボクは気づいてしまった。
手持ちのUS盤2枚は同じMatrixで、次のようなものだ。
P PAL-38653- 3BB MASTERDISK RL
(H-MP) P PBL 38653 G2N G1
末尾3BBとかラッカー切りまくってるレコードで、たまたま買った2枚がまったく同じMartixってのもおそろしい偶然だと思うが、そんなことよりボクが目を奪われたのはMASTERDISK RLの刻印である。
そう、Bob Ludwigのカッティングなのだ。
MASTERDISK刻印はSide 1にしかないし、Side 2はそもそもMatrix末尾の付け方が違っているから、明らかにレイトプレスで、ラッカーを切りなおしたものだと思う。
ってことは、このレコード、オリジナルは両面MASTERDISK刻印有りのはずである。
だいたい、手持ちのUS盤の音は、いまいちシャキッとしてなかったもんなぁ。
そんなわけで、3枚目を買う羽目になったわけである。

まぁ、見た目は2枚目と同じだ。
US盤は、表にボス、裏にThe E Street Bandのメンバー個別写真と集合写真をあしらったインナースリーブに、一回り小さい両面モノクロ印刷の歌詞インサート付きである。
ボクが手に入れた両面RL盤のMatrixは次の通りだ。
P AL-38653 - 3AF MASTERDISK RL
P BL-38653 - 2AM MASTERDISK RL
見事に2桁末尾である(涙)
(しかも、コロンビアのMatrix末尾にはMは使わないはずなんだが・・・Ludwigが間違えた? 笑)
とはいえ、ピットマン工場産ぽいし、音自体はLudwigカットを十分に堪能できるものなので、とりあえず満足してはいたのだが・・・
Matrix末尾1桁の盤が手に入れられたらそれに越したことはない。
3A/2Aなんてのが初回盤として存在するんだろうかとDiscogsを見てみると、ホワイト・レーベルのプロモ盤は掲載されておらず、プロモ・スタンプのあるジャケに入った通常盤のMatrx末尾が一番若くて3A/2Eだった。
ほかに、3A/2Hとか3F/2Aというのもあったが、いずれもキャロルトン工場プレスだ。
ってことは、このレコードの場合はキャロルトン工場産がオリジナル?
考えてみたら、最初に入手した2枚も、Side 1にG1がないのでもともとピットマン工場にあったスタンパーで、Side 2はG1にくわえてPがあるので、キャロルトン工場にあったスタンパーがピットマン工場にまわされたものだと推測される。
つまり、プレスはピットマン工場でされたものだが、Side 2のスタンパーはキャロルトンからまわされたものを使ったものだということだ。
これまた、オリジナル(というか東のメイン工場)はキャロルトンだってことを示してるじゃん!
Discogs掲載の情報が間違っていないとすれば、このレコードの初盤は、キャロルトン工場産のMatrix末尾3A/2Aで(この組み合わせ自体は確認できていないが、Side 1の3AスタンパーとSide 2の2Aスタンパーの存在は確認されているので、これも存在しうるかなと)で、両面MASTERDISK RL刻印のあるものということになる(Discogsの記載だと、Side 2の2AはMASTERDISK RL刻印であるものの、2Eや2HにはMASTERDISK刻印はあるがRLはないように読めるんだがどうだろう?)。
しかし、なんといっても全米で1500万枚も売れたレコードである。
Matrix末尾3A/2Aの盤には、一生めぐり会えない気がする。
でも、せめて、キャロルトン工場プレスのMatrix末尾1桁盤はいつか手に入れたいなぁ。
そんな結論に到達した、ボスの誕生日なのである。