2018年09月22日

続・80年代USワーナーの罠

いろいろ宿題はあるのだが、情況証拠的なブツがなかなか手に入れられなかったり、なかなか届かなかったりで、仮説の検証がすすまない。
そんなわけで、「続・80年代USワーナーの罠」である。
「続」といっても、「80年代USワーナーの罠」の記事の中のあまり重要でない情報をちょっと修正するだけなんだけどね(笑)

修正しなければならないのは、記事の最後に話題にしたものの未入手だったジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)" You Bought It - You Name It"(Warner Bros. Records ‎1-23884)に関する情報だ。

このレコード、どう考えてもワンコインで転がってそうなレコードなので、オークションとか通販とかでは買う気にはなれず、DUあたりで見つけたら買おうと思っていたのだが、先日、思惑通り発見、入手することができた。


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ちゃんとインナースリーブ付きである(笑)

一般的な評価があまり高くないのでこれまで聴いたことがなかったのだが、聴いてみるとバラエティに富んだなかなか良いアルバムだ。
なにより、STERLINGのTed Jensenによるマスタリングが素晴らしく、実に良い音なのである。

今回手に入れたものは、Matrix末尾が両面WW2のウインチェスター・プレスなので、両面LW1のロサンジェルス・プレス両面SHマトのアライド工場プレスなら、さらに良い音かもしれない(Disogsによると、キャピトルのロサンジェルス工場は、1982年に火災のため閉鎖されたとのことです)

さて、では、修正しなければならない情報の話である。
前の記事で、ボクは、次のように書いた。

「ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)" You Bought It - You Name It"(うちのレコード棚にはありませんσ^_^;)が1983年10月9日リリースなのにノートレーベルだったりして、7月説と矛盾してしまうのだが、カタログ番号的にはカーリー・サイモンの"Hello Big Man"より前なので、プレス自体は7月までに終っていたもののリリースだけが遅れた(遅らせた?)のだと考えると、一応矛盾なく説明できる気はする。」

このレコードの初回盤がノートレーベルだというのは、今回入手したものもそうだし、間違いない。


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問題は、リリース日である。
ボクは、このアルバムに関する英語版Wikipediaのページを見て、リリース日は10月9日だと思い込んだので、上記のような推論を展開したのだが、どうやらそのWikiのリリース日の記述が間違っているようなのである。

最近発見したのだが(だから、いつからあるのか知らないのだが)、英語版Wikiには、一年ごとにその年の音楽関連情報をまとめた一連のページがある。
たとえば、このアルバムがリリースされた1983年なら、"1983 in music"というページがあり、その年にリリースされたアルバムの一覧も(わかる限りでの)リリース日といっしょにまとめられているのである。
実に便利なページだ。

この"1983 in music"を見ると、" You Bought It - You Name It"のリリース日は、5月21日となっている。
5月21日リリースなら、ノートレーベルで何の問題もなく、新レーベル移行7月説とまったく矛盾しない。

もちろん、この"1983 in music"のほうが間違ってるという可能性もないわけではないが、ネットで見つけた日本盤見本盤のレーベル写真を見ると、日本リリースは7月23日だったようなので、本国での発売日は5月21日のほうが辻褄があう。

ということで、" You Bought It - You Name It"も7月説の例外にはならない、ということになったのである。

ところで、このレコードのSide1のRunoutにはきわめてプライベートな落書きがあるのだが(Runoutの落書きは大概プライベートな内容だが 笑)、ご存知だろうか?続きを読む
ラベル:Joe Walsh
posted by 想也 at 21:31| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月02日

Live Johnny Winter AndのUSオリジナル

ジョニー・ウィンター(Johnny Winter)を聴き始めたのはわりと最近のことなので、今回はオリジナル判定とかそういう話ではない。
ボクには彼のレコードのオリジナル判定ができる知識なんて、これっぽっちもないのである(笑)

最近、レコードの聴き方について、いままでとは少し違う衝動にかられている。
今日はそんな話である。

アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)の訃報を聞いた2週間ほど前から、ボクも例にもれず、彼女のアルバムを引っ張り出して聴いていた。
もっとも、ソウルの素晴らしさに気づいたのがCD時代に入ってからだったせいか、うちにあるソウルといえばほとんどCDだ。
アレサも例外ではない。

そんなわけで、CDでアレサを聴いていたのだが、そうすると、いままでとは少し違う衝動がむくむくとわいてきた。

オリジナル盤で聴きたいという衝動はいままでとまったく同じなのだが、「できるだけキレイな」「できるだけ状態の良い」オリジナル盤が欲しいとはちっとも思わないのだ。

むしろ、適度にくたびれて風格があるものがいい。
あまりにもチリパチがひどいのは困るが、ナチュラルな摩耗に由来する適度なサーフィス・ノイズは歓迎だ。
その穏やかなノイズをおさえて、鮮度豊かななオリジナル盤の音が聴こえてくる。
そういう風に、アレサのオリジナル・レコードが聴きたい。

そんな衝動にかられてレコード屋に行ってみたのだが、世の中、そんなに甘くない。
ボクみたいに、このタイミングでアレサのレコードを探した人も多かったのかもしれない。
結局、欲しいと思っていた彼女のレコードは見つからなかった。

で、見つかったのが、ジョニ―・ウィンター・アンドのライブだったというわけである(笑)


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リングウェアの出具合や全体のスレ具合が、まさに「適度にくたびれて風格がある」感じではないか。


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裏ジャケがまた、さらに強くリングウェアとスレが出ていて風格を高めている(笑)

この「くたびれ具合」に惚れてしまった。
これは今までにない感覚である。

ただ、くたびれていればそれでいいというわけではない。
ファースト・プレスじゃないとダメだとまでは言わないが、一応オリジナルでないといけない。
そこのところは、譲れないのである。

そんなわけで、Discogsを手掛かりに、必要な限りでオリジナル判定である(やっぱり、するんかいっ!)。

今回入手した盤のレコード番号は、プリフィックスがPCでなくCである。
C 30475が1971年のオリジナルのレコード番号で、1985年の再発ではPC 30475になるので、レコード番号についてはオリジナルの条件をクリアだ。

ジャケットは、カンガルーポケットになった見開きで、内側には、ちょうど背表紙の裏側にあたるところに"UNIPAK U.S.PATENT NO.3,426,960と縦に印刷されている。
いかにもファースト・プレスっぽい(笑)

インナーは、この頃の米コロンビアのカンパニー・スリーブでThe Inner Sleeveと題されたもの。
タイトルの隣に小さく71/601と記されているし、紹介されているレコードからみても71年のものだろうと考えられる。

どうやら71年リリースのオリジナルと考えてよさそうだ。

Matrix末尾は両面1Bで、1Tという刻印があるので、中部のテレフォート工場産だ。
ピットマン工場産じゃないのは残念だが、まぁいいか。

聴くカートリッジもね、オルトフォンのカデンツァではなく、シュアのV15で聴きたくなった。


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適量の穏やかなサーフィスノイズ。
でも、歓声とともに演奏が始まれば、あまり気にならなくなる。
音量をあげると、もうまったく気にならない。
うん、イメージ通りだ。

っていうか、このライブ、マジで凄いぞ。
まさに飛ばしまくってる感じで、一気に引き込まれて、あっという間に終わる。
これを今まで聴いたことなかったなんて、なんだか人生少し損した気分だ(大袈裟)。

そんなこんなで、レコードというメディアに新たな魅力を発見した今日この頃なのである。
ラベル:Johnny Winter
posted by 想也 at 23:18| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする