2019年03月27日

マスターピース/まばたき

何故だかもう少し先だと思っていたら、今日がSCANDALの両A面シングル『マスターピース/まばたき』の発売日だった。

予約も忘れてたんで、近所のCDショップで調達しようと思ったのだが、なんと3月末で閉店とのことで、閉店セール中・・・新譜の入荷なんぞ、まったくない状態である。
そんなわけで、今日中に手に入れることはあきらめた(涙)

しかし、これでもう、近所にCDショップが一軒もなくなってしまったよ・・・

まぁ、楽曲自体は、YouTubeにMVがフルでアップされているので、視聴することはできる。
とりあえず初回限定盤A(もちろんすでにA4クリアファイルの特典は終了している)の発注は済ませたので、届くまではYouTubeのMVを楽しむことにしよう。









どちらも新しいSCANDALを聴かせてくれる良い楽曲だと思うが、TOMOちゃんが好きなので、「まばたき」のほうが好きだ(笑)


Amazonは「1~2か月以内に発送」になってたので、「在庫あり」のほうのHMVに発注したのだが、注文確認メールには「2-7日 以内に入荷予定」とある。
「在庫あり」じゃないのかよ?

まぁ、でも、それだけ売れているということなら、ファンとしては喜ばしいことか・・・
のんびり待つことにしよう。
ちゃんと届くといいな・・・



<画像をクリックするとAmazonにとびます。>
ラベル:Scandal
posted by 想也 at 23:16| Comment(0) | SCANDAL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月23日

Don Shirley, Tonal ExpressionsのUSオリジナル

ツイッターのTLに映画『グリーンブック』のプロモーションがやたら流れてくるので、そういや一枚、ドン・シャーリー(Don Shirley)のレコードを持ってたなぁと思い出し、棚を漁って引っ張り出してきた。

20年近く前にジャズのオリジナル盤を集め始めた頃、右も左もわからない中、なんとなくオリジナル盤ぽいというだけの理由で(確か1000円くらいで安かったし)買ってみたもので、ドン・シャーリーのことを知っていて買ったわけではない(笑)

だから、すっかり忘れていたのを、映画『グリーンブック』が思い出させてくれたわけである。


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引っ張り出してみると、この”Tonal Expressions”というアルバム(Cadence CLP 1001)、どうやら彼のファースト・アルバムらしい。

Discogsを見ると、レーベル上のクレジットにASCAPがあるものとないものがあるようだ。
ASCAPを後で消すというのも考えにくいので、ないほうが先だろう。


20190323-2.jpg


うちのにはASCAPがない。
ってことはファースト・プレスかな?

ファースト・アルバムのファースト・プレスを持ってるって、なんか気持ち良いぞ(笑)

超久しぶりに聴いてみたところ、確かにジャズではあるものの、クラシカルな要素も感じられ、なかなかにおもしろい。
ガーシュインの”The Man I Love”とか、”Rhapsody in Blue”をちょこっと引用したイントロから惹きこまれてしまう。

でも、はっきり言って、音はあまり良くない。
というか、それ以前に、これはRIAAカーブではないんじゃ?

このアルバム、ジャケットにも書いてあるように、ピアノのドン・シャーリーとベースのリチャード・デイヴィス(Richard Davis)のデュオで演奏されているのだが、ベースがほとんど聴こえてこない。
そりゃ、耳を凝らせば聴こえてはくるが、ピアノの低音部も含めて、実に弱いのである。

で、「RIAAから低音をもちあげないといけないカーブなんてあるのか?」と、古いイコライザ―・カーブの可能性があるときにいつも参考にしている資料を見てみると、1952年以前のRCA Victorのカーブでは、Bass(50Hz)を+5dB、Treble(10KHz)を+2dBとある。


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Cadenceってのは、RCA Victor系だってことだから、辻褄があう。
Runoutを見たら、やっぱりRCA Victor系のマトじゃないか。


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まぁ、このドン・シャーリーのレコードは1955年なんで、教科書通りならRIAAでなきゃいけないんだけど、すぱっと切りかわらずに、52年以降も古いカーブでカッティングされたものもあったのだとしたら、その古いカーブとはRCA Victorの旧カーブのはずだ。

ってことで、とりあえず、アンプのトーンコントロールで、古いRCA Victorのカーブに合わせて聴いてみる。

これでしょ。

どう聴いても、こっちがベストのバランスだ。


それにしても、このイコライザ―・カーブ問題は厄介だなぁ・・・
ラベル:Don Shirley
posted by 想也 at 19:35| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月17日

TOTO, HydraのUS盤のこと~TMLリカッティングの時期について

<ファーストや"Hydra"の記事にもすぐにとべるようにリンクを追加しました。>(2019年3月17日)

レコード・コレクターズ4月号の初盤道は、”TOTO IV”である。

TOTOといえば、セルフ・タイトルのファーストやセカンドの”Hydra”を取り上げたことがあるし、サードの”Turn Back”はともかく、”TOTO IV”はそのうちここでも取り上げようと思っていた。
それというのも、”TOTO IV”には、ファーストや”Hydra”と同じようなリカッティング問題があるからだ。

ファーストのリカッティング問題についてはこちら。
https://sawyer2015.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02

”Hydra"のリカッティング問題についてはこちら。
https://sawyer2015.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15


しかし、”Hydra”のリカッティング盤もなかなか出会わなかったが、”TOTO IV”については未だにリカッティング盤に出会っていない(もう1年くらい、レコードショップに行くたびにチェックはしているのだが・・・)。
つまり、”TOTO IV”については、取り上げようにも取り上げられない状況なのである。
そんなわけで、ボクが”TOTO IV”のことを取り上げるのは、まだ先のことになりそうだ。


20190316.jpg
<"TOTO IV"のSTERLING盤は2枚あるが、TML盤はない。"Hydra"はBG盤2枚にTML盤が1枚ある。>


ただ、”TOTO IV”のリカッティング時期に関する初盤道の推理を前提にすると、”Hydra”のリカッティング時期に関するボクの以前の推論が間違っていた可能性が出てくる。
しかも、リンダの”Hasten Down the Wind”に関する記事の追記で行った考察を踏まえると、”TOTO IV”のリカッティング時期について、初盤道とは別の視点から、同じくらいの時期が推理できる(初盤道の推理についてはレコード・コレクターズをご覧ください)。
しかも、そのリカッティングと同時に”Hydra”のリカッティングも行われたと考えるのが、理に適っているのである。
なにせ、どちらもリカッティングはTML(The Mastering Lab=ダグ・サックス(Doug Sax) が創設したマスタリング・スタジオ)で行われているのだ。

それに、ついさっきのことだが、まったく別の点から、ボクは”Hydra”1982年リカッティング説の決定的証拠に気づいてしまった(笑)

そこで、”Hydra”と”TOTO IV”のリカッティング時期について、ボクなりにちょっと考えてみることにしたわけである。

“Hydra”を取り上げた記事では、TMLによるリカッティングの時期について、「84年の5thアルバム”Isolation”のカッティング時に行われたのではないか」と推理していた(そして、”TOTO IV”もそのとき同時にTMLリカッティングされたと思っていた)。

TOTOのカッティングは、セルフ・タイトルの1stがTMLのマイク・リーズとロン・ヒッチコック(Mike Reese and Ron Hitchcock)、2ndの”Hydra”がバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)、3rdの”Turn Back”と4thの”TOTO IV”がSTERLINGのジョージ・マリノ(George Marino)だが、5thの”Isolation”でTMLに戻り、ダグ・サックス(Doug Sax)が行っている。
ここから単純に考えて、TMLのダグ・サックスに”Isolation”のカッティングを依頼するときに、いっしょに”Hydra”のリカッティングも依頼したのではないかと考えたのだが、”TOTO IV”のTMLへのリカッティングの依頼がもっとずっと早い時期(リリースからわずか数か月後の82年の夏頃)に行われていたとすると話は違ってくる。

”Hydra”のリカッティングをTMLに依頼したのは、むしろ”TOTO IV”のリカッティングを依頼したときなんじゃないか。
新譜が爆発的に売れれば、当然のことながら、旧譜もそれなりに売れる。
だから、旧譜のテコ入れも、新譜の売れ行きに合わせてするだろう。
RIAAの認定で言えば、“Isolation”はゴールド(50万枚)だが、”TOTO IV”は最終的にトリプル・プラチナ(300万枚)である。
旧譜のテコ入れなら、「”TOTO IV”の爆発的売れ行きに合わせて行った」と考えるほうが理に適っている。

では、それはいつ頃だったのだろう?
ここで役に立つのが、リンダの”Hasten Down the Wind”に関する記事の追記で行った考察である。

TOTOの場合、ファーストは爆発的に売れたが(78年9月27日のリリースで、12月12日にゴールド認定、79年1月23日にはプラチナ認定、最終的にはダブル・プラチナ認定(89年11月10日)されている。)、”Hydra”はリリースから5か月ほどした80年3月6日にゴールド認定されたもののそこまでで、”Turn Back”にいたってはゴールド認定もされていない。

この状況で、どのぐらいの売り上げ予想をして、どのぐらいのラッカーを切るかだが、少なくともそんなに大量には切っていないだろう(手持ち盤には1S/1Rなんて盤もあるし、Discogsを見ると1V/1Uなんてのも出ているが、もともとコロンビアのマトのアルファベットはLまでしか使わなかったはずなので、特別な割り当てがされている可能性がある)。
いずれにせよ、リリース後3か月でゴールド認定(82年6月30日)、9か月でプラチナ認定(82年12月30日)、2年半ほどでダブル・プラチナ認定(84年10月26日)なんて売れ方をするとは想定していなかったはずだ。

速攻でゴールド認定に到達したあと、「このままの売れ行きなら、すぐにスタンパーが足りなくなる」と判断され、リカッティングが依頼されたのが82年夏頃というのは、辻褄があう(何故、ファーストプレスと同じSTERLINGではなくTMLに依頼されたのかは、TMLカッティング盤を手に入れた後、紙ジャケ探検隊の仮説の検証も含めて、ゆっくり聴き比べでもしながら考えようと思う)。

最後に、決定的証拠の話である。
これは新たに発見した証拠ではなく、単に気づいていなかっただけの証拠なので、鋭い方はすでに気づいていて、ボクのことを笑っていたのかもしれない(こっそり笑わないで間違いは指摘してくださいねm(_ _)m)。

“Hydra”をとりあげた記事で、ボクは、次のように書いている。

「今回入手したTMLカッティング盤は、中部テレホート工場産のMatrix末尾2F/2Eというものだった」

そう、”Hydra”のTMLカッティング盤はテレホート工場産だったのである。
で、テレホート工場は、実は82年に閉鎖されているのだ!
82年中にTMLリカッティングが行われていなければ辻褄が合わないのである。

というわけで、「”Hydra”のTMLリカッティングは、”TOTO IV”のTMLへのリカッティング依頼に合わせて、82年夏頃に行われた」というのが、現時点での結論である。

「だからなに?」って話なのは重々承知なのだが、まぁ、ほら、前に書いたことの訂正ってことで(笑)
ラベル:toto
posted by 想也 at 12:49| Comment(0) | TMLの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする