90年代の終わりごろ、一時期ヒーリング・ミュージックばかり聴いていたことがあって、そのときにふっと思い出して"Autumn"と"December"のCDを買った。
彼のアルバムをちゃんと聴いたのはそのときが最初だ。
"December"が気に入らなかったわけでもないのだが、ジョージ・ウィンストンを聴こうと思うときは、ほぼ"Autumn"をトレイに載せていた。
いつしか、"Autumn"はボクの愛聴盤になっていた。
で、とりあえず、少し掘ってみている(笑)

ずいぶんと色味が違うが、一番手前がUSオリジナル(Windham Hill Records WHS C-1012)、次がUS再発(Windham Hill Records WH-1012)、一番奥が日本初盤(Windham Hill Records WHP-28001)である。
このレコード、日本のレコード・ショップでは、日本盤はよく見かけるもののUS盤はあんまり見ない(よね?)。
だから、日本初盤はかなり前に手に入れていたが、いつも気にしていたのにもかかわらず、US盤はなかなか入手できなかった。
US盤が聴いてみたくて仕方なかったんだけどねぇ・・・
だって、ほら、日本盤をこうやってひっくり返すでしょ。

で、右下のクレジットを見るわけさ。

"ORIGINAL HALF SPEED MASTERING BY STAN RICKER"と書いてある。
日本盤は独自カッティングなので、もちろんハーフスピード・カッティングではない。
ってことは、US盤はハーフスピード・カッティングで、日本盤とはまったく違う音がするに違いないと思うでしょ?
とはいえ、送料がバカらしいほど安いレコードなので、ネットで買う気にもなれない。
レコード・ショップにでかけたときに、ボチボチ探すしかないんである。
で、しばらく前に、ようやくUS盤を見つけたのだが・・・

写真では、なんか小さくて見えなくなってしまっているが、US盤は、表ジャケット右上に、白文字でWH-1012とある。
ひっくり返すと、日本初盤とほぼ同じで、右上に透過で白くロゴがあり、その上にはやはり白文字でWH-1012とある。

で、右下のクレジットを見てみるわけさ。

むむむ?
"ORIGINAL HALF SPEED MASTERING BY STAN RICKER"?
日本盤と同じじゃん。
なんで"ORIGINAL"がついてるの?
はい。
これを買ったときは、再発だと知りませんでしたσ^_^;
なので、"ORIGINAL"がついてることの意味にも気づいていませんでした。
Runoutを見ると手書きでいろいろ書いてあるUSカッティングだし、レイトかもしれないけど、まぁ、これでいいだろーと思って買ったんである。
聴いてみると、確かに、日本盤より良い。
良いんだけど、これ、ハーフスピード・カッティングの音じゃないよねぇ。。。
ここで初めてDiscogsで確認してみた。
どうやら、初盤はWHS C-1012の品番で、WH-1012は1983年?に配給がA&Mに移ったあとの再発のようだ。
ちなみに、ライナーを読むと、日本初盤も1983年リリースらしい。
で、最近、ようやくUSオリジナルを手に入れることができた。

表ジャケット右上には、WH-1012ではなくC-1012とある。
ひっくり返すと、右上のロゴの色も違う。

右下のクレジットはこうだ。

"HALF SPEED MASTERING BY STAN RICKER"
"ORIGINAL"がついてない!
透明のポリインナーに白文字で印刷された”OTHER ALBUMS"だって、USオリジナルのほうはちょっと少ない。

ん?
ちょっと?
”Autumn"の品番はC-1012である。
「ちょっと少ない」程度ではなく、初盤なら「半分以下」じゃなきゃいけないはずだ。
実際、ボクが入手したUSオリジナルのポリインナーには、C-1025の"December"まで載っている。
つまり、これ、1982年秋ものだったのである。
いやーな予感いっぱいにRunoutを見てみる。

スタン・リッカー(Stan Ricker)のサインではなく、ジャック・ハント(Jack Hunt)のサインじゃん!
きっと初盤はスタン・リッカーのサイン入りなんだろーなー
それでも、Mobile Fidelity Sound Labでハーフスピード・カッティングしてるのは間違いない。
聴いてみると、確かに、ハーフスピード・カッティングらしい音で、余韻が音場をリアルに再現している。
もうこれでいいだろーと思いつつ、それでも、スタン・リッカー・カットの初盤が聴いてみたい衝動からは逃れられないのである。
ちなみに、USオリジナルだけ、透けます(笑)

ラベル:George Winston