2020年02月29日

誕生日カレンダー Cats

一昨日のことだが、ツイッターのTLに、「必ず小さな昆虫がどこかにそっと描かれていておもしろいよね」というようなニュアンスのツイといっしょに、ジェーン・クラウザー(Jane Crowther)というイギリス出身のイラストレーターの絵が流れてきた。

この絵がすこぶる気に入ってしまったので、「画集があれば一番いいが、そうでなくとも、この方の絵が使われている絵本でも絵葉書でも何かないか」とAmazonで探したら、ドイツ製の誕生日カレンダーというのを発見した。

で、二つばかり良さそうなものを見つけて速攻で注文したのだが、そのうちの一つが、さっき届いた。
(もう一つはマーケットプレイスでイギリスの本屋への発注なので届くのはたぶん3月中旬。)


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Amazonの商品画像ではよくわからなかったのだが、この表紙、テクスチャーでエンボスである。
もう少し具体的に言うと、和紙のようなザラっとしたテクスチャーになっていて、猫の絵とCatsなどの文字がエンボス加工されている(猫のエンボスは写真をよく見ればわかるかなぁ?)。
(エンボス加工は表紙だけだが、テクスチャー加工は表紙だけでなく、12か月分ある―つまり、12枚ある―カレンダーのすべてに施されている。)

これはアナログコレクターのマニア心をくすぐる仕様だ(笑)

とにかく、ものすごーく気に入ってしまった。

誕生日カレンダーというのは、たぶん、大切な人の誕生日をメモしておくため(それ以外にも、記念日とかの大切な日もメモしておくってのもいいよね)のものだと思うので、同居してるパートナーでもいればかなり使えそうなアイテムだと思うのだが、残念ながらボクにはそういう人がいない(涙)

だから、そっと大事にしまっておいて、ときどき取り出して眺めるのである(笑)


<画像をクリックするとAmazonにとびます。>


もう一つイギリスの本屋に発注したのはこちら。


<画像をクリックするとAmazonにとびます。>

こちらも届くのが楽しみだ。
posted by 想也 at 13:31| Comment(0) | ETC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月25日

風『windless blue』のオリジナル

かぐや姫の伊勢正三さんと猫の大久保一久さんによって結成された風は、その経歴から「フォーク・デュオ」と言われることが多いが、風がフォークだったのはセカンド『時は流れて・・・』までで、サードの『windless blue』以降は、まったくもってフォークではない。

ボクがリアルタイムで風を聴くようになったのは『海風』からなので、風を「フォーク・デュオ」だと言われると、おそろしく違和感がある。
それに、風がリリースしたアルバム5枚のうち、フォーク・アルバムは最初の2枚しかないのだがら、その意味でも「フォーク・デュオ」というのは違う気がする。

とはいえ、当時はどう呼べばいいかわからなかったのだが、いまなら、相応しい呼び方が思い浮かぶ。
そう、「シティ・ポップ・デュオ」というのがもっとも相応しいだろう。

今回とりあげるサード『windless blue』も、どう聴いてもフォークではない。
これは、アメリカ西海岸のAORの音だ。
ジャケットだって、思いっきりAORである。


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スティーリー・ダン(Steely Dan)へのオマージュがそこかしこに感じられるアルバムで、とにかくかっこいい。

おまけに名曲『君と歩いた青春』まで入っている。
一家に一枚では足りない。
二枚は欲しい名盤である。
そんなわけで二枚持っている(笑)

なーんて冗談はこのくらいにして、本題に入ろう。

このアルバムを二枚持っているのには理由がある。

すでに書いたように、ボクが風をリアルタイムで聴くようになったのは『海風』からで、『windless blue』は後追いだった。
最初に聴いたのがいつ頃だったのか記憶が定かではないが、レコードを買ったの自体は、数年前のことだ。

当然のことながら、買うならオリジナル・ファースト・プレスである。

このレコードには、ときどき、ジャケットと別テイクの写真が使用されたステッカーが付属していることがあり(わりとよく見るので特にレアではないと思う)、帯とかに「初回限定ステッカー付き」みたいな宣伝文句はないものの、この手のおまけは初回盤についてたものだろうと思った。

で、ステッカー付きを手に入れた。
帯はついてなかったんだけどね。


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この盤、音も悪くないし、とりあえず満足していたのだが、つい先日、帯付き盤を見つけたので盤を確認してみたら、なんと手持ち盤よりスタンパーが若い。
しかも、レーベル形状が違う。
ステッカーはついていなかったし、盤の状態もあまり良くはなかったのだが、安レコだし、とりあえず買ってしまった。

ってことで、うちには二枚あるわけだ。

そう、うちの二枚、レーベル形状が違うんである。

以前から持っていた盤のレーベル形状はこうなっている。


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日本盤ではあまり見ない(よね?)凸リムである。

他方、新たに入手した盤は、フラット・レーベルだ。


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こっちのほうが一般的だよね。

スタンパー情報については、次のような違いがあった。

以前から持っていた盤―凸リム盤
 Side 1: 1-B 9
 Side 2: 2-C 9

新たに入手した盤―フラット盤
 Side 1: 1-A-3
 Side 2: 2-A-14

読み方は、おそらく最初の数字がラッカー、次のアルファベットがマザー、最後がスタンパーじゃないかと思う。

最初の数字が同じなので、要は両方ともマト1/2ということで、同じである。
違いはマザー/スタンパーの進み具合ということだ。

興味深いのは、以前から持っていた凸リム盤の場合、スタンパー・ナンバーの前にハイフンがない。
それだけでなく、Side 1の送り溝に、こんな刻印があった。


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これは、「11 K 6」で6にアンダーバーがついてるんだと思う。
『windless blue』の発売日は、1976年11月25日だから、この刻印はおそらく製造年月を表しているんじゃないだろうか?

最後の6が1976年。
その前のKは、アルファベット11番目で11月。
YMOの『増殖』が凸リムで、送り溝には必ずK刻印があるようだ。ここから、K刻印はプレス工場の識別記号の可能性が高いと推測される。(2021年9月17日20:00追記)
最初の11は、Kと同じく11月を意味するんじゃないかと思う(11日という日付を意味する可能性もないわけではないが、日付までは普通打たない気もする)。

そうだとすると、以前から持っていた凸リム盤も、発売日当月製造盤である。
初回プレスではないかもしれないが、相当に初期プレスということになる。
やはり、ステッカーは初期盤にのみついてたんじゃないかと思う。

ちなみに、フラット盤の送り溝には、この製造年月刻印のようなものはない。
レコード棚にPANAM盤が10枚ほどあったので確認してみたが、凸リム盤は一枚もなかったし、74年くらいまではPANAM盤の送り溝にも製造年月刻印らしきものがあるのだが、凸リム盤のそれとは形式が違っていた。

つまり、ボクが以前から持っていた『windless blue』の凸リム盤は、委託プレスの可能性が高いんじゃないかと思う。

さて、重要なのは、音である。
これがねぇ・・・かなり違う(笑)

凸リム盤は、低域が若干膨らみ気味で、個々の楽器の音やボーカルの輪郭が微妙にぼやけている。
それに対して、スタンパーの若いフラット盤は、低域がタイトで、個々の楽器の音やボーカルの輪郭が実に明快だ。

楽器の音で言えば、A3『3号線を左に折れ』の哀愁を湛えた新井英次さんのトロンボーン、A4『旅の午後』のエモーショナルな水谷公生さんのギターソロが、とりわけ好きなのだが、フラット盤のほうを音量をあげて聴くと、その音色に蕩けてしまう。

凸リム盤も、それだけ聴いていたときは良かったのだが、スタンパーの若いフラット盤のほうを聴いてしまうと、もう戻れない。

しかし、うちのフラット盤、状態がいまひとつなのが残念だ。
安レコだし、状態の良い初回盤をなんとか手に入れたいと思う今日この頃なのである。
ラベル:
posted by 想也 at 23:20| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月23日

Jody Watley, 1stのUSオリジナル

ここのところ、80年代のロック、ポップス、R&Bにハマっている。

10代後半から20代を過ごしたのが80年代で、青春時代の思い出に結び付いた音楽がやまほどあるということもあるのだが、一番大きな理由はJICOのShure用交換針『黒柿』の導入である。

80年代は、アナログ・レコードの製造技術という点では完成の域にあった一方で、さまざまな部分でデジタルへの移行が行われていた。
そのせいで、80年代のアナログを聴くと、良い音だなぁと思っても、どこかに嫌味なデジタル臭さを感じたりすることもしばしばあって、少し苦手なところもあったのだ。

ところが、『黒柿』で聴くと、その苦手なところがうまく味付けされて、全体的にまろやかに美味しくなるように、ボクには感じられるのである。
全部が全部そうだというわけでもないが、少なくとも、そう感じるレコードはかなり多い。

青春時代の思い出の音楽が、美味しい音で蘇るのだ。
ハマらないハズがない。

ジョディ・ワトリー(Jody Watley)のファースト・アルバムについては、特に思い出に結び付いているとかそういうことはないのだが、なんとなく聴いていたら、今日2月23日がリリース記念日なのであった。
ってことで、取り上げるのである。


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いやぁ、80年代の音だなぁ。
特に思い出と結びついているわけでなくても、80年代後半の渋谷あたりの景色が甦る。
でも何故渋谷なんだろ?(笑)
まぁ、いいか。

さて、レコードのほうだが、インナースリーブが付属するほか、いまだシュリンクが残っていて、ステッカー付きだ。
ステッカーを拡大すると、こう書いてある。


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この手のステッカーの場合、シングル・ヒットがあると「そのシングル曲が入っているよ~」と告知するものなので、ステッカーに書かれている内容から、プレス時期が推測できたりする。

このアルバムからは最終的に5曲がシングル・カットされたのだが、このステッカーの書きぶりからすると、まだ最初のシングル"Looking for a New Love"だけがリリースされていた時期のもののようだ。

アルバムのリリースは87年2月23日で、"Looking for a New Love"は先行シングルとして87年1月6日にリリースされているので、このステッカーは初回プレスにも貼られていた可能性がある。

ちなみに、その後のシングル・カットは、"Still a Thrill"が4月27日、"Don't You Want Me"が8月10日、"Some Kind of Lover"が翌88年1月4日、"Most of All"が4月18日である。
"Still a Thrill"のリリースが決まった後なら、その前には"The New Single”とか付けそうな気がするので、やはり2月23日に店頭に並んだ初回プレスか、少なくとも翌3月プレスのものに貼られたステッカーだろう。

レーベルは、80年から使用されているブルー・レインボウ・レーベルなので、レーベルによるプレス時期の判定はできない。


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サイド表記が"VIBE ONE""VIBE TWO"となっているあたりが、ファンクである(笑)

マスタリングは、Future Discというハリウッドのマスタリング・スタジオで行われていて、Side 1の送り溝に手書きで"Future Disc"と彫ってある。


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マトは両面ともFDS-2だ。
Discogsにもマト2しか出てないので、マト1は存在しないかもしれない。
87年というと、すでに本格的にCDの時代に突入しているしね。

プレス工場は、残念ながら、Gloversvilleだった。


20200223-05.jpg


まぁ、でも、これは、全米で200万枚売れたアルバムである。
CDのほうが販売枚数がかなり多かったとしても、LPだって数十万枚はプレスされたんじゃないかと思う。
そうすると、プレス工場より、プレス時期の差のほうが、はるかに大きそうな気がする。

うちのは、たぶん初期プレスだと思うので、Gloversvilleでも良しとしよう。
ラベル:Jody Watley
posted by 想也 at 18:07| Comment(2) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする