2020年03月22日

60年代ロックLP図鑑がやってきたヤァ!ヤァ!ヤァ!

数か月前、東芝EMIのプレス年月刻印のことを教えてもらったとき、その刻印の謎を解き明かした菅田泰治氏の著書『60年代ロックLP図鑑 洋楽編』(2006年)には興味をもったのだが、これまで「洋楽の帯付き日本盤LP」というものにはほとんど興味がなかったので、そのときはなんとなくそのまま忘れてしまった。

しかし、このプレス年月刻印というやつには、ここのところずいぶんお世話になっている。
(まぁ、ボクの場合は、日本のフォークやニューミュージック、いまで言えばシティ・ポップのレコードの初盤を探す手段としてだけど 笑)

で、しばらく前から、ここはひとつ、その謎を解明してくれた菅田氏に敬意を表する意味でも、『60年代ロックLP図鑑 洋楽編』については購入せねばなるまいと考えるようになっていた。
(ほとんど知識のない日本盤LPについて、ビートルズを中心に知識を得たいという欲求も少しだが出てきていた。)

とはいえ、この本、Amazonとかでは絶版扱いである。
そこまで高いプレミアがついていない出品もあるので価格的に買う気にならないというわけではないのだが、中古品を買って敬意を表したことになるのかという根本的疑問もわいてきて、なんとなく躊躇っていた。

そしたら、なんと、『ジスボーイ』のWEBサイトでは、普通に販売中だというじゃないか(菅田氏は、広島にある中古CD&レコードショップ『ジスボーイ』の店長さんである)。

『ジスボーイ』のWEBサイトはこちら(著書の購入は「店長・菅田-works-」から)。
http://www.thisboy.co.jp/

もはや躊躇う理由は何もない。
ボクは速攻で在庫確認をして、発注をすませたのであった。


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さっそくプレス年月刻印―『60年代ロックLP図鑑 洋楽編』にならって、今後はプレスマーク(PM)と呼ぶことにしよう―の解説のところを読んでみると、その発見と解明は、菅田氏ではなく、ベンチャーズ・コレクターである柳生さんという方の功績だということで、柳生レポートなるものが掲載されていた。

PMの発見と解明が、まずコレクターによって行われたというのが、なんとなく嬉しい(笑)


柳生レポートを読んだ後は、最初のページからパラパラと見ていったのだが、基本的に本国盤オリジナル(たとえば、イギリスのアーティストなら英盤、アメリカのアーティストなら米盤)を集めてきたボクは、見事なまでにほとんど所有していない(笑)

これから手に入れようという気もないのだが、なんだか見ていて楽しい。
各ページにある説明やコラムなどで披露されている知識も、初めて知ることが多く、知識欲を充たしてくれる。

見て読んでいるうちに、ホンモノが欲しくなるような副作用があったらどうしよう?
そんな財力はないぞ・・・(笑)


さっきも書いたように、この図鑑に掲載されている日本盤レコードを、ボクはほとんど持っていないのだが、このレコードはさすがに持っている。


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"A Hard Day's Night"の日本盤『映画「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」(サウンドトラック盤)』(Odeon OP-7123)だ。
日本独自ジャケなんで、やっぱりどうしても欲しくなって手に入れたのである。
20年くらい前の話だが。

この黒いOdeonのレーベルに赤盤というのも所有欲を掻き立てるよね?


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まぁボクの場合は、一枚ぐらいは持っていたいという程度の所有欲だけど(笑)

さて、ボクの所有盤だが、正確に言えば、図鑑に掲載されているものではない。
では、図鑑に掲載されているもの(図鑑にはOdeon OP-7123が帯違いで二種類掲載されている)と、どこが違うのか。

「帯がついてないから違う」というのは半分正解で半分不正解だ。
というのも、うちの盤は、裏ジャケ右下部にある価格の前の記号がGだからである。


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このG盤、実在数が非常に少ないうえに、帯なしで発売された可能性が非常に高いんだそうだ。
で、図鑑には掲載されていないわけである。

「実在数が非常に少ない」と言われると、それを所有していることがなんだか少しうれしい(笑)
それに、「帯がついてなくて残念だな~」とずっと思っていたのだが、もともと帯なしだったのなら、これで完品じゃないか(笑)

図鑑8ページによると、半掛け帯の初盤(F盤)がリリースされたのが1964年9月5日で、水色のV字帯のH盤の発売が67年2月とのこと。
G盤はその間の発売なのだが、図鑑45ページの推移表を見ると、65年6月頃から66年8月頃に発売されたもののようだ。

では、うちのはいつ頃プレスされたものなのか。
これはPMでわかる。


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E6ということは、66年5月だ。
H盤への切り換え直前のプレスである。
そのことを示すような情況証拠が、さきほどの裏ジャケ写真にも写っていたのだが、おわかりだろうか?

そう、価格表示部分には、おそらく価格変更のシールが貼られていた痕跡が残っているのである。

図鑑14ページによると、物品税税率の引き下げに対応して値下げが行われたのが66年7月21日とのことなので、うちのG盤は、5月にプレスされたが、7月21日以降にシールを貼って販売されたものということになる。

まぁ、どうでもいいっていえばどうでもいいことである。
でも、ボクは、こういうことを解き明かすのがとても楽しいのである(笑)
ラベル:THE BEATLES
posted by 想也 at 17:03| Comment(0) | 国内盤研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月20日

『Kitrist』のアナログ盤

水曜日に届いたKitri(キトリ)『Kitrist』のアナログ盤(日本コロムビア COJA-9369)だが、とても気に入ってすでに5回以上、もしかしたら10回くらい再生しているかもしれない。

ここ最近、リビングで聴くアナログで、ここまでヘビロテしたものはない。
(CDを車の中でヘビロテしてるのはけっこうあるけど。)

いや、ホント、素晴らしい。

アナログ盤には、歌詞とSelf Liner Notes(全曲をMonaちゃんとHinaちゃんで分担して解説している。こうしたアーティスト本人による解説はどこに注意して聴けばいいかわかってありがたい。)が印刷された見開きインサートが付いている。


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ジャケットはなんだかちょっと不気味でもあるが、インサートにはMonaちゃんとHinaちゃんの写真も載っている。

レーベルは赤字に白文字のシンプルなものだ。


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シンプルなのはいいのだが、赤をこんな明るめの赤でなく、2人が着ているドレスのような暗めの深紅にしたほうが、統一感がとれた気がするんだけどな。

このレーベル写真にも送り溝のマトが写っているが、送り溝にはCOJA9369 A/COJA9369 Bのみが刻印されており、それ以外にはなにも刻印されていない。
これはマスタープレッシングなんだろうか?
なんとなく、そんな気がする。

音質はすこぶる良い。
ボーカルにせよピアノにせよ、実在感がすごい。

誰がカッティングしたんだろうと探したら、武沢茂さんだった。


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武沢さんと言えば、日本コロムビアの匠である。
最近では、ステレオサウンド社が出している高音質アナログ盤のカッティングを手がけている方だ。

なるほど、確かにこのレコードも、アナログならではの魅力が全開のカッティングである。


そうそう、アナログ盤だけでなくCDにもついてくるオマケで、『羅針鳥 Shohei Amimori Rework』をSpotifyのストリーミングで聴けるQRコードが封入されている。

わりとポップだった『羅針鳥』が、ポップとはほど遠い前衛的なものに生まれ変わっていて驚いた(笑)
ラベル:Kitri
posted by 想也 at 17:37| Comment(0) | Kitri | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月18日

『Kitrist』の予習

Amazonプライム会員なので、一昨日発注した『Kitrist』は昨日配達に来たのだが、昨日は職場に出ていたので受け取れず、本日再配達待ちである。

ってことで、予習をしているのである。

まずは、YouTubeのオフィシャル・チャンネルに置いてある、『Kitrist』収録曲のMVから。





『Kitrist』では2曲目の『Akari』。
クラシックとポップスの融合というのがKitriの音楽性なのだが、この曲については、サビがちょっと歌謡曲っぽい感じもして、かなりポップス寄りかな。

Kitriは姉のMona (モナ)ちゃんと妹のHina(ヒナ)ちゃんによるユニットだが、Kitri初心者としては、どっちがMonaちゃんでどっちがHinaちゃんかわからない(笑)
で、オフィシャルサイトのProfileを見てみると、ボーカルとピアノ低音部(Primo)を担当しているのがMonaちゃんで、コーラスとピアノ高音部(Secondo)を担当している(その他、ギターやパーカッション他も担当)のがHinaちゃんだとのこと。
なるほど、このMVで区別できた(笑)


お次は『Kitrist』3曲目の『矛盾律』。





ぐーんとクラシック寄りになって、スケールも大きくなる。
透明感のあるボーカルに癒されながら、演奏に圧倒されてしまう。
ロシア民謡っぽいフレイバーもあって、そのあたりがどこか懐かしさを感じる要因なのかなぁ。


『Kitrist』10曲目の『羅針鳥』は、メジャーデビュー第1弾EP『Primo』のリード曲だった。





これはリード曲らしく比較的ポップでわかりやすい。
で、姉妹で声質がぴったり合うハーモニーに、ピアノの連弾で盛り上がるエンディングが圧巻。


と、YouTubeのオフィシャルチャンネルにおいてあるMVを観てきたが、全曲聴きたければ、Spotifyで聴ける。





とはいえ、圧縮音源は、やはりリビングのオーディオで音量をあげて聴くのは厳しい。

アナログではどんな音でなるのかなぁ?
なんて思っていたら、届いた!


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これから聴きます。
ラベル:Kitri
posted by 想也 at 16:17| Comment(0) | Kitri | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする