https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2018-04-30
このときにボクが持っていたのは、ファースト・プレスの方もマトR2/R1のRCAインディアナポリス工場産だった。
で「当然R1/R1もあると思うが、差はない気がする」なーんてことも書いた。
これは本心だったので、とくにマトR1/R1を探していたわけではないのだが、見つければ当然買う。
安レコなので、買わない理由はないのである。
ってことで、手許にUS盤が3枚になった。

あっ、でも、最近レコード・ショップには行けてないので、手に入れたのはずいぶん前の話だ(去年の夏頃だったかなぁ?)。
この手のネタは山ほどあるのだが、書くのが面倒なので、放置しているのである。
放置ネタは、すっかり忘れ去ってしまうことが多いのだが、今日、たまたまツイッターで話題になったので思い出した。
思い出したときに書かないと、また忘れてしまいそうなので、書きとめておくのである。
ってことで、ホール&オーツ"H2O"のUSオリジナル、マトR1/R1の話である。
前の記事を書いたときに持っていた盤と違うのはSide A(ちなみに、裏はSide Bではなく、Side Oneで、いわゆる両A面だ。Side Oneのマトの末尾はB- R1だけどね。)のマトである。

A-R1が燦然と輝く(そんな大したもんじゃない 笑)。
Side AにのみMASTERDISK RL刻印があることも、RCAインディアナポリス工場産であることも、マトR2/R1盤と同じである。
とはいえ、マトR1/R1はマトR2/R1と同じくセカンド・プレスにも存在する。
ファースト・プレスと認定されるためには、いくつかの関門をくぐりぬけなければならないのである。
まずはジャケットだ。
マトR1/R1盤は、最初の集合写真では一番手前である。
「全部同じだろー」って声が聴こえてきそうだが(実際、写真じゃ全部同じに見えるだろうし)、以前の記事に書いたように、ジャケットにも光沢があるものとマットなものがあって、光沢があるのが最初だ。
で、マトR1/R1盤が入っていたジャケットは光沢ありだった。
ファースト・プレスの第一関門突破である。
マトR1/R1盤に付属のインナースリーブは、光沢があり、右下にREはなく、曲順が"ONE ON ONE"→"ART OF HEARTBREAK"と収録順とは違っている。

ファースト・プレスの第二関門突破である。
そんなわけで、無事、ボクが入手したマトR1/R1盤はファースト・プレスに認定された・・・と言いたいところなのだが、最大の関門が残っていた。
そう、レーベルである。
マトR1/R1のレーベルを見てみよう。

なんだ?これは?
ファースト・プレスはこういうレーベルのはずである。

"1981 RCA RECORDS"が棒線で消されて、上に"1982 RCA RECORDS"と追記されている。
以前の記事でセカンド・プレスとしたものは、そもそも"1981 RCA RECORDS"は印刷されておらず、"1982 RCA RECORDS"が追記ではなく最初から印刷されていた。
しかし、この両者は、レーベル上に印刷されている文字のフォントや配置などは同じだった。
今回ボクが入手したマトR1/R1盤は、文字のフォントや配置などが全然違う。
Stereoなんて表記もついている(ってことで、このレーベルをStereo付きレーベル、以前からボクが持っていたものをStereoなしレーベルと呼ぶことにする)。
それに、このStereo付きレーベル、よく見ると、RCAロゴがどこにもないんである。
なんとも不思議なレーベルというほかない。
全然違うことにあっけにとられて、どっちがファースト・プレスなのか一瞬わからなくなったが、落ち着いて考えれば、Stereo付きレーベルのほうが後だというのはわかる。
"1982 RCA RECORDS"と印刷されているからである。
間違って"1981 RCA RECORDS"と印刷してしまい、棒線で消さざるを得なかった、Stereoなしファースト・レーベルのほうが先だろう。
また、スタンパーとおぼしき刻印も、Stereoなしファースト・レーベル盤がA1のスタンプにHの手書き(A面)/A1のスタンプにfの手書き(B面)なのに対して、Stereo付きレーベル盤ほうはA7のスタンプにNの手書き(A面)/A1のスタンプにRの手書き(B面)である。
微妙と言えば微妙だが、Stereoなしファースト・レーベル盤が先でよさそうだ。
さらに、もう一つの情況証拠として、DiscogsにはStereo付きレーベル盤にRE付きインナースリーブが付属しているものが掲載されている。
問題なのは、Stereo付きレーベルと、Stereoなしセカンド・レーベルでは、どちらが先なのかである。
うちのは、Side AがStereo付きレーベルで、B面にあたるSide OneがStereoなしセカンド・レーベルなので、さらにわけがわからなくなる。
(ちなみに、Side OneのほうもStereo付きレーベルという盤―つまり両面Stereo付きレーベル盤―も存在する。さらに、うちのと逆に、Side AがStereoなしセカンド・レーベルで、Side OneのほうがStereo付きレーベルという盤も存在する。)
まぁ、セカンド・プレスの話なので、どっちでもいいか(笑)
おっと、前置きが長くなった(前置きだったんかーい)。
今日の本題は、Side AのマトR1とマトR2には、差があるのかないのかだ。
結論から言うと、全然違う(笑)
そもそも送り溝の幅が全然違うのである。
R1の送り溝の幅は、13mmほどだ。

それに対してR2の送り溝の幅は、17mmもあるのだ。

4mmの差は大きい。
実際、出てくる音はかなり印象が違う。
R1はわりと低域が強調された音で、ベースやドラムの存在感が大きい。
それに対してR2は、低域がぐっとタイトになって、軽やかだ。
ホール&オーツなら、ボクはR2のカッティングが好みである。
まぁ、スタンパーが若いぶん、鮮度感もR2のほうが上だということもあるのだが。
あと、もしかしたら、スタンパーの摩耗に由来するのかもしれないが、R1は内周にいくと少し歪みっぽく感じるところがある。
とはいえ、R2だけ持ってればいいかというとそうでもなく、なんとなくR1を聴きたくなるときもあるような気がする。
どちらも、MASTERDISKのRLカットだしね。
そんな楽しみ方ができるのも、アナログの醍醐味だと思うのである(笑)
ラベル:Hall & Oates