2020年05月30日

ELO, Out of the BlueはUS盤で聴くべき?

5月28日のThe Trad@Tokyo FMで、冒頭、イギリス人が選ぶ「これまでで最も幸せを感じさせてくれる曲」第1位がELO(Electric Light Orchestra)の"Mr. Blue Sky"だった、というようなコメントともに、同曲が流れた。

この曲、これまでいろんなところで使われてきたので知ってはいたが、ボク自身は、特に良い曲だと思ったこともなかった。
しかし、まぁ、曲の印象というのは、聴くタイミングで変わるよね(笑)

iPhoneから流れる"Mr. Blue Sky"は、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ予断を許さない現在の状況の下、なんだかやたら忙しいということもあって、沈みがちになっている心を、少し明るくしてくれた。
うん、良い曲だ。

ELOはリアルタイムではまったく聴いていなかったし、その後ハマる機会もなかったので、思い入れというものはまったくないのだが、"Mr. Blue Sky"が収録されている"Out of the Blue"は、確かレコードを持っていたはずだ。

いつ頃手に入れたのかまったく記憶にないが、完全な後追いで、ヒットしたアルバムなのでとりあえず聴いてみようと買ったものだったと思う。
だから、ボクが持っているのはおそらく日本盤だろうと思っていたのだが、レコード棚をあさってみると、出てきたのはUS盤(Jet Records ‎JT-LA823-L2)だった。

UK盤だったらもっとよかった(オリジナルはUK盤よね)が、US盤でも日本盤より音が良い可能性は高い。

出てきたUS盤をターンテーブルに載せて、"Mr. Blue Sky"を聴いてみる。


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うん、悪くない。
US盤だし、もうちょっとボリュームをあげてみる。

音場が広がり、空間を埋め尽くす。
音の分離が明快で、音場が実にリアルだ。
これは良い。

ってことで、送り溝をみてみると、なんとスタン・リッカー(Stan Ricker)のハーフスピード・カッティングである。


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(SR/2はスタン・リッカーがハーフスピードでカッティングした証拠だ。)



UK盤もそうだったのかとDiscogsを確認してみると、どうやら違うようだ。
UK盤は、のちにUtopia StudiosやThe Town Houseで活躍したKevin Metcalfeのカッティングだとのこと。
UK盤を聴いたことがないので、どちらが良いかの判断はできない(オリジナルはUK盤だと思うので鮮度的にはUK盤が有利な気はする)が、スタン・リッカーがハーフスピード・カッティングしたUS盤の音は、少なくとも「これで十分満足」と思わせる音ではある。

ボクなんぞELOにまったく思い入れがないので、もはやUK盤が欲しいという気がこれっぽっちも起きない(笑)

一つ気になったのは、うちのUS盤はプレス工場が判別できないことだ。
プレス工場を示しそうなものは、すべての面に書かれた手書きの6くらいだが、はて?

あぁ、それから、うちの盤、マトはSide 2をのぞいて手書きなのだが、Side 2はめずらしく機械刻印である。


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なんだか、UK EMIのマト刻印みたいだ。

レーベル形状もあんまり見たことない形状だし、どうにもプレス工場の特定ができないのである。

何か情報をお持ちの方は、ぜひお知らせくださいませm(_ _)m
posted by 想也 at 18:26| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月29日

夢を見た

夕べ、夢を見た。

朝起きたときに鮮明に覚えていたから、夕べではなく、明け方に見た夢だったのかもしれない。

それは、逢うこともなくなって久しい彼女の夢だった。


彼女のことが好きだった。

それが恋だったのかどうかは、いまだに定かではないが、とてもとても好きだった。

僕たちは恋人ではなかったが、うまく説明することができない、なんだか少し特別な関係だった。


夢の中の彼女は、最後に逢ったときから確実に歳を重ねているように見えた。

外見も、物腰も、話し方も。

それでも夢の中の僕たちは、あの頃と少しも変わらない関係で、たわいもない話で笑い合った。


そこには、あの頃と同じ関係がまた始まるんじゃないか、と思わせる空気が流れていた。

少なくとも、僕はそう感じていた。


僕たちは、彼女に誘われるままに、彼女の部屋に向かった。

あの頃と同じ関係ではなく、あの頃とは違う新しい関係が始まるのか?

僕は少しドキドキしながら、彼女と並んで歩いた。


彼女の部屋にはすぐに着いた。

鍵がかかっていないらしく、彼女はそのまま玄関のドアをひく。

すると、奥から声が聴こえた。

「おかえり。」

男の声だ。

「ただいま。」

彼女は奥にそう応えたあと、

「どうぞ。あがって。」

僕に向かって、そう言った。


リビングでは、彼女と同い年ぐらいの男が、立ち上がって僕らを迎えた。

男の顔には困惑があった。

僕を見たあと、説明を求めるように彼女を見た。


「この人は、私にとって特別な人なの。あなたと結婚しても、ずっと特別な人なの。だから、あなたに紹介しておかなきゃいけないと思ったの。」

男がどんな顔をしていたかはわからない。

僕はただ、彼女の真剣な顔にみとれていた。

凛とした彼女は、とても綺麗だった。


あの頃と同じ関係で、あの頃とは違う関係を、彼女は始めたいのだ。

あぁ、そうか。

それが僕の望んでいた関係だったのか。


いつの間にか夢からさめていた僕は、ぼんやりとした頭で、そう思った。






♪「音楽が奏でる情景」は、好きな音楽にインスパイアされて書きとめた(たぶん 笑)フィクションです♪
ラベル:Official髭男dism
posted by 想也 at 23:59| Comment(0) | 音楽が奏でる情景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月16日

初盤道裏話 Part 2

レコード・コレクターズ6月号の初盤道は「3年間の落穂拾い」ということで、これまで取り上げたレコードについて、新たな事実が判明したことを報告している。


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でもって、ボクが協力している(^_-)-☆


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取り上げられているのは、U2, "Joshua Tree"のUKオリジナル(Island U26)とフィービ・スノウ(Phoebe Snow),"Phoebe Snow"のUSオリジナル(Shelter SR 2109)だが、初盤更新情報のほうは初盤道の記事を読んでいただくとして、こちらはもちろん裏話である(笑)


といっても、”Joshua Tree"のほうは、裏話というほどのものはない。

UKオリジナルを2枚(マト1U/1Uと1U/2U)持っていたが、悪くはないものの、いまひとつスッキリしなかった。
もう少し鮮度の高い音が出てきてもよさそうな気がしてたんである。
それで、もう一枚マト1U/1U盤を買ってみようかと思いつつ、なんとなくDiscogsをウロウロしていたら、ジャケットやインサートのクレジットに変遷があって、クレジットがどうなっていれば初盤ジャケット&インサートなのかが特定されているのを発見してしまった。

そんな話、聴いてないぞー

ボクは慌てて手持ち盤のジャケットとインサートを確認したのだが、2枚とも見事にハズレ。
そりゃ、音だって、いま一つスッキリしないわけだ・・・

まぁ、でも、どんなのを探せばいいかがわかれば、そんなにレアなわけでもないので、手に入れるのは難しくない。
実際、すぐに入手できた。
聴いてみれば、音だって、やっぱり、ファースト・プレスの音である(^^)v

しかし、このUKオリジナルのクレジット変遷問題、個人的に一番興味深かったのは日本盤のクレジットの変遷だった。

つい先日も、ビリー・ジョエル(Billy Joel), "The Stranger"のUSオリジナルにまつわる記事で書いたことだが、本国盤に多少のクレジットの修正があっても、日本盤は基本的に影響を受けない。
だから、日本盤を見ると、初回ジャケットがどうだったかわかることが多いのである。

しかし、"Joshua Tree"の場合は違った。
日本盤のクレジットも同じ様に変遷していたのである。
これはホントにめずらしいと思う。
少なくともボクは、他の例を知らない。

悩ましいのは、うちにある日本盤が見事に修正後のレイトだったことだ。
やっぱり、日本盤も初回ジャケット盤が欲しいなーとは思うのだが、最近はそこそこのお値段になっているので、いまだに買えていない。

そんな話を紙ジャケ探検隊にしたところ、探検隊の顔は一瞬蒼白になった(笑)
なーんてのは冗談だが(実際、初盤情報の更新なんてザラにあることなのである)、話を聴いた瞬間に、タイミングをみはからってこの新情報を記事にしようと決めたようだった。


そんなわけで、"Joshua Tree"のほうは裏話というほどのものではないのだが、フィービのファーストの方は、まさに裏話というべき話がある(笑)

紙ジャケ探検隊が初盤道でフィービを取り上げたのを読んでからというもの、ボクはレコード・ショップに行くたびに、東部Gloversville工場プレスでマト両面W1の盤をひたすら探した。

しかし、ない。

だいたい、日本に入ってくるUS盤は西部の工場でプレスされたものが多いんである。
東部工場プレスを探すのはたいへんなのだ。

そんなボクの状況を知っていた探検隊は、アメリカまでレコードを掘りに行った(んじゃなくて、仕事で行ったついでに掘ったんだっけ? 笑)際に、ボクへのお土産に、東部Gloversville工場プレスでマト両面W1の盤を掘り出してきてくれたんである。

ホントに、いいひとなんである。

しかも、ボクの家に持ってきてくれたのは、東部Gloversville工場プレスでマト両面W1の盤が2枚、聴き比べて、音のいいほうをくれるというのだ。

ひたすら、いいひとなんである。

そのときは、ノイさんもいっしょに来ていたので、3人でじっくり聴き比べた。
いや、じっくり聴き比べなくても、わかった(笑)

こっちだよねー

全員一致である。
音の良いほうを手放すのを躊躇するぐらいの差があったが、そんなときでも、探検隊は顔色一つ変えないのだ。
探検隊に二言はないのである。

すごーく、いいひとなんである。

そのときにボクがツイッターでつぶやいたツイがある。


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ちょうど一年前くらいなのね。

で、この後、ボクはレーベルのクレジットに違いがあることを発見してしまったのである。
いろんな情報を整理してみると、どう考えても、ボクがもらったものはファースト・プレスだ。

その時点では、探検隊が持ち帰ったものも同じクレジットなのか、それとも修正後のクレジットなのかわからなかったので、ボクはせめて探検隊が持ち帰ったものもファースト・プレス・レーベルであってほしいと思った。

が、願いはかなわなかった。

それでも、探検隊に二言はないのである。

もう、とてつもなく、いいひとなのである。

その後、めでたく探検隊もファースト・プレス・レーベルの盤を手に入れた。
そして、今回の記事となったのでありました。

今回の初盤道、協力者としてボクの名前がクレジットされているが、ホントにもう感謝しかないのである。
ありがとうございましたm(_ _)m
ラベル:Phoebe Snow U2
posted by 想也 at 00:36| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする