このひと月、完全休養日が一日もなかったので、週末が休日になりそうだというだけで、なんだか少し精神的余裕が生まれてくる。
ブログを書こうって気にもなるのである(笑)
で、SHURE M44Gの話である。
田中伊佐資さんの著書『ヴィニジャン: レコード・オーディオの私的な壷』 (ONTOMO MOOK)に触発されて、SHURE M44が欲しいという記事を書いたのが9月の上旬、2か月弱前になる。
https://amzn.to/3X7eUbI
もう、すぐにでも買う気満々でいたのだが、SHUREはすでにカートリッジ製品の生産を終了している。
新品では買えないのである。
まぁでも新古品はけっこう市場にある。
しかし、高い。
M44にそれはないだろーという値段がついている。
ということで、ちょっと買う気になれない。
必然的に中古品を買おうと決めるわけだが、何しろDJユースの定番のようなカートリッジである。
ヘビーな使われ方をしていることも多いだろう。
中古品を買うにも、いろいろ気をつかわざるを得ないのである。
まぁ、そんなことを言っていてもキリがないので、完全に勘を頼りに、「これは状態も良さそうだ」と直感したM44Gをヤフオクで落札してみた。
9月の下旬のことである。
届いたM44Gは、カンチレバーに曲がりもなく、針先も綺麗で、あまり使われた形跡もない。
はっきり言って美品である。
カモメ入りのビンテージが良いと聞くが、そんなものを狙っていたら状態の良いものに巡り合えるのがいつになるかわからないということで、近年もので手を打ったのだから、美品じゃなきゃダメなのである。
そのうちカモメも欲しいと思ってるんだけどさ。

早速聴いてみた感想は、「まぁ、こんなもんよね・・・」。
確かにエネルギッシュだが、あまりバランスよくは鳴っていない感じだ。
解像度はそもそもあまり期待していなかったが、音色にリアリティがなさすぎる。
これはちょっと楽しめない。
はっきり言って期待外れである。
もしかして、けっこう個体差があってボクが買ったのはハズレだったのか?
針を「牛殺」にかえるとか、ウッドカバーでチューンするとか、のワクワク感も、なんだか急速にしぼんでしまった。
しかし、そこでボクは思った。
これが静電容量が合わないってことなのか?
確かにうちは、MCを使うことを前提に調整してるからなぁ・・・
そこで、とりあえず、合研のお世話になることにした。
LUXMANのEQ-500とかをサクッと買える財力はないので、選択肢は合研しかないのだ。

合研は、モノラルの古いEQカーブに対応するために、これまたとりあえず導入したGK05monoLPに続いて二台目である。
ちなみにGK05monoLPは、とりあえず導入した際に「もうこれでいいやー」と思ったのだが、最近は、もちろんコスパの点も含めてであるが、「これがいい!」って気になっている(笑)
そして今回導入となったGK05LCRであるが、これが大成功で、M44Gが見事に化けた。
しかも、これはもう、とんでもなく化けた。
エネルギッシュで元気な部分はそのままに、明晰さが増して、音色のリアリティがぐんと上がったのである。
この変化は、静電容量がマッチしたことが一番大きな要因だと思うのだが、合研のこのフォノイコライザーがLCR型だということも影響しているかもしれない。
LCR型のフォノイコライザーなんてバカ高くて買えないと思っていたから、なんでこんな価格で製造できるのか不思議だが、出てくる音が良ければそれでいいのである。
深く考える必要はない。
とにかく、この音で聴くハードロック、エネルギッシュなソウルやジャズは実に楽しい。
合研製品は、合研LABのWEBサイトで買える。
https://sites.google.com/site/gohkenlab/
GK05LCRのおかげで、M44Gに「牛殺」を試したり、ウッドカバーでチューンしたりへのワクワク感が、またムクムクと湧き上がってきたのだが、さしあたりノーマルで十分に楽しめる。
というか、まずはノーマルで楽しみまくった後のほうが、変化をより楽しめる気もする。
ってことで、しばらくはノーマルでいくつもりである。
このM44Gが奏でる音、その音で鳴らしたらこれまでとは違う感動を与えてくれそうなレコードに目星をつけて、ターンテーブルに載せてみる、というのが最近のボクのアナログ生活である。
たまに期待外れもあるが、これまでのところ、概ね良い結果が得られている。
一番どっひゃーとなったのは、Led Zeppelin ⅡのRLカットかなぁ?
無茶苦茶熱くなりました(笑)