2021年02月14日

美の壺―麗しの音色 レコード

昨夜の地震はうちのあたりでもかなり揺れたが、ものが倒れたり落ちてきたりすることもなく、被害はまったくなかった。
報道によると、福島県や宮城県では震度6強の激しい揺れだったとのこと。
東北大震災のときでも、うちのあたりは震度5弱くらいだったと記憶しているから、震度6強なんてまったく想像もつかない・・・
被災した皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

一夜明けて、今日は朝から、全豪オープン4回戦の大坂選手とムグルッサ選手の対戦を観戦。
両者一歩も譲らずの好ゲームで、どちらが勝ってもおかしくなかったが、最後は体力か精神力かほんのわずかの差で大坂選手がうわまわった。
スコアは、4-6、6-4、7-5。
大坂選手の二回目の全豪優勝、期待できそうだ。

で、その後、録画しておいた「美の壺―麗しの音色 レコード」@NHK BSプレミアムを観た。

2月5日(金)に放送されたときは、うっかり録画を忘れてしまったのだが、TLに流れてきた再放送情報に助けられて、昨日の朝の再放送は無事録画することができたのであった。
つぶやいてくれたみなさん、ありがとー

「麗しの音色 レコード」の美の壺は次の三つ。

壺一、あたたかみのある音を味わう
壺二、極上の響きを求めて
壺三、音楽から生まれるアート

「あたたかみのある音」というのは、かなり曖昧な表現でいろいろ解釈ができそうだが、まぁ認めるのに吝かではない(笑)
音には温度感があって、アナログ・レコードはそれをしっかり再現してくれるから。
決して、「サーフィスノイズがあって、あったかみがある音だよねー」というレベルの話ではない。

実際、壺一のところで登場した秦基博さんは、「アナログ・レコードにすると低音がより豊かになっていくので、高域の聴こえ方が変わって、ボーカルの質感に影響を与える」みたいなこと言ってたしね。

壺三では、金羊社ギャラリーのMJG常設展が紹介されて植村和紀さん(西荻窪にあるロック・カフェMJGのオーナー。MJGには、一度行きたいと思っているのだ。)が登場したのだが、展示されているジャケットの中に、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター(Van der Graaf Generator)のアルバムが二枚("Still Life"と"World Record")あって、嬉しかった。
さすが植村さんだ。

では、番組に登場したレコードの中から、秦さんが手にしていたレコードを聴いてみよう。

キャロル・キング(Carole King)のセカンド・アルバム"Tapestry"の日本初回盤(キング・レコード ODE AML-96)だ。
音質的にはUSオリジナル(ODE SP 77009)のほうが上だと思うが、秦さんが、初めてアナログの音に感動したレコードがこの日本初回盤だったんだろう。


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テクスチャー加工されたジャケットはとても雰囲気があって良い。
番組で紹介されたジャケットは、うちのほど毛羽立っていなかったから、もしかしてうちのジャケットの毛羽立ちは経年劣化だろうか?

日本初回盤のジャケットは豪華な作りで、USオリジナルと違い、両面印刷の見開きインサートを内側に貼りつけた、8頁ブックレット形式になっている。
全部紹介するのも面倒なので、部分的に紹介しよう(笑)


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見開きを開くと、左側は日本独自の内ジャケで、右側は訳詞が掲載されている。

次のページはUSオリジナルの内ジャケと同じなので省略して、その次のページを見ると、左側にファースト・アルバム"Writer"のジャケットからもってきた写真、右側に朝妻一郎さんの解説が掲載されている。


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貼りつけられているインサートも含めて、すべてのページをテクスチャー加工するという力の入れようだ。

レーベルは、こんな感じで、DGがある。


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壺二のところで登場した創業1926年の渋谷の名曲喫茶「ライオン」で使われていたShure M44Gで聴こう。


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このアルバム、ボクはUSオリジナルを聴くことが多いが、この日本初回盤も悪くない。

ちなみに、マトは、SALBT 215-5/SALBT 216-4だが、末尾の5とか4は、ラッカー・ナンバーではなく、スタンパー・ナンバーだと思う。


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刻印自体、やわらかいラッカーに刻印されたものではなく、硬いスタンパーに刻印されたものに見える。

それに、日本盤のレイトの送り溝を見ると、SALBT 215(またはSALBT 216)のあとにB~Dがついているようで、それがラッカー・ナンバーっぽい。
つまり、アルファベットがないのが初回カッティングで、二回目のカッティングにB、三回目にC、四回目にDとふっていったようだ。

スタンパー・ナンバー1とはいかなかったものの、初回カッティングのスタンパー5/4なら上出来である。
まぁ、ジャケはちょっとボロいけどね(笑)
ラベル:Carole King 秦基博
posted by 想也 at 17:25| Comment(0) | 国内盤研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月13日

Biko

今朝、ボクのTLに、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)"Biko"の新録音バージョンがリツイートで流れてきた。





激しく心を動かされた。

同じように心を動かされた人も多いんじゃないかと思う。

ひとりひとりの力はささやかでも、重なり合えば大きな力になるはず。

それはやがて世界を動かす力になり、いつか人種差別のない世界が実現できるはず。

「青臭い」とか「夢想家」とか揶揄されても、そんな音楽の力を信じたいと思う。


差別といえば、人種差別だけでなく、女性差別や障がい者差別も問題だ。

女性差別については、自分で気づいていない差別意識みたいなものもあるかもしれないってことにも注意しないとなぁ。

障がい者差別については、ユウと生きる日常の中で切実な問題だ。

そんなことを考えながら、YouTubeの動画を観ていた。



新録音を聴けば、オリジナルも聴きたくなる。

ってことで、UK12インチのオリジナルを引っ張り出す。


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”Biko”といえば、シンプル・マインズ(Simple Minds)のカバーも良い。

これも、UK12インチのオリジナルで聴こう。


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最後に、もう一度新録音バージョンを、今度はYouTubeをテレビに映して観る。


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そしたら、またオリジナルが聴きたくなり・・・というループに陥ってしまった、バレンタインデー(ボクには関係ない行事だけどさ 笑)前日の土曜の午後なのでありました。


P.S.
いま、TLに、今日がピーター・ガブリエル氏の誕生日だと教えてもらった。

Happy Birthday, Mr. Gabriel♪
ラベル:Peter Gabriel
posted by 想也 at 19:09| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月12日

R.I.P. Chick Corea

今日は朝から、ボクのTLは、チック・コリア(Chick Corea)氏の訃報がらみのツイートで溢れていた。

訃報がらみのツイートでTLが溢れることはよくあるが、ここまで溢れているのは珍しい。
それだけ、彼の音楽が好きな人が多いってことなんだろう。

もちろん、ボクもその一人だ。
まぁ、ボクの場合は、愛聴盤の中に、ECMからリリースされた"Return To Forever"、同じくECMからリリースされたゲイリー・バートン(Gary Burton)とのデュオ作品なんかがあるって程度なのだが。

そうそう、もう一枚、彼のレコードで愛聴盤になっているものがあった。
1978年にPolydorからリリースされた"The Mad Hatter"のUSオリジナル(PD-1-6130)だ。

冥福を祈りつつ、今夜はこのレコードを聴こう。


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このレコード、インナースリーブがお洒落なのが気に入っている。

テクスチャー加工されたジャケットも素敵だ。


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テクスチャー加工がわかるように接写すると、チックの表情が、ちょっとお茶目でとてもチャーミングなのがよくわかる。

内容は、『不思議の国のアリス』を題材としたコンセプト・アルバムだ。
冒頭の"The Woods"で一気に物語の世界に連れていかれる。
白眉はやっぱり"Humpty Dumpty"かなぁ?
アルバム全体が、コンセプト・アルバムとして、とてもよくまとまっていると思う。

それに、このレコード、すこぶる音が良いのだ。
ジャケット裏を見れば、こんなクレジットが。


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そう、マスタリングは、バーニー・グランドマン(Bernie Grundman)の仕事なのである。

カッティングも彼自身によって行われている。


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ほらね。
この「る」に見える「3」は彼の筆跡で間違いない。


まぁ、そんなことより、今夜は、ただチック・コリア氏の冥福を祈ろう。


R.I.P.
ラベル:Chick Corea
posted by 想也 at 22:04| Comment(0) | JAZZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする