2022年11月27日

Jimi Hendrix, The Cry of LoveのUSオリジナル

FIFAワールドカップの日本vsコスタリカ戦は0-1で敗戦。
ブログを書く気も起きなくなったのだが、ここのところ毎日欠かさず書いているので、がんばって書くのである。

それに、今日11月27日はジミ(Jimi Hendrix)の誕生日だ。
お祝いに聴くのに引っ張り出した"The Cry of Love"のUSオリジナル(Reprise Records MS 2034)には、ちょっとした特徴があった。


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レーベルは、ツートン・レーベルから切り替わった直後の最初のタン・レーベル(要するに、まだリムにワーナー・ロゴが入ってないもの。)で、これがファースト・プレスのレーベルでいいはずである。


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しかし、マトが、31184-2/31185-1つまりマト2/1なんである。
薄いPの刻印が確認できるので、プレスはピットマン工場で行われたことがわかるのだが、Discogsで確認すると、ピットマン工場プレスには、マト1/1しか登録されていない。
マト2ってレアなのか?
いや、そういう問題ではなく、マト2じゃ、もはやファースト・プレスではないのか?

さらに追い討ちをかけるように、悲しい事実がボクを襲う(大袈裟だっちゅうの)。

マト1のSide 2の方には、このようにSTERLING刻印とその隣にRLのサインがあるのだが、マト2のSide 1の方にはないのである。


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RLのサインがないだけではない。
STERLING刻印自体がないのである。

ってことは、マト2はRLカッティングじゃないだけでなく、STERLINGカッティングでもないってことなのだろうか?

たぶん、そうではないと思う。


Discogsを確認すると、サンタマリア工場でも1Aと1Bのマトが確認できるのでサンタマリア工場向けにラッカーは二枚切られている。
どちらにもSTERLING RL刻印があるようだ。

テレホ―ド工場でも1-1と1-2のマトが確認できるのでテレホート工場向けにラッカーは二枚切られている。
これまたどちらにもSTERLING RL刻印があるようだ。

ピットマン工場向けにもラッカーが二枚切られたと考えたほうが自然じゃないか。


それに、うちの盤、Side 1のマトの筆跡とSide 2のマトの筆跡が同一人物のもののように見える。

まず、STERLING RL刻印があるSide 2のマトの筆跡はこうだ。


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Side 1の方のマトの筆跡はこうである。


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ね?
微妙に違うといえば違うので断定はできないのだが、一応、同一人物の筆跡に見えるでしょ?

ってことで、STERLING刻印の位置が内側すぎてレーベルの下に隠れてしまったか、それとも単なる刻印忘れにすぎないんじゃないかと思うのだ。

音の方は、マト2のSide 1も、ラディック(Bob Ludwig)らしく豪快に鳴るのである。
ラベル:Jimi Hendrix
posted by 想也 at 23:59| Comment(0) | Bob Ludwig(RL)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月26日

The Dave Brubeck Quartet, Time OutのUSオリジナルMONO

昨日11月25日はポール・デスモンド(Paul Desmond)の誕生日だったので、彼が作曲した最も有名な曲"Take Five"が収録された、デイヴ・ブルーベック・カルテット(The Dave Brubeck Quartet)"Time Out"のUSオリジナルMONO(Columbia CL 1397)を聴いていた。


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写真でわかるように、ジャケットには"FEATURING THE SENSATIONAL BRUBECK HIT take five"というステッカーが貼ってあるが、シングルの”Take Five”は、1959年12月14日にリリースされたアルバム"Time Out"に3カ月ほど先行して9月21日にリリースされているので、すでにシングルが大ヒットしていたとすれば、"Time Out"の初回プレスにこのステッカーが貼ってあった可能性もある。

マトは、一瞬1Aと見間違えてぬか喜びしたが、1AL(Side 1ーSide 2は1AF)でかなり進んでいる。
しかし、先行シングルの"take five"が大ヒットしていたとすると、初回プレスのマトがここまで進んでいた可能性もないわけではない。


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まぁ初回プレスとまでは言えなくても、少なくとも初回ジャケットで初回レーベルだから、堂々とオリジナルと呼ぶのである。

ちなみに、ジャケットは、60年か61年かそのぐらいに、タイトルの"Take Out"がオレンジ色の大きな文字になり、隣に"Featuring TAKE FIVE"という文字が挿入されたデザインに変更される。

うちにある日本再発盤がそのデザインなので参考までに載せておこう。


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レーベルについては、6 EYEなのはもちろんだが、1961年には上部のCOLUMBIAの下にCBSと入る。
うちのは入っていない。


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ただ、一つだけ気になるのは、すでにマトの写真で気づいた方もいるかもしれないが、うちのはコロンビア工場でのプレスではなく、委託プレスなんである。

1959年というと、東部では、ピットマン工場はまだ操業しておらず(1961年から稼働)コネチカット州のブリッジポート工場(1964年に閉鎖)でプレスが行われていた。
中部のテレホート工場はすでに稼働していたが、西部のサンタマリア工場はまだ操業しておらず(1963年の終り頃から稼働)ハリウッド工場(1964年にサンタマリア工場の稼働に合わせて閉鎖)でプレスが行われていた。

つまり、オリジナルのコロンビア工場プレスとしては、ブリッジポート工場プレス、テレホート工場プレス、ハリウッド工場プレスが存在していたはずである。

うちのはそのいずれでもない。
RCAのインディアナ工場プレスなんである。
それは、マトの画像の1ALの隣に刻印してあるIによって判定できる。

また、CSも、コロンビアのCSではなく、RCAのLiving Stereoを大々的に宣伝するCSがついていた。


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この時代の委託プレスでは、しばしば委託先のCSが利用されていたので、その点でも、うちの盤がRCAのインディアナ工場プレスであることがわかる。

ただ、音は素晴らしい。
ピアノは実に瑞々しく、アルトは実に色っぽく、鮮度抜群で鳴る。

「RCA委託プレスのくせに」なのか、それとも、「RCA委託プレスだから」なのかは、コロンビア工場プレスを聴いたことがないので知らない(笑)
posted by 想也 at 18:24| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月25日

Queen, Made in HeavenのUKオリジナル

11月24日は、フレディ(Freddie Mercury)の命日である。

命日に一番相応しいレコードと言えば、これだろう。


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フレディの死から4年後の1995年にリリースされたアルバム"Made in Heaven"のUKオリジナルだ。
ホワイト・ビニールの限定盤である。

フレディが残した音源に他のメンバーがあらたな演奏を重ねるなどして作り上げた作品だが、感傷抜きで聴いても、クイーン(Queen)のアルバムとして素晴らしいクオリティに仕上がっていると思う。
感傷的になって聴けば、とくにコアなファンというわけでもないボクでも、こみ上げてくるものがある。

それにしても、これほどホワイト・ビニールであることに必然性が感じられるレコードも珍しい。
さらに、おまけで、見開きインサート大のポスターが三枚もついている。


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とくにコアなファンでなくても、持っていたくなるレコードなのである。


R.I.P.
ラベル:Queen
posted by 想也 at 00:19| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする