2022年11月21日

『モダンラブ・東京』エピソード7「彼が奏でるふたりの調べ」~はじめてのアマプラ

毎週録画しているTVドラマやWOWOWで録画した映画でHDDがパンクしそうなので、Amazonプライム会員になっててもプライムビデオは観たことがなかったのだが、なんだかとっても観てみたくなる作品を知ったので、はじめてのアマプラを経験した。

その作品とは、『モダンラブ・東京』エピソード7「彼が奏でるふたりの調べ」である。

11月16日(水)のTHE TRAD@TOKYO FMにAWESOME CITY CLUBのPORINさんが出演していて、このドラマにインスパイアされて作ったという楽曲『ユメユメユメ』がオンエアされたのだが、聴いていたら妙にキュンとしてしまった。





YouTubeにあるドラマ(アニメだが)映像を使用したリリックビデオがまた良い。
『モダンラブ・東京』エピソード7「彼が奏でるふたりの調べ」、観たくなるよねぇ。

青春時代なんて遥か昔だが、ドラマの中の台詞にあったように、「音楽は、心の引出しみたいなところがあって、ふとしたきっかけで過去の記憶が全部、溢れ出してしまうことがある」のだ。
その音楽を再生する小道具が、アナログの7インチ(シーナ&ザ・ロケッツ『ユー・メイ・ドリーム(You May Dream)』というのもいいじゃないか。

ほんのちょっとしたボタンの掛け違いである。
でも、掛け違いのまま、なおすことができないことがある。
それは、青春時代特有の臆病さのゆえだったりするわけで、似たような記憶はボクにもあったりするのだ。

心の引出しの奥にしまい込んだ思いも、大事にしまい込まれていれば、いつか引出しの奥からそのままの形で溢れ出すこともあるかもしれない。
掛け違えたボタンも、長い時間が過ぎたあとに、掛けなおすことができるかもしれない。


     ♪ あぁ まだ神様 この想いを このメロディーを
     ♪ あともう少し あともう少しだけって望んでもいいでしょう?


あぁ、カーペンターズ(Carpenters)の『イエスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More)』が聴きたくなってきたぞ・・・
ラベル:Awesome City Club
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2022年11月20日

Jethro Tull, Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!のUKオリジナル その2

ジェスロ・タル(Jethro Tull)"Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!"のUKオリジナル(Chrysalis CHR 1111)の話の続きである。

前の記事に書いたように、UKオリジナルのファースト・プレスは、マトA1/B1で、A面に1ST SET SIDE ONE、B面に1ST SET SIDE TWOと刻まれているものに間違いないと確信したので、それを探して手に入れた。

A面はやはり、なんだか修正されて汚いA1である。


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1ST SET SIDE ONEもちゃんと刻まれている。


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セカンド・プレスであるマトB2のB面のマトには修正がないので汚くなかったが、マトB1のマトは、A面同様に修正されて汚かった(笑)


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でも、ちゃんと1ST SET SIDE TWOと刻まれている。


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両面にEGのサインもあって、やはり、メッキ処理は、Gedmal Galvanic Ltd.のEddy Goreckiによって行われていた。


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EGの隣は、寝ている1で、おそらくマザー・ナンバーだろう。
両面とも1だった。

前の記事で、「ファースト・プレスには、もう一つ特徴があることがわかった。」と書いたが、それはコレである。


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この17(これはA面で、B面は14だった。)はスタンパー・ナンバーを表すものだと思われるが、セカンド・プレスと違って、数字の前にIーがない。

Discogsで確認してみると、50番台あたりのスタンパーまでIー無しで、60番台あたりのスタンパーからIー有りになるようだ。
1977年2月11日にリリースされた次作の"Songs from the Wood"(Chrysalis CHR 1132)は、最初からIー有りスタンパー・ナンバーのようなので(ただし、最初期スタンパーまでは確認できていない。)、案外、区切りよく1977年からIー有りに変更されたのかもしれない。

そうだとすると、Iー有りスタンパー・ナンバーの盤については、マトA1/B1であったとしても、ちょっとファースト・プレスとは言いにくいんじゃないかと思う。

ファースト・プレスを手に入れてわかったことがもう一つある。
マトの修正は、ラッカーではなく、マザーに対して行われたということだ。

今回の記事のファースト・プレスのA面のマト画像を、前の記事に掲載したセカンド・プレスのA面のマト画像と比べてみよう。


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一目瞭然だが、一応書き出してみると次のようになっている。

ファースト・プレス:CHR-1-1111A(W1)
セカンド・プレス :CHR-1-1111A-1(W1)

ラッカー自体は同じだから、ラッカーを修正したとすると、修正のされ方の違うものが存在することが説明できない。
うちのファースト・プレスのマザーは1、うちのセカンド・プレスのマザーは4だから、マザーを修正したと考えれば、何の矛盾もない。
たぶん、送られてきたのがラッカーではなく、マザーだったのだろう。

さて、では、そのマザー、どこから送られてきたのか?
このレコードの統一カッティングがどこで誰によって行われたかという問題である。

ジェスロ・タルのUK盤は、1975年リリースの8作目"Minstrel in the Gallery"から、1978年リリースのライブ盤"Live - Bursting Out"まで、手書きマトである。
これらの5枚("Live - Bursting Out"は2枚組だから、正確には6枚)の送り溝の筆跡を見比べると、どうも同じ人物の筆跡のように見える。

ってことで、同一人物のカッティングだと仮定して、どこかにエンジニアを特定する手がかりがないか探すと、まず、"Minstrel in the Gallery"に、このサインを確認することができる。


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これは漢字の「畑」である。

ちなみに、UK盤ではないが、US盤の"Heavy Horses"の送り溝にも同じサインが確認できる。


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"Live - Bursting Out"のUK盤の送り溝には、このサインが確認できる。


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"BH"である。

"Live - Bursting Out"のUS盤を見てみると、こんなサインが確認できる。


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これは、カタカナで「ハタ」である。

「畑」で「ハタ」で"BH"といえば、この当時はUSのワーナー・ブラザーズ・スタジオにいたBobby Hataだろう。

唯一手持ちがなかった"Heavy Horses"のUK盤の送り溝を、EIZOOOさんに協力してもらって確認したところ、WBのスタンプ刻印が確認できた。
このWBが、Warner Brothers Studiosを意味するとすれば、Bobby Hataカッティング説の情況証拠がさらに増えることになる。

ジャケットやインナースリーブに明記されていないので断定はできないのだが、"Minstrel in the Gallery"から"Live - Bursting Out"までの5作品は、ワーナー・ブラザーズ・スタジオのBobby HataによるUSカッティングなんじゃないかと思うのである。
ラベル:jethro tull
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2022年11月19日

Jethro Tull, Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!のUKオリジナル その1

<日本盤が7TH SETだったとの情報をいただいたので、追記しました。>(2023年5月23日)

さて、ジェスロ・タル(Jethro Tull)"Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!"のUKオリジナルの話である。

ボクは、このアルバムのUK盤を二枚持っている。


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プログレッシブ・ロックと呼ばれるジャンルをよく聴くようになったのは大学生の頃だが、当時は、何故かジェスロ・タルについては完全に素通りしていた。
彼らの音楽を聴いたのも、2001年の紙ジャケCDが最初だ。

紙ジャケCDで聴いて気に入ったので、とりあえずUKオリジナルを集めた。
その頃はアナログ・コレクター初心者である。
このレコードについても、「グリーン・クリサリスならいいんでしょ?」って程度の知識しかなかった。


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グリーン・クリサリスも三種類あって、1973年までは上部リムに白字で"MANUFUCTURED AND DISTRIBUTED BY ISLAND RECORDS・・・"という記述があるレーベル、1973年から1975年までは上部リムのないレーベル、1975年から1977年までは上部リムに赤字で"ALL RIGHTS OF MANUFUCTURER AND OF THE OWNER OF THE RECORDED WORK RESERVED・・・"という記述があるレーベルに変遷する(その後はブルーホワイト・レーベルに変わる)。

"Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!"は1976年リリースなので、グリーン・クリサリスとしては最後の赤字リムのレーベルがオリジナルでいいのだ。
当時は、そんなことまでは知らなかったが、「グリーン・クリサリスならいいんでしょ?」ってこと自体は、必ずしも間違っていなかったわけだ。

マトだって、なんだか修正されて汚いが、A面はA-1とある。


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B面はB2だが、だからといってファースト・プレスじゃないとも言えないだろうと、当時は思った。


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あと、当時はまったく気にもしていなかったことだが、両面にこのEGというサインがあって、Gedmal Galvanic Ltd.のEddy Goreckiによってメッキ処理が行われている。


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CBSプレスは、メッキ処理が下手くそでスタンパーによって眠い音の盤にあたることがあるが、EGメッキは信頼できる。
ちなみに、EGのとなりに刻印されているのは4(の三重打ち)で、おそらくマザー・ナンバーである。

とりあえず、眠い音ではない。
アナログ・コレクター初心者のボクは、このマトA1/B2盤をファースト・プレスと思い込んだのであった。

その勘違いに気づいたのは、数年前のことだ。

A面には、こんなことも書かれている。


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"1ST SET SIDE ONE"である。
ってことは、B面には"1ST SET SIDE TWO"って書かれていることだろう。
しかし、書かれてないんである。
書かれているのは、こんなサインだ。


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"BILBO-MASTER ROOM"である。
つまり、MASTER ROOM(ロンドンのマスタリング・スタジオ)でBILBOつまりDenis Blackhamがカッティングしたってことだ。

こりゃ、セカンド・プレスの匂いがプンプンする。

そう思ってA面の送り溝を見れば、スタンパーらしきものはこのありさまである。


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"I-79"って進みすぎだろー

この盤がセカンド・プレスであることを、もはやボクは確信していた。

Discogsで確認すると、マトA1/B1で1ST SET SIDE ONE/1ST SET SIDE TWOの盤が確かに存在する。
それがファースト・プレスで間違いないだろう。

ちなみに、Discogsで確認すると、一か所でまとめてカッティングされたラッカーが各国に送られたことがわかる。

一応リストにしておくと、次の通りだ。
(日本盤が7TH SETだとの情報を、urbantango82さんからいただいた。)

1ST SET  UK
2ND SET  France
3RD SET  Spain
4TH SET  Sweden; Denmark
5TH SET  Australia; New Zealand
6TH SET
7TH SET  日本
8TH SET  Germany: Austria

6TH SETと7TH SETがどこに行ったか確認できないのだが、Discogsには独自カッティング盤しか登録されていないオランダと、マト情報がDiscogsに登録されていないイタリアあたりか?

基本的に各国統一カッティングで、UKオリジナルのファースト・プレスは、やはり、両面に1ST SETと刻まれているものに間違いないと思った。

で、探して買ってみたのが2枚目である。
その2枚目を入手してみて、ファースト・プレスには、もう一つ特徴があることがわかった。
それから、この統一カッティングが、どこで誰によって行われたかが気になる。


と、ここまで書いたところで、眠気の限界である。
体調はほとんど回復したんだけどね。
ってことで、つづきはまた明日にでも・・・(ウトウト)
ラベル:jethro tull
posted by 想也 at 01:30| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする