
写真でわかるように、ジャケットには"FEATURING THE SENSATIONAL BRUBECK HIT take five"というステッカーが貼ってあるが、シングルの”Take Five”は、1959年12月14日にリリースされたアルバム"Time Out"に3カ月ほど先行して9月21日にリリースされているので、すでにシングルが大ヒットしていたとすれば、"Time Out"の初回プレスにこのステッカーが貼ってあった可能性もある。
マトは、一瞬1Aと見間違えてぬか喜びしたが、1AL(Side 1ーSide 2は1AF)でかなり進んでいる。
しかし、先行シングルの"take five"が大ヒットしていたとすると、初回プレスのマトがここまで進んでいた可能性もないわけではない。

まぁ初回プレスとまでは言えなくても、少なくとも初回ジャケットで初回レーベルだから、堂々とオリジナルと呼ぶのである。
ちなみに、ジャケットは、60年か61年かそのぐらいに、タイトルの"Take Out"がオレンジ色の大きな文字になり、隣に"Featuring TAKE FIVE"という文字が挿入されたデザインに変更される。
うちにある日本再発盤がそのデザインなので参考までに載せておこう。

レーベルについては、6 EYEなのはもちろんだが、1961年には上部のCOLUMBIAの下にCBSと入る。
うちのは入っていない。

ただ、一つだけ気になるのは、すでにマトの写真で気づいた方もいるかもしれないが、うちのはコロンビア工場でのプレスではなく、委託プレスなんである。
1959年というと、東部では、ピットマン工場はまだ操業しておらず(1961年から稼働)コネチカット州のブリッジポート工場(1964年に閉鎖)でプレスが行われていた。
中部のテレホート工場はすでに稼働していたが、西部のサンタマリア工場はまだ操業しておらず(1963年の終り頃から稼働)ハリウッド工場(1964年にサンタマリア工場の稼働に合わせて閉鎖)でプレスが行われていた。
つまり、オリジナルのコロンビア工場プレスとしては、ブリッジポート工場プレス、テレホート工場プレス、ハリウッド工場プレスが存在していたはずである。
うちのはそのいずれでもない。
RCAのインディアナ工場プレスなんである。
それは、マトの画像の1ALの隣に刻印してあるIによって判定できる。
また、CSも、コロンビアのCSではなく、RCAのLiving Stereoを大々的に宣伝するCSがついていた。

この時代の委託プレスでは、しばしば委託先のCSが利用されていたので、その点でも、うちの盤がRCAのインディアナ工場プレスであることがわかる。
ただ、音は素晴らしい。
ピアノは実に瑞々しく、アルトは実に色っぽく、鮮度抜群で鳴る。
「RCA委託プレスのくせに」なのか、それとも、「RCA委託プレスだから」なのかは、コロンビア工場プレスを聴いたことがないので知らない(笑)