2022年12月28日

Wham!, The Finalの謎

クリスマス当日に、ジョージ・マイケル(George Michael)の命日にちなんで聴いていたワム!(Wham!)"The Final"のUK盤(Epic EPC 88681)だが、その後、Discogsの登録が誤登録ではないことが判明した。


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前の記事に追記しようと思ったのだが、追記で済ますにはもったいない話題の気がしたので、あらためて記事にすることにした。

問題は、マトの形式である。

うちにあるUK盤のマトは、A面こそ88681の前にEPCがあるが、BCD面のマトは88681のみで前にEPCがない。
一方、Discogsの登録は、全部EPC88681になっている。
誤登録でないとすれば、マトの形式が二種類あることになる。

もっとも、末尾の数字が違っていれば、たまたまEPCをつけ忘れただけという可能性もあるのだが、Discogsには、うちの盤と末尾の数字が同じなのにEPC付きで登録されているものが存在する。
誤登録でないとすれば、末尾の数字が同じであるにもかかわらずカッティング違いの盤が存在するということになってしまう。

まぁ、マト1が二種類あるなんて話も、たまに聴く話ではあるのだが、Discogsの誤登録のほうがその百倍くらいよく聴く話なので、ボクは、誤登録の可能性が高いと思っていた。

しかし、ネイトさんからの情報で、Discogsの登録が誤登録ではないことが判明してしまった。
しかも、ネイトさんがお持ちの全面EPC付きの盤のC面のマト末尾はC5で、うちの盤のマト末尾と一致している。

画像を提供してもらったところ、明らかに、手書きの字が違っている。

EPC付きのC面のマトはこうである。


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EPC無しのC面のマトはこうである。


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EPC付きの方は、"EPC-88681-C-5"とハイフン付きなのに対して、EPC無しの方は、"88681 C5"とハイフンがないが、EPCとハイフンを後から追加したものでないことは、Cの前のスペースの長さの違いから明らかだ。

よく見ると、それぞれの数字も同じものではない。
ただし、筆跡まで違うかというと、つまり同一人物が書いたものかという点では、これ、同一人物が書いたものだとは思う。
(また、うちのは、A面のみEPC付きだが、全面、同一人物の筆跡であるように見える。)

同一マトが二種類ある場合、マスタリング・スタジオが違うのが通常なので、同一人物がカッティングしたのに、同一マトが二種類あるというのは実に不可解なのである。

どうして、こんなことが起こったんだろう?
ここからは、妄想である(笑)

この"The Final"というアルバム、ゴールド・ヴィニールでTシャツとセットになったボックス・セット(25000セット限定でシリアル・ナンバー付き)が存在する。
このゴールド・ヴィニール用に末尾無しで切られたラッカー由来のマザーかスタンパーが、のちに通常盤のプレスに転用されたときに、末尾が追記されて(C面については、マト4までしかないと思ってC5としたが、実はC5まであったので、重複してしまった。)使用されたんじゃないか、なーんてことを考えてみたのだが・・・
このボックス・セット、レコード番号がWham 2だし、EPC無しでラッカー切ってる可能性もあるかなぁと。

このゴールド・ヴィニール盤のマトって、Discogsにも登録されていないのよね。
誰か持ってないかなぁ?
ラベル:WHAM!
posted by 想也 at 18:11| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月27日

Blackmore's Rainbow, Rainbow Risingのこと

またもや発売日から10日以上経ってしまったが(発売日に買ったんですけどね)、レコード・コレクターズ2023年1月号の初盤道は、レインボー(当時の正式名称はBlackmore's Rainbow)の"Rainbow Rising"を扱う後編である。


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幻盤も含めて、いろいろ興味深い話があったのだが、これに関連する話にはホッとした。


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うちにあるUS盤は、両面ともマト末尾RE-2 MWのモナーク・プレスなんである。

RE-2ということは、REなしとかRE-1とかも当然存在するわけで、少なくともRE-1についてはDiscogsを見れば普通に存在が確認できる。
REというのは、マスターテープ自体に変更が加えられたということなので、少なくともリマスター、場合によってはリミックスが施されている可能性もある。
RE-1が存在する以上、手に入れなきゃいけないなーと思っていたんである。
高い盤ではないのだが、こういうのって、探すの面倒なのよね・・・

しかし、詳しくは初盤道を読んでいただければわかるが、どうやらRE-1を探す必要はなさそうだ。
たまには役に立つじゃないか紙ジャケ探検隊(笑)

あっ、ウソです。
毎回、(奈落の底に突き落とされることが多くても)役立つ知識満載で、楽しく拝読しています~

それはそうと、今回の初盤道には、もうひとつ興味深い話が載っていた。
何故、UK初盤がMASTERDISKカッティングなのに、US初盤がSTERLINGカッティングなのかに関する探検隊の仮説である。

UK盤もUS盤もUSカッティングであるにも関わらず、UK盤とUS盤でマスタリング・スタジオが違うというこの現象は、クラプトン(Eric Clapton)の"Slowhand"にも見られるもので("Slowhand"の場合は、UK初盤がMASTERDISKカッティングで、US初盤がTMLカッティングだが、これについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-10-16 で触れたことがある。)、ずっと謎だったのである。

探検隊は、1976年当時のMASTERDISKにはまだUS全土向けの大量のラッカーを短時間でカッティングできるキャパシティがなかったんじゃないか、という仮説を提示している。

これは、なかなか説得的な仮説だという気がする。

UKのPhonodisc Ltd.で、少なくとも1977年の10月頃までは、まだMASTERDISKに特定のイニシャルが割り当てられていなかった(だから0刻印だった)という事実も、MASTERDISKが当時はまだ「小さな」マスタリング・スタジオであったことを意味するものだと考えられるから、探検隊の仮説を支える一つの情況証拠と言えるかもしれない。

ってことで、この問題については、とりあえず解決したかな?
ラベル:rainbow
posted by 想也 at 23:18| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月26日

クリスマス当日は・・・

クリスマス当日の12月25日は、ジョージ・マイケル(George Michael)の命日である。

まずは、このレコードをターンテーブルに載せた。


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イギリスとアイルランドのアーティストで結成されたチャリティー・プロジェクトであるバンド・エイド(Band Aid)によって、1984年12月にリリースされた"Do They Know It's Christmas?"である。

確かに、ジョージ・マイケルも参加してるけど、なんでこれなのかって?

そりゃ、クリスマスだからね(笑)

それに、日本でステッカーが貼られて解説・歌詞対訳インサート付きでリリースされたこの12インチ・シングル、UK直輸入盤(だから、レコード番号はUK盤と同じで、Phonogram FEED 112)だったのだが、これ、PRSプレスなんである。

そう、アナログ・コレクター病が進行して不治の病に至ると、QBBチーズ・デザートのパッケージを見て、思わず叫んでしまう、あのPRSである(笑)


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このブログ的にはホットな話題なので、引っ張り出してみたのであった。

送り溝には、こんなメッセージもあって楽しい。


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"Merry Christmas, Townhouse"ってことは、これは、タウンハウスのエンジニアが書いたんだろうな。

そういや、日本プレス盤てのは存在しないのかな?とDiscogsを確認してみたら、日本プレス盤の登録がなかったのはいいとして、なんと、PRSプレスのUK直輸入盤の登録もない。
Discogsに登録されているUK直輸入盤は、ORLAKEプレスである。

ORLAKE委託プレスだけじゃなくて、ちゃんと本家PRSプレスだって、直輸入されてたんだぞー

もう一つ、まったく知らなかったのだが、オランダ直輸入盤(だから、レコード番号はMercury 880 502-1)てのもあったのね、
しかも、こっちは、ステッカーの形状まで違う。

いろいろあったのね・・・


ジョージ・マイケルの命日にちなんで聴くのに、バンド・エイドだけじゃあんまりなので、クリスマスでもあるし、次に、"Last Christmas"収録のこのレコードをターンテーブルに載せた。


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ジャケットがそっけないので、インナースリーブを引っ張り出して飾る(笑)

日本とアメリカでは、1986年7月1日に"Music from the Edge of Heaven"というアルバムがリリースされて、それに"Last Christmas"も収録されたが、本国UKでは、この"The Final"(Epic EPC 88681)というベスト盤しかリリースされていない。
"The Final"は、"Music from the Edge of Heaven"のちょうどひと月前、1986年5月31日にリリースされた。
つまり、"Last Christmas"が最初に収録されたアルバムである。

それに、シングル・ヒットを集めたベスト盤だから、命日に聴くには、ちょうどいいよね。

送り溝を見ると、マトはA5/B3/C5/D10である。
進みすぎだろー
Discogsで確認すると、B4が確認できたので全面ではなかったが、3面が最大マトである。
D10にいたっては、Discogsに登録されているのはD9までじゃないか(泣)
しかも、うちの盤のマトは、A面こそ88681の前にEPCがあるが、BCD面のマトは88681のみで前にEPCがない。
Discogsの登録は、全部EPC88681になっている。
誤登録でなければ、うちのは末尾の数字が同じでもカッティング違いだ。
なんなの?

そのせいなのかはわからないが、なんだか、うちの盤、サ行にちょっと歪みがのる。
こういうときには、歪みを拾わないortofon VNLに助けてもらうしかない。


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うん、なんとか大丈夫だ。

無理して、そんなレコードで聴かなくても、Apple Musicで聴けばいいんじゃないの?と思うかもしれないが、そういうわけにもいかないんである。
確かにクリアさではデジタル配信に分があるのだが、音自体は、このアナログのほうが良いのだ。
やっぱり、もうちょっとマトの若い盤を探さないといけないかなぁ・・・

それより、まず"Last Christmas"の12インチと7インチを手に入れなきゃ。
毎年、クリスマスになると思い出すのだが、クリスマスが過ぎると、すっかり忘れてしまうのよね(笑)

R.I.P.
ラベル:WHAM! George Michael
posted by 想也 at 00:06| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする