たまに聴くと、違う世界に連れてってくれるレコードというのがある。
アンディ・サマーズ(Andy Summers)がロバート・フリップとのコラボでリリースしたこのレコードも、(あくまでボクにとって)そんなレコードのひとつだ。

彼らのコラボ作品としては2作目にあたる"Bewitched"のUKオリジナル(A&M Records AMLX 68569)である。
このレコード、インナースリーブに、"mastered by ian cooper at the townhose, london"と明記されているので、タウンハウスのイアン・クーパーによるカッティングであることがわかる。
うちにあるのもタウンハウス・カッティングである。

凸リムで420の刻印が確認できるので、PRS Ltd.(1979年1月までPhonodisc Ltd.という名称だった工場)プレスであることがわかる。
420の隣のHはカッティング・スタジオを表すイニシャルで、Hはタウンハウスを意味している。

この通り、手書きでTOWNHOUSEと刻まれてもいる(手書きってことは、DMMなのか?)。
このようにSide 1については何の問題もなかったのだが、Side 2はこうなんである。

マトは刻印ではなくなり、手書きでB3になっている。
手書きのTOWNHOUSEも、どこにもない。
ダメじゃん・・・
きっと、マトA2/B2で両面に手書きTOWNHOSEが刻まれた盤が存在していて、それがファースト・プレスなんだろうなー
売れたレコードでもないと思うのに、何故マトが進んだりするんだよ・・・まったく・・・
ボクは、ブツブツ文句を言いながら、確認のためにDiscogsを見てみた。
は?
A1/B1?
売れたレコードでもないと思うのに(しつこい)、A2も初回マトじゃないのかよ・・・
でも、よく見ると、etchedとあるから、A1/B1のマトは手書きらしい。
しかも、手書きのTOWNHOSEが刻まれているとも書かれていない。
単に登録忘れかもしれないが、もしそうでないとすると、タウンハウス・カッティングではない可能性もある。
どういうこと?
謎なのである。
Kaori Eさんとノイさんから、マトA1/B1に関する情報をいただいた。
やはり、送り溝にTOWNHOUSEはないとのことだ。
しかも、ノイさんが入手した盤は、盤の形状からして、PRS Ltd.プレスではなく、どうやらCBSプレスのようだ。
初回盤は、このCBSプレスのマトA1/B1(TOWNHOUSEなし)の可能性が高そうな気がする。
しかし、そうだとすると、インナースリーブに明記されているカッティングの盤が存在しているのに、それにもかかわらず、それが初回盤でないというのは、きわめて珍しい例なんじゃないだろうか。