2023年01月22日

TML刻印の変遷(続報)~Earth, Wind & Fire, I AmのUSオリジナル

今月もレコード・コレクターズは発売日に購入したのだが、初盤道でとりあげられている矢沢永吉さんの『ゴールドラッシュ』は、あいにく持っていない。
『時間よ止まれ』はシングルを買うほど好きだったが、アルバム『ゴールドラッシュ』は買わなかったし、友達で買ったやつもいなかったので、考えてみたら聴いたこともない。

初盤道を読んでいたら、なんだか無性に聴きたくなってきたのだが、レコード・ショップに漁盤にでかけることができるほどの時間はない。
でも、近所のブックオフをちょっとのぞいてみる時間ぐらいならある。

ってことで、先週、時間を見つけて近所のブックオフをのぞいてみたのだが、矢沢永吉さんのLPはいろいろあったものの、『ゴールラッシュ』はなかった。
残念・・・

しかし、収穫もあった。
アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)が1979年6月9日にリリースした9枚目のスタジオ・アルバム"I Am"のUSオリジナル(Columbia ARC FC 35730)を見つけたのだ。
もちろん、ワンコイン(500円)である(笑)


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実は、このレコード、探していたのだ。

1月11日のTHE TRAD@TOKYO FMでデビッド・フォスター(David Foster)特集があったのだが、そのとき"After the Love Is Gone"がオンエアされて、どうしてもアナログで聴きたくなった。

"After the Love Is Gone"収録の"I Am"は売れたアルバムだし、とりあえず日本盤(タイトルは『黙示録』だった。)でもいいかなと思ったのだが、Discogsでちょっと調べてみると、USオリジナルはTMLのマイク・リーズ(Mike Reese)のカッティングなんである。
これはどうしても、USオリジナルで欲しい。

そう思っていたら、こんなにすぐに見つかるとは・・・

まぁ、でも、売れたアルバムだし、きっとアルファベット二桁マトなんだろうなとあまり期待しないで送り溝を見たら、なんと両面1Aなんである。
新年早々縁起が良い。
ボクは神さまに感謝した。
いや、感謝するなら、ブックオフに足を向けさせた紙ジャケ探検隊かな?
ありがとう、探検隊!


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いやぁ、やっぱり、TMLカッティングの(しかもマト1Aの)アナログで聴く"After the Love Is Gone"は最高だー


ところで、このレコードの送り溝には、とても興味深い発見があった。
Side 1はごく普通の見慣れたTML-M刻印だったのだが、Side 2のTML刻印はこんな刻印だったのである。


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通常のTML-M刻印のあとに手書きで-Xと追記されている。
これって、やっぱり、後にTML-Xと刻印されることになるノイマン製レースでのカッティングって意味だよね?
たぶん、まだTML-Xの刻印ができていなかったので、TML-M刻印のあとに-Xを追記したのだ。

下記記事では、TML-X刻印の使用開始時期は、「1979年10月から」としていたが、"I Am"リリースの前月の「1979年5月から」で、当初は"TML-M-X"(TML-M刻印に手書きで-X追記)だったと修正する必要がありそうだ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-03-13

この推理、間違ってないよね?
ラベル:Earth Wind & Fire
posted by 想也 at 21:09| Comment(0) | TMLの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月21日

Crosby, Stills & Nash - Crosby, Stills & NashのUSオリジナル

デヴィッド・クロスビー(David Crosby)追悼で、昨夜引っ張り出したクロスビー、スティルス&ナッシュ(Crosby, Stills & Nash)のファースト・アルバムだが、うちの盤がセカンド・プレスなのは間違いないとしても、Discogsの登録をながめていると、どこまでファースト・プレスなのかを特定するのは、それほど簡単ではない気もしてきた。

ってことで、とりあえず、メモがわりに書いておくことにしよう。

このレコード、売れただけあって、Broadwayアドレス盤にも非常に多くのバリエーションがあるが、その中には、明らかにオリジナルとは言えないものもある。

たとえば、ピットマン工場やテレホート工場でプレスされているコロンビア・プレスや、インディアナ工場でプレスされているRCAプレスは、それぞれ独自カッティングでもあるし、カッティングまで含めた外部委託プレスなので、オリジナルとは言えないだろう。

ピンクニーヴィル工場でプレスされているMCAプレスは、アトランティック・スタジオでカッティングされたラッカー由来のスタンパーを使用しているので、オリジナルの意味を広く捉えれば、オリジナルと言えないこともないが、オリジナルを厳格に捉えれば、委託プレスなんで、やはりオリジナルとは言えないんじゃないかと思う。

そうすると、残りは、PR工場プレス、MO工場プレス、SP工場プレス、RI工場プレスということになる。
ただし、RI工場は、レーベル上にRIと表記されている場合は、ファースト・プレスではない。
1969年には、まだRI工場はアトランティックのメイン工場になっていなかったし、RIという略称が使われていなかったからである。
RIという略称が使用されるようなったのは1970年6月だと思う(1972年説もある)。
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2018-07-17 をどうぞ。)

ってことで、RI工場プレスのうちの盤は、セカンド・プレスなのである。


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RI工場に対しては、1970年6月より前はMEという略称が使用されていたので、レーベル上の表記がMEであればオリジナルと言えないこともないかもしれないが、当時はまだ委託プレスの扱いだった可能性もあるので、オリジナルを厳格に捉えれば、やはりオリジナルとは言えないんじゃないかと思う。

RIの略称が使用されているうちの盤でも、まだ、三連マトになっていない。
マトDなのだが、DDDではなく、Dで終っているのである(そのあとに、4-I-IIというのがついているが)。


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ってことで、1970年頃までは、RI工場はまだアトランティックのメイン工場とはなっていなかったんじゃないかと思うのである。

さて、では、PR工場プレス、MO工場プレスまたはSP工場プレスで、Broadwayアドレス・レーベルなら、オリジナル・ファースト・プレスと言っていいんだろうか。

ボクは、最初、初回カッティングは、ロブ・グレネル(Rob Grenell - RG)がカッティングした末尾Bのみだと思っていた。
アル・ブラウン(Al Brown - ab)がカッティングした末尾Cと末尾Dは、セカンド・プレスだと思っていたのである。


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ってことで、うちの盤がアル・ブラウン・カッティングの末尾Dだということも、セカンド・プレスを示すものだと考えていた。

さらに、末尾Eや末尾Fでは、 ジョージ・ピロス(George Piros - AT/GP)のカッティングになるのだが、これはレイト盤がほぼこれになるので、おそらく、追加カッティングだろう。

しかし、末尾Dまでは最初から存在していた可能性も否定できない気がしてきた。

このレコード、よく売れたレコードである。
最初からアトランティック・スタジオの2人のエンジニアが、手分けして3枚のラッカーを切った可能性だって考えられないこともないと思うのだ。

ってことで、PR工場プレス、MO工場プレスまたはSP工場プレスで、Broadwayアドレス・レーベルで、ロブ・グレネル・カッティングのマト末尾Bなら、間違いなくオリジナル・ファースト・プレスだが、アル・ブラウン・カッティングのマト末尾CやDでも、オリジナル・ファースト・プレスの可能性は残っている気がするんである。

いずれにせよ、うちにあるのはアル・ブラウン・カッティング盤だから、ロブ・グレネル・カッティング盤を手に入れなきゃなー
posted by 想也 at 22:01| Comment(4) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月20日

R.I.P. David Crosby

デヴィッド・クロスビー(David Crosby)が亡くなった。

ジャケットがすごく好きで、このレコードは、ホント、よく聴いた。

だから、今宵は、このレコードークロスビー、スティルス&ナッシュ(Crosby, Stills & Nash)が1969年にリリースしたセルフタイトルのファースト・アルバムーを聴くのである。


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うちのはUS盤だが、オリジナルではない。

Broadwayアドレスのレーベルなので、一応オリジナルと言っていいのかもしれないが、少なくともファースト・プレスではない。

Discogsを見ればわかるように、このレコードは、Broadwayアドレス・レーベルの盤にもバリエーションがいろいろあるが、整理すれば、ファースト・プレスの特定はとくに難しくはない。

とはいえ、今宵は、そういうことをチマチマと書く気力も起きないので、そのうち、気が向いたときにでも書くことにしよう。

セカンド・プレスだって、これだけ聴いてれば、悪くないよ。


R.I.P.
ラベル:David Crosby
posted by 想也 at 22:49| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする