2023年01月21日

Crosby, Stills & Nash - Crosby, Stills & NashのUSオリジナル

デヴィッド・クロスビー(David Crosby)追悼で、昨夜引っ張り出したクロスビー、スティルス&ナッシュ(Crosby, Stills & Nash)のファースト・アルバムだが、うちの盤がセカンド・プレスなのは間違いないとしても、Discogsの登録をながめていると、どこまでファースト・プレスなのかを特定するのは、それほど簡単ではない気もしてきた。

ってことで、とりあえず、メモがわりに書いておくことにしよう。

このレコード、売れただけあって、Broadwayアドレス盤にも非常に多くのバリエーションがあるが、その中には、明らかにオリジナルとは言えないものもある。

たとえば、ピットマン工場やテレホート工場でプレスされているコロンビア・プレスや、インディアナ工場でプレスされているRCAプレスは、それぞれ独自カッティングでもあるし、カッティングまで含めた外部委託プレスなので、オリジナルとは言えないだろう。

ピンクニーヴィル工場でプレスされているMCAプレスは、アトランティック・スタジオでカッティングされたラッカー由来のスタンパーを使用しているので、オリジナルの意味を広く捉えれば、オリジナルと言えないこともないが、オリジナルを厳格に捉えれば、委託プレスなんで、やはりオリジナルとは言えないんじゃないかと思う。

そうすると、残りは、PR工場プレス、MO工場プレス、SP工場プレス、RI工場プレスということになる。
ただし、RI工場は、レーベル上にRIと表記されている場合は、ファースト・プレスではない。
1969年には、まだRI工場はアトランティックのメイン工場になっていなかったし、RIという略称が使われていなかったからである。
RIという略称が使用されるようなったのは1970年6月だと思う(1972年説もある)。
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2018-07-17 をどうぞ。)

ってことで、RI工場プレスのうちの盤は、セカンド・プレスなのである。


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RI工場に対しては、1970年6月より前はMEという略称が使用されていたので、レーベル上の表記がMEであればオリジナルと言えないこともないかもしれないが、当時はまだ委託プレスの扱いだった可能性もあるので、オリジナルを厳格に捉えれば、やはりオリジナルとは言えないんじゃないかと思う。

RIの略称が使用されているうちの盤でも、まだ、三連マトになっていない。
マトDなのだが、DDDではなく、Dで終っているのである(そのあとに、4-I-IIというのがついているが)。


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ってことで、1970年頃までは、RI工場はまだアトランティックのメイン工場とはなっていなかったんじゃないかと思うのである。

さて、では、PR工場プレス、MO工場プレスまたはSP工場プレスで、Broadwayアドレス・レーベルなら、オリジナル・ファースト・プレスと言っていいんだろうか。

ボクは、最初、初回カッティングは、ロブ・グレネル(Rob Grenell - RG)がカッティングした末尾Bのみだと思っていた。
アル・ブラウン(Al Brown - ab)がカッティングした末尾Cと末尾Dは、セカンド・プレスだと思っていたのである。


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ってことで、うちの盤がアル・ブラウン・カッティングの末尾Dだということも、セカンド・プレスを示すものだと考えていた。

さらに、末尾Eや末尾Fでは、 ジョージ・ピロス(George Piros - AT/GP)のカッティングになるのだが、これはレイト盤がほぼこれになるので、おそらく、追加カッティングだろう。

しかし、末尾Dまでは最初から存在していた可能性も否定できない気がしてきた。

このレコード、よく売れたレコードである。
最初からアトランティック・スタジオの2人のエンジニアが、手分けして3枚のラッカーを切った可能性だって考えられないこともないと思うのだ。

ってことで、PR工場プレス、MO工場プレスまたはSP工場プレスで、Broadwayアドレス・レーベルで、ロブ・グレネル・カッティングのマト末尾Bなら、間違いなくオリジナル・ファースト・プレスだが、アル・ブラウン・カッティングのマト末尾CやDでも、オリジナル・ファースト・プレスの可能性は残っている気がするんである。

いずれにせよ、うちにあるのはアル・ブラウン・カッティング盤だから、ロブ・グレネル・カッティング盤を手に入れなきゃなー
posted by 想也 at 22:01| Comment(4) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする