2023年08月27日

Asiaの"Go"は何で聴く?

先週8月20日放送のSPITZ草野マサムネのロック大陸漫遊記@TOKYO FMは、「ロク漫的WBCのテーマソングで漫遊記」というタイトル(けっこう長いこと聴いているが、「ロック大陸漫遊記」が「ロク漫」と略されることを初めて知った 笑)で、「草野さんがWBCのテーマソングに選ぶならコレ」というのをアレコレ紹介するというものだった。

侍ジャパンが3回目のWBC制覇を果たして大いに盛り上がった2023年大会のテーマソングは、ご存じのとおり、ジャーニー(Journey)の"Separate Ways"だったが、あれは失恋の歌なわけで、もっと良いのがあるんじゃないかというわけだ。

草野さんの選曲は、ボクの知らないものばかりだったのだが、最後にイチオシとしてオン・エアされた曲はよく知っていた。
エイジア(Asia)の"Go"である。





確かに、これは合うわ~
こっちの方が良かったんじゃないかと思ってしまう。

で、当然のことながら、アナログで聴きたくなる。
”Go”は、1985年にリリースされたサード・アルバム"Astra”のリード・シングルとしてリリースされたものだが、シングルは持ってないので、"Astra"を引っ張りだす。

2枚出てきた。
日本盤(CBS/SONY 28AP 3120)とUSオリジナル(Geffen Records GHS 24072)だ。


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残念ながら、うちの日本盤には初回特典のカラーロゴステッカーが付いていないので、初回盤ではなく、マトはA1/B1ではあるものの、マザー/スタンパーは1 A 13/1 A 22とそこそこ進んでいる。
それでも、送り溝にはMASTERDISK刻印があるし、音質的には最強のはずの輸入メタルによる日本プレスだ。
最初は、もうこれでいいやと思っていたのである。

しかし、あるとき(もう20年くらい前ですけどね 笑)、このレコードのマスタリングが、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)とグレッグ・フルギニティ(Greg Fulginiti)の連名であることに、ボクは気づいてしまった。


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MASTERDISK RL刻印盤というのも存在するんじゃないかと探してみたら、USオリジナルには、東海岸のスペシャルティ・レコーズ・プレスでも西海岸のアライド・レコード・プレスでも、基本的にMASTERDISK RL刻印がある(ちなみに、UK盤には、日本盤同様、RLのサインはないようだ)。

うちのはマトSH1/SH1のアライド・レコード・プレスだが、両面にしっかりMASTERDISK RL刻印が確認できる。


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どちらも、MASTERDISKカッティングだし、あんまり違わないかと思いきや、うちの二枚で聴き比べる限り、かなり違う。
低域の沈み込みとか高域のキレとか、MASTERDISK RL刻印盤に軍配があがる。

つまりは、USオリジナルがRLカッティングなのに対して、日本盤はGFカッティングだということなんだろう。

安レコだし、日本盤しか持ってないという人は、USオリジナルも買ってみるといいと思うよ。
ラベル:asia
posted by 想也 at 18:34| Comment(0) | Bob Ludwig(RL)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月24日

Miss You Charlie

8月24日は、チャーリー(Charlie Watts)の命日である。
もう2年か・・・

命日ということで、ゆうべ日付けが変わった頃に、有賀さんが、チャーリーがとびきりの笑顔を見せてくれている写真をポストしてくれたのだが、その写真を見ているうちに、なんだか寂しさがこみ上げてきて、たまらなくなってしまった。

チャーリーを偲んで、今宵は、このレコードを繰り返し聴いている。


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ストーンズ(The Rolling Stones)が、初期のヒット曲を集めて1966年にリリースした初のベスト盤"Big Hits (High Tide and Green Grass)"のUKオリジナルMONO(Decca TXL 101)である。

うちの盤のマトは1A/3Aだったので、B面にもっと若いマトがあるのかとDiscogsで確認してみたところ、どうやら1A/3Aが一番若いマトのようだ。

マザー/スタンパーは2B BC/ 1 UIで、なんと、Discogsに登録されているものとまったく同じである。
なんたる偶然!(笑)

うちのも、レーベルにDGもあるし、ファースト・プレスでよさそうだ。

それにしても、Discogsの分類が、Big Hits Vol.2の"Through The Past, Darkly"はAlbumsの方なのに、この"Big Hits (High Tide and Green Grass)"がCompilationsの方なのは、不可解である。


そういえば、US盤は裏ジャケの方が表ジャケになってたので、UK盤の裏ジャケも載せておこう。
チャーリーの顔がわかるように、部分的に拡大して(笑)


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このレコードには、綴じ込みで内ジャケと一体になった6頁ブックレットが付属している。
チャーリーを偲ぶにはドアップの横顔写真がいいかと思ったのだが、やっぱり、一番好きな写真がいいんじゃないかと思いなおした。


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この表情、なんだかちょっと、お茶目でかわいい。


R.I.P.
ラベル:The Rolling Stones
posted by 想也 at 21:41| Comment(0) | The Rolling Stones | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月21日

Give 'Em Enough RopeのUKオリジナル

8月21日は、ジョー・ストラマー(Joe Strummer)の誕生日である。

ってことで、ザ・クラッシュ(The Clash)が1978年11月10日(日本語版Wikiでは「10月10日」になっているが、間違いである。)にリリースしたセカンド・アルバム"Give 'Em Enough Rope"(日本盤タイトルは『動乱(獣を野に放て)』だった。)のUKオリジナル(CBS – S CBS 82431)を聴いていた。


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何故セカンドなのかといえば、セルフ・タイトルのファースト(日本盤タイトルは『白い暴動』)とサードの『ロンドン・コーリング』については、すでに記事にしているからである。

セルフ・タイトルのファーストについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-12-23

サードの『ロンドン・コーリング』については、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-12-15

セカンドについて記事がないのは気持ち悪いじゃないか。
ブログの記事を書くために聴くレコードを選ぶなんて動機が不純だが、いいのである(笑)


では、"Give 'Em Enough Rope"のUKオリジナルの話に入ろう。

周知のように、UKオリジナルといっても、このレコードのファースト・プレスはUSカッティングである。
マトA1/B1の送り溝には両面にUSマトも刻まれている。

ではUS盤がオリジナルだとか、US盤のほうが良いのかといえば、それは違うと思う(ので、実は、US盤は持っていない 笑)。

まず、UKに送られたラッカーの方が先にカッティングされ(UKには、Side 1が末尾1Bと1Cと1D、Side 2が末尾1Aと1Cと1Dが送られている。ちなみに、うちのは1C/1Dだ。)、UKに送られたラッカー由来のスタンパーは、基本的に、USプレスでは使用されていない。

おもしろいことに、このUK盤は、末尾の違うUSマトもすべて、UKマトとしてはA1/B1が刻まれている。
つまり、複数のラッカーから製造されたマザーが一括してUKに送られ、一括して送られてきたマザーにはすべてA1/B1のUKマトが刻まれたのだろう。

ところで、マザーが送られたのであれば、すべてのマザーを送らず、一部を残しておいて、USでのプレスに使用することも可能だったはずなのに、そうはしていない。
USプレスには、原則として、UKに送られたラッカーより後にカッティングされた(つまりアルファベットが進んだ)ラッカーが使用されているのである(一枚、Side 2のマトが1Dの盤がDiscogsに登録されているが、常に例外はあるものなので、気にしない 笑)。

さらに、USでのカッティングは刻印から見てCOLUMBIAのスタジオで行われたのだと思われるが、EPICはCOLUMBIAとは違ってレコード番号がそのままマスター番号になるので、US盤のマトは、COLUMBIAで刻印されたマトが消されて、EPICのマトが刻印されている。
つまり、UKには、そのようなマトの修正が施されることなく製造されたマザーが、送られたのである。

ってことで、USカッティングなんだけど、最初にUK向けのが誂えられているわけだから、このレコードはUK盤がオリジナルでいいんである(たぶん 笑)。
ラベル:The Clash
posted by 想也 at 23:54| Comment(0) | The Clash | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする