2023年09月30日

Miss You 12インチのUKオリジナル

<X(旧Twitter)でのやりとりから、最初の仮説がどうやら間違っているようだという結論に達したので、追記しました。>(2023年9月30日)

月曜に時間を作って町田DUまで『初盤道』を買いに行ったとき、滞在時間は20分ほどしかなかったが、わずかな時間でも必死でエサ箱を掘って、5枚ほど購入したので、そのうちの一枚を紹介しよう。

ストーンズ(The Rolling Stones)が1978年6月にリリースした12インチ"Miss You"のUKオリジナル(Rolling Stones Records 12 EMI 2802)である。


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Jukeboyさんをして「ストーンズ史上最もカッコいいジャケットの部類に入る」と言わしめた(https://jukeboy-stones.com/entry/2022/02/27/143335)このレコード、実物を手にして買わずにいられる人がいるなんて信じられないカッコよさである。
時間がなかったこともあって、新着コーナーだけチェックしたのだが、ちょうど店員さんが補充を終えたところだったから、もしかしたら、このレコードもまさにそこに投入された直後だったのかもしれない。

ジャケットのカッコよさにくわえて、ピンク盤だというのにもそそられるじゃないか。


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マトは12 EMI 2802 +A/12+EMI+2802 +Bで、このマトの形式はオーレイクか?とレーベルを見ると、この中央のザラついた感じは、どうもオーレイクっぽい。


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Discogsを見ると、Side 1にOR、Side 2にOR-Oと刻印されたものもあるようで(どうやらマザーに刻印されたらしく、うちの盤には、そのような刻印はない。)、オーレイク・プレスで間違いないと思う。

そういや、この時期のオーレイクは、ピクチャー盤やカラー盤のプレスをしてたんだった。


それはともかく、このレコード、非常に奇妙な点がある。

Side 1はSTERLINGのカッティングなのだが・・・


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Side 2はニック・ウェブ(Nick Webb)のサインがあるので、UK EMIのアビーロード・スタジオでのカッティングである。


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普通、こういう場合、片面はリカッティングなのだが、マトを見る限りはそれっぽくない。
Discogsを見ても、リカッティングの証拠になりそうな情報は見つからない。

ただ、Discogsには、Side 2にもSTERLING刻印があるようなことが書いてあるのだが、これは誤登録だと思う。
どう考えても、ニック・ウェブのサインがあるところにSTERLING刻印はないだろー

もし、Side 2にもSTERLING刻印がある盤をお持ちの方がいらしたら、ぜひご報告をお願いします。


それにしても不思議である。
このレコード、いずれにしても、最初から、Side 1はSTERLINGカッティングで、Side 2はアビーロード・カッティングだったということになる。

しかし、そんなカッティングの依頼はありそうもない。

ってことは、UK盤はアビーロード・カッティングだったところ、Side 1がボツになり、リカッティングを依頼する代わりに、USからSTERLINGカッティングのラッカーを取り寄せたというところか。

何か情報をお持ちの方、ぜひ教えてくださいな。


<追記>

X(旧Twitter)で、紙ジャケ探検隊、Jukeboyさん、たまぞうさん、sentimentalfoolさんらと意見交換している中で、どうやらボクの最初の仮説は間違っているようだ、と考えるいたったので、追記である。

JukeboyさんのWebサイトを含めて、集まった情報を整理しておこう。

A面の"Miss You"には、4:48のアルバム・バージョン(AVer.と呼ぶことにする)、3:34のエディット・バージョン(EVer.と呼ぶことにする。)、8:26のロング・バージョン(LVer.と呼ぶことにする。)の三種がある。
B面の"Faraway Eyes"には、4:23のアルバム・バージョンと3:43のエディット・バージョンの二種類がある。
(Discogsを見ると、具体的な秒数が数秒違いでバラバラなので、ここではJukeboyさんのWebサイトに準拠する。)

まず、一番最初にリリースされた7インチの各国盤を見ておこう。

US盤
Side 1 : Miss You EVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. STERLING刻印

UK盤
Side 1 : Miss You EVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. STERLING刻印

仏盤
Side 1 : Miss You 不明 Pellé
Side 2 : Faraway Eyes 不明 Pellé


12インチの各国盤については、次の通りだ。

US盤プロモ
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Miss You LVer. STERLING刻印

US盤
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes AVer. STERLING刻印

UK盤(ピンク盤)
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. NICK.W

仏盤(赤盤)
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes AVer. 刻印なし


ボクは、最初、UK盤12インチについて、両面ともアビーロード・カッティングだったが、Side 1がボツになり、急遽USからSide 1のラッカーを取り寄せたと考えた。
しかし、仏盤の12インチもSide 1のみSTERLINGということだから、ボクの仮説が正しいとすると、フランスでも同じことが起こったということになってしまう。
これは、ありえないとまでは言わないが、可能性としてはとても低いだろう。

ってことは、可能性は二つである。
第一の可能性は、両面ともUSからSTERLINGカッティングのラッカーが送られてきたが、Side 2がボツになり、急遽各国でカッティングしたというものだ。
第二の可能性は、もともとSTERLINGカッティングのSide 1のラッカーだけが送られてきて、Side 2については各国にお任せだったというものである。

第二の可能性はちょっと考えられないと思ったのだが、そもそも12インチ・シングルが一般化したのは80年代初頭で、このレコードがリリースされた78年では、初めてくらいの試みだったとすると(実際、このレコードも45回転ではなく33 1/3回転である。)、Side 1のラッカーだけ各国に送る(つまり、Side 1にロング・バージョンを収録するということだけが決まっていた。)ということも考えられないわけではない気もする。
逆に、初めてくらいの試みだからこそ、Side 1のラッカーだけ各国に送るって考えにくくない?とも思う。

第一の可能性の方はどうだろう?
Side 2が各国でそれぞれボツになったという可能性はきわめて低いと思う。
ただ、Side 2をどうするかという方針がそもそも不確定で、当初の方針が変わり、各国に送られたSide 2のラッカーについては破棄が指示されたという可能性は十分にあるんじゃないかと思う。

12インチでシングルを出すというのは、7インチには収まらないロング・バージョンのシングルを出したいというところから生まれたアイディアだろう。
だから、Side 1の内容は確定しているが、では、Side 2の方はどうするか。
7インチと同じ"Faraway Eyes"のEVer.でいいのか?
収録可能時間はたっぷりあるんだから、AVer.を収録した方がいいんんじゃないか?
どうせなら、"Miss You"のEVer.と"Faraway Eyes"のEVer.を両方収録するってのもありなんじゃ?
当初、最後の方針がとられていて、シングルのAB面を収録したSTERLINGカッティングのSide 2のラッカーが各国に送られていたとしたら・・・
「同じ曲をバージョン違いで収録?アホか。Side 2は、"Faraway Eyes"だけでいい。」という鶴の一声で、各国に送られたSide 2のラッカーは破棄されて、各国それぞれでカッティングすることになったとかさ。

えっ、妄想がすぎる?
いつものことじゃん(笑)
ラベル:The Rolling Stones
posted by 想也 at 15:17| Comment(2) | The Rolling Stones | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月25日

土竜軍団に入りたかった

発売が三度も延期されてホントに出るのか?と周囲を不安にさせた紙ジャケ探検隊の『初盤道』だが、9月22日にようやく刊行された。

いくつかの記事に協力していることもあり、うちには2日ほど前の20日に、献本という形で届いた。
表紙の裏には、著者のサインもある。
(そのサインの前に、〇〇様とボクの名前が入っているので写真は公開しない 笑)
何故か、タワーレコード購入者先着特典の栞は同梱されていた。

でも、ユニオン特典の『没ネタ編』は同梱されていなかったので、『通常版』をDUに買いに行ってきた(でも、時間がなかったので滞在時間は20分くらい)。
献本は『見本版』だから、『通常版』も当然持ってないといけないと思っていたのだ。
お気に入りのレコードだったら、見本盤と通常盤どころか各国盤にマト違いまで揃えるのだから、当然である(笑)


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Tシャツについては、最初はどうしようか迷っていたのだが、TLでのやりとりで土竜軍団(あるいは土竜一派もしくは土竜一味 笑)結成の機運が高まっていたので、この際だから二種とも買おうと思っていたのだが、なんと町田DUのレジのおねーさんに尋ねたところ、書籍だけでTシャツの入荷はないとのこと・・・

Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
土竜軍団に入れないや・・・

週末のイベントには、家庭の事情で行けないしなー

でも、考えてみたら、ボクは、ロックTですらクラプトンのを一枚持っているだけだった。
ほかにあるのは、プレゼントで当たったKITRIのTシャツぐらいだ。
町田DUのTシャツ未入荷は神さまの思し召しだったのかもしれない(笑)

ところで、献本には、たぶんサインのインク移りを防止するための薄紙が挿まれていたのだが、それを見たときに、思わずホワイト・アルバムのポートレートの保護紙を思い浮かべてしまった。
Tシャツのターコイズは明らかにオマージュだけど、これにはそんな意図はないよねぇ?(笑)


特典はないけど、『初盤道』は、Amazonでも当然売ってます。

https://amzn.to/3AV4P8O
posted by 想也 at 23:08| Comment(0) | ETC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月13日

THE ART OF ROBERT McGINNIS

特撮ピストルズさんに唆されて、つい買ってしまった。


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数々の映画ポスターやペーパーバックのカバーを手がけた伝説的イラストレーター、ロバート・マッギニス(Robert McGinnis)の作品集である。

『ティファニーで朝食を』のポスターのイメージが強かった(というか、それしか知らなかった)ので、ちょっと吃驚。
彼の描く女性の絵からは、噎せ返るほどの濃厚な色気が立ち昇ってくる。
でも、みんな、とてもチャーミングだ。

カフェモカを飲みながらパラパラとページをめくる。
芸術の鑑賞とは一線を画すような猥雑さがあるのだが、それがなんだか妙に心地良い。

これは確かに素晴らしい作品集である。
唆されてよかった(笑)

特さん、ありがと~



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
posted by 想也 at 00:30| Comment(0) | ETC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする