「昭和歌謡」なら(あんまり厳格に定義を考えてないけど)ボクもよく使う言葉だが、「昭和ポップス」なんて言葉、聴いたことないぞ。
ボクが知らなかっただけで、すでに一般的な言葉なのか?
とりあえずググってみると、三番目に出てくるのが、THE TRADにゲスト出演していたさにーさんが運営するWEBサイト『あなたの知らない昭和ポップスの世界』(https://syowa-suki.com/)である。
「このサイトのコンセプト」のページを読むと、「昭和ポップス」というのは、どうやらさにーさんの造語らしい。
ボクが「考レコ学」なんて言葉を使うようなもんか(笑)
それはともかく、「昭和ポップス」というのは、「『昭和』であり、かつ、洋楽の要素が融合した『ポップス』が中心だった時代の音楽」を指す言葉のようだ。
ボクたち世代の感覚で言うと、職業作家(作詞家と作曲家)の手に成る楽曲を歌手が歌う「歌謡曲」に対して、楽曲制作から演奏・歌まで自分たちで行うシンガー・ソング・ライター=SSWやバンドというのが生まれ、当初はフォーク・ソングをメインに、やがてポップスやロックを取り込んで、当時「ニュー・ミュージック」と呼ばれた流れを作り上げたのが、70年代から80年代つまり昭和後期における日本のヒット音楽シーンだったのだが、「昭和ポップス」というのは、それらを総称するものということかな?
個人的には、「昭和ポップス」という言葉には若干の違和感があるのだが、それはおそらく、平成生まれの若い人たちの「昭和感覚」と、昭和生まれのボクたち世代の「昭和感覚」が少し違っていることに起因しているような気がする。
まぁ、でも、そもそも平成生まれの若い人たちに向けての言葉だから、ボクの違和感はどーでもいいか(笑)
昭和後期のヒット・チャートを賑わせたような音楽を総称して「昭和ポップス」と呼ぶのには違和感があるのだが、その一方で、ボクの脳内で「昭和ポップス」という言葉と強烈に結びついた音楽がある。
それはWinds(ウインズ)の音楽だ。
Winds(ウインズ)といっても、ピンとこない方も多いかもしれない。
1979年から1980年にかけてシングル4枚とアルバム1枚のみを残して消えたバンドなのだが、何を隠そう昭和を代表する職業作曲家・都倉俊一さんのバンドなんである。
しかし、Winds(ウインズ)については、Wikiでもまったく触れられていないどころか、都倉さんご自身のオフィシャルホームページでもまったく触れられていない。
なかったことにしたいのか?(笑)
シングル4枚は、3枚がドラマ主題歌、1枚がCM曲だったので、聴けば憶えているって人もそれなりにいるバンドだと思うのだが・・・
いずれにせよ、アルバム『SENSATION』(Tee 27AH 1074)は、ボクにとっては高校生の頃からの愛聴盤だ。

"Free Live!"みたいに封筒を模したジャケット(帯はいつのまにか失くしてしまった。)に、4枚の洒落た歌詞カード付きで、レコード会社の力の入れ具合がわかるのだが、あんまり売れなかったんだろうなぁ。
良いアルバムなんだけどな。
ボクは、『真夜中のヒーロー』というドラマの主題歌だった『ローズマリー』という曲が、とにかく好きで好きで・・・(ドラマの方はまったく憶えてないけど 笑)
近所のハードオフでシングル(Tee 06SH 743)の見本盤を見つけたときは歓喜したよね。
(美品のせいか、ジャンク・コーナーではなく、通常販売のコーナーにあったが、200円くらいだった。)

♪ その街へ 行くのなら
♪ 銀貨を三枚 頼まれてほしい
♪ 一枚目はチャイナローズ
♪ 死んだ恋人の好きだった花
冒頭のフレーズから、一気に、無国籍的な物語の世界にひきこまれてしまう。
その後、プロモシート付きの帯付き見本盤も手に入れた。
(こちらは、ヤフオクにて、ほとんどのオークションを500円均一で出品しているセラーから。もちろん、誰も競ってくる人はいなかった。)

そのぐらい好きなんである。

すっかり秋めいてきた土曜の午後、このレコードは、切なくて沁みるなぁ・・・
ラベル:WINDS