ってことで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。

1962年にブルー・ノートからリリースされたアルバム"That's Where It's At"のUSオリジナル・モノラル盤(Blue Note BLP 4096)である。
このレコードは、ボクにとって、生まれて初めて手に入れたジャズのオリジナル盤だ。
ジャズのオリジナル盤といってもピンからキリまであるから、最初はもっと手軽なものから手を出せばいいのに、いきなりブルー・ノート4000番台だったのにはワケがある。
遡ること20数年前(たぶん、2002年頃)、関内のディスク・ユニオンで、「ジャズのオリジナル盤にも興味あるんだけど。」と言うボクに、紙ジャケ探検隊が「これなんかどう?」と探してきてくれたのが、このレコードだったのである。
当時は、右も左もわからないジャズ・オリジナル盤初心者だ。
紙ジャケ探検隊に勧められて、イヤと言えるはずがない。
というか、そもそも、全幅の信頼を置いていたので、何の疑問も抱かなかった。
それが、内容的に素晴らしいレコードであり、完全オリジナル盤だということに。
実際、これは素晴らしいアルバムだ。
レス・マッキャン(Les McCann)の思いっきりファンキーなピアノ・トリオをバックに、思いっきりファンキーに思いっきりソウルフルに、タレンタインのテナーが歌う。
そこにはジャズの熱さが濃縮されている。
Discogsを見ると、ファースト・プレスの条件というのが箇条書きしてある。
第一に、コーティング・ジャケットの裏の住所表記が、43 West 61st St., New York 23でなけれなならない。

第二に、両面の送り溝にVAN GELDER刻印がなければならない。

第三に、両面の送り溝にプラスティライトのマーク(通称イヤー・マーク)がなければならない。

NEW YORK USAレーベルで、DGありでなければならない。

うわー!
NEW YORK USAレーベルだけど、DGがないやないかいっ!
いや、でも、1962年だと、もはやDGは必要ないんじゃ?
DGはプレス機に由来していて、古い機械でプレスすればDGがつくが、新しい機械でプレスした場合はDGがつかないってことだったはず。
新しい機械がまだ導入されていない時代にリリースされたレコードは、DGがついてなきゃファースト・プレスとは言えないだろう。
しかし、すでに新しい機械が導入されていた時代なら、複数あるプレス機のうち、古い機械でプレスされたものはDGがあるが、新しい機械でプレスされたものにはDGがないというだけで、DGのないファースト・プレスも存在しうるのだ。
1962年だと、もう新しい機械が導入された後だよね?