
ソロになって3作目のスタジオ・アルバム"Secrets of the Beehive"のUKオリジナル(Virgin V 2471)である。
音量をぐーっとあげれば、デヴィッド・シルヴィアンと教授(坂本龍一)が紡ぎ出すこの上なく美しい世界が空間を満たす。
ボクはただその空間に身をゆだねるのみである。
ところでこのUKオリジナル、よくわからないことがある。
送り溝にはTOWNHOUSE DMMという手書きの刻印があるし、インサートにCut by Tony Cousinsと明記されているので、タウンハウスのトニー・カズンズによってDMMカッティングが行われたものであることは間違いない。
DMMは、メタルマザーに直接カッティングする技法だから、そのカッティングしたマザーから複数のスタンパーを製造して、そのスタンパーでプレスを行った場合、送り溝にはマザーとスタンパーの刻印しか残らないはずである。
まぁ、でも、そんな教科書通りの送り溝なんて、ほとんど見ないよね(笑)
このレコードも例にもれず、送り溝の刻印はこんな感じだ。


V 2471 A-1U-1-1-T2
V 2471 B-1U-1-1-T1
と読める。
両面とも1Uの部分がカッティングしたマザー・ナンバーを示すとすると、次の1はスタンパーだが、おそらくこのファースト・スタンパーを使って、もう一度マザーを作ったのだろう。
つまり、次の1もまたマザー・ナンバーということだ。
Discogsを見ると、ここの数字が5になっているものが出ている。
第二段階のマザーは少なくとも5枚は作られたわけだ。
そうすると、その後はスタンパー・ナンバーということになるのだが、それがうちの盤の場合、T2/T1なんである。
スタンパー・ナンバーにしては、このアルファベットと数字の組み合わせって、ちょっと不可解じゃない?
みなさんのSecrets of the BeehiveのUKオリジナルも同じですか?
ラベル:David Sylvian
はじめてコメントします。
いつもたいへん参考にさていただいています。
ありがとうございます。
私のUKオリジナルは、
A-1U-1-1-T2
B-1U-1-1
と、刻印されていました。
つまり、B面は枝番がありませんでした。
(そのほかに、D Dという刻印も両面にありますが、
これが何を意味するのかわかりません。)
また、ルーペでよく見ると、A面の刻印の最後の3文字は
その前の文字に比べて彫りが浅く、Tの前の-はハイフン
というより、数字の1を左に90度回転したようにも見えます。
そこで、傍証になるかわかりませんが、手持ちのDavid Sylvian の
他のアルバムを見てみました。すべて、手書きのTOWNHOUSE刻印
が有りますが、DMMではありません。
・Brilliant Trees
V2290 A-3U-1-1-X1
(最後の4文字が浅く、その内の最初の1は左右反転、次のハイフンは
左右反転1を左に90度回転、最後の1は左右反転し180度回転させた
ように見える。)
V2290 B-5U-1-2-4
(最後の3文字が浅く、ハイフンは左右反転1を左に90度回転させた
ように見える。最後の文字はほぼ判別不能で、4ではないかも。)
・Red Guiter 12インチシングル
VS63312 A-3U-1-1-4
(最後の3文字が浅く、順番に、左右反転1・左右反転1を左に90度回転
させたように見える。・最後の文字はほぼ判別不能で、4ではないかも。)
VS63312 B-3U-1-1-X1
(最後の4文字が浅く、順番に、左右反転1・左右反転1を左に90度回転
・X・左右反転1のように見える。)
・Taking the Veil 12インチシングル
VS81512 A-1U-1-1-X1
(最後の4文字が浅く、1は正像。ハイフンは数字には見えないが、細長い。)
VS81512 B-1U-1-1-X1
(最後の2文字が浅い。1は正像。)
以上ですが、反転1やハイフンが1に見えるのは、刻印が浅いため
そう見えるだけかもしれませんので、ご参考までにお願いします。
長文にてたいへん失礼いたしました。
コメントありがとうございます(^^)
片面のみT2ってのもあるんですね。
情報ありがとうございます。
DDについては、DがEMIプレスでDMMのときに使用する刻印でDDと刻印されることもあるので、EMI側で刻印したものだと理解してました。
ハイフンが1を横にしたものってのは、たんにハイフン刻印用のスタンプと間違えたか、代用したかってだけじゃなですかね?
DMM以外のものの情報は、また、そのあたりの盤を取り上げるときに参考にさせていただきますね。
ラッカー・カッティングとDMMでは、EMIでの刻印の方法も違っていたはずで、区別しないとグチャグチャになってしまいますので。