出品者はレコード店ではなく、リサイクル・ショップでもなさそうで、どうやら個人のようだった。
大量の出品があるものの、どれもこれも「実家の押し入れの奥に眠ってました」的なもので、その中にほんの少しレコードが混じっていた。
そんな出品者なので、梱包は、スーパーとかでもらってきたらしいダンボールを解体して二つ折りにしたものに挟んでテープでグルグル巻きにするというものだったが、中のレコードはプチプチにくるんであったし、まぁ上出来である(上から目線 笑)。
しかし、プチプチから取り出した瞬間、ボクは蒼ざめた。
アウターのビニールが、これだったからである。

「まるいレコード」ってさー、レコードは大概まるいぞ。
って、違う、そうじゃない(笑)
押し入れの奥で長年眠っていたらしいそのアウターは、ずいぶんと薄汚れていたが、汚れは問題ではない。
問題は、その分厚さである。
そう、塩ビ焼けを起こす、あの悪名高いアウターっぽい。
恐る恐るレコードを引っ張り出して確認したところ、なんだかハード・オフのジャンク・コーナーにあるやつぐらい盤面が汚れているが、塩ビ焼けっぽくはない。
レア盤ではないので、速攻で、水の激落ちくんを使って洗浄する。

ピカピカである。
一点のくもりもない。
もともと悪さをする成分を含んでいなかったのか、それとも厚めのジャケットがその成分の侵入を阻んだのか、塩ビ焼けは逃れていたのであった。
すっげー良い音で鳴っているのである。
めでたし、めでたし(笑)