2025年06月28日

YES, FragileのUKオリジナル~初盤判定の試み

昨日6月27日は、クリス・スクワイア(Chris Squire)の命日だったのだが、ボリュームをあげて集中して音楽が聴ける時間があまりなかったので、イエス(YES)のレコードを聴くのは今日にまわした。

やっぱりね、イエスはボリュームをあげて集中して聴きたいんである。

で、何を聴いたかというと、このレコードだ。


20250627-1.jpg


1971年11月12日にリリースされた4作目のスタジオ・アルバム"Fragile"のUKオリジナル(Polydor Records Atlantic 2401 019)である。

レコード・コレクターズ2022年2月号の「この曲のベースを聴け!」という特集で"Roundabout"が取り上げられていたし、ハマくん(OKAMOTO’S)もテレビやラジオで"Roundabout"を取り上げていたので、なんだか、「クリス・スクワイアのベースを聴くなら、まずは”Roundabout"」と刷り込まれてしまった(笑)

このレコード、レッド/マルーン・レーベルならUKオリジナルと言っていいと思うが、初盤判定はなかなか難しい。
『初盤道』でも、「奇妙なマト1」の回で言及されていることもあって、「実は初盤の特定はとても難しい」というだけで、どれが初盤なのかを特定していない(単行本36ページ)。

Discogsを見てみると、レッド/マルーン・レーベルだけで、少なくとも7バリエーションが確認されていると書いてある。
詳細に確認してみると、8つ目のバリエーションが追加されているから、8バリエーションだ。

ただし、この8つのバリエーションが特定の順序で変遷していったのかというと、おそらくそうではない。
レッド・ツェッペリンⅢ(Led Zeppelin III)の記事(https://sawyer2015.seesaa.net/article/508776514.html)で書いたように、この時期のUKポリドールにはいくつかプレス工場があって、それぞれの工場ごとにレーベルの変遷があったと考えられるからである。


20250628-2.jpg


工場ごとのレーベルの変遷まで明らかにできるような情報は得られていないが、それでは、初盤の特定が無理なのかというと、そんなことはないんじゃないかと思う。
少なくとも、「このレーベルはどこかの工場の初回プレスだろう」と推定はできそうである。

まず、Side 1にA2のパブリシャーとしてArnakata/Kinney Musicがクレジットされているかが問題である。
このクレジットは、グリーン/レッド・レーベル再発にもあるものだから、最初はクレジットされていなかったと考えるのが理に適っている。
そもそも、A2はブラームスの曲だから、著作権といっても編曲著作権なわけで、他の作詞作曲著作権とは違って、最初はクレジットする必要がないと考えられたのだろう。

つまり、初回盤は、Side 1にArnakata/Kinney Musicがクレジットされていなかったと考えられる。
うちにはレッド/マルーン・レーベルの盤が二枚あるが、どちらにも、Arnakata/Kinney Musicのクレジットはない。

次に問題となるのは、Side 2の出版社について、"Rondor"とすべきところを"Ronder"としている誤植があるかということだ。
これはもう、ただの誤植なので、気づいた時点で修正されたと考えられる。
つまり、初回盤には、"Ronder"という誤植がある。

もっとも、この誤植については、すべての工場であったとは限らない。
なにしろただの誤植である。
むしろ、複数の工場があったとしたら、ミスをしたのは一つの工場だけだったと考えるほうが理に適っている。
つまり、初回盤には、"Rondor"と正しい表記のものもあると思う。

"Ronder"という誤植は、特定の工場プレスの初盤条件ではあっても、すべての工場の初盤条件ではないんじゃないかと思うのである。
うちの二枚は、一方は"Ronder"でもう一方は"Rondor"なので、同一工場なら前後関係があることになるが、工場が違えばどちらも初盤の可能性があることになる。

以上のことから、Side 1にArnakata/Kinney Musicがクレジットされておらず、Side 2の出版社について、"Rondor"とすべきところを"Ronder"としている誤植があるものであれば、少なくとも「どこかの工場の初回プレスだろう」とは言えるんじゃないかと思うのである。


20250628-3.jpg
20250628-4.jpg


うちにあるSide 2の出版社が正しく"Rondor"になっている方の盤も初盤の可能性はあるが、同一工場のセカンド・プレスの可能性も同じくらいある。

ってことで、上記のレーベルの盤については、「どこかの工場の初回プレスだろう」と言えそうなのだが、さらなる情況証拠として、このレーベルの盤のマザー/スタンパーがあげられる。
うちのは下記のようなものだが、Discogsに登録されているものは、いずれも同じぐらいの若さで、420付きのマト1違い盤を除けば他のバリエーションのマザー/スタンパーより若い。

2401019 A // 1 1 1 4
2401019 B // 1 1 2 1


インナースリーブについては、0571なのでちょっと微妙である。


20250628-5.jpg


71年5月製造と思われるが、11月26日リリースに付いていたものとしては製造時期が早すぎる気もする。
つまり入れ替え疑惑が拭えない。
とはいえ、大量に製造したものが残っていた可能性もあるから、何とも言えないかなー

でも、インナースリーブについては大した情況証拠にならなかったというだけで、うちの盤のうちの一枚は、どこかの工場の初回プレスには間違いないと思うのである。
ラベル:Yes
posted by 想也 at 23:14| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください