ってことで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。
1983年9月15日にリリースされたヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース(Huey Lewis and the News)のサード・アルバム"Sports"のUS盤(Chrysalis – FV 41412)である。
US盤?
USオリジナルじゃないの?
そう、うちの盤にはUSオリジナルとは言えない事情があるのだ。
このレコードのUSオリジナルは、STERLINGのテッド・ジェンセン(Ted Jensen)によってカッティングされている。
それは、インナー・スリーブに明記されていることからも明らかだ。
しかし、うちの盤は、Side 2の送り溝にはSTERLING刻印があるものの、Side 1の送り溝にはSTERLING刻印がないんである。
送り溝には次のように刻まれている。
ちなみにプレス工場は、両面に大きく手書きでPと刻まれていることから、ピットマン工場であることがわかる。
FV 41412 AS-2H
FV 41412 BS P2 STERLING
Side 1の末尾2Hなんて、いかにもリカッティングっぽい。
Discogsで確認すると、Side 1にもSTERLING刻印のある盤が確かに存在するから、それがファースト・プレスに間違いない。
「ファースト・プレスじゃないかもしれないが、オリジナルのセカンド・プレスでいいんじゃない?」という意見もあるかもしれないが、やっぱりねぇ、STERLINGカッティングじゃなくなったら、オリジナルというのは厳しい気がする。
ただ、リカッティングされているSide 1も、決して音は悪くない。
十分に良い音だ。
聴いていると、「これもオリジナルでいいかも?」という気がしてくる。
この"Sports"というアルバム、彼らの初の大ヒット・アルバムで、実に700万枚以上を売り上げたという。
それ以前にも"Do You Believe in Love"のヒットはあったが、ここまで売れるとはレコード会社も考えていなかったのだろう。
両面STERLING刻印の盤は、絶対数としてはそこそこあるのかもしれないが、相対的には少なそうだ。
実際、これまで、めくってもめくっても出てこなかった。
そういう事情まで含めて考えると、「これもオリジナルでいいかも?」という思いが、なおのこと強くなる。
しかし、Side 2を聴いてみると、そんな思いはあえなく消え去ってしまう。
Side 1よりも歴然と良い音で鳴るのである。
やはり、両面STERLING刻印盤でなければ、オリジナルとは言えないだろう。
まぁ、でも、両面STERLING盤も、絶対数としてはそこそこ存在しているだろうから、そのうちどこかで出会うでしょう。
そうそう、送り溝のSTERLING刻印にはTJというサインがないのだが、10mm刻印なので、テッド・ジェンセンのカッティングで間違いないだろう。
STERLING刻印のバリエーションについては、https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-09-03.html をどうぞ。
ラベル:Huey Lewis


手持ちのを恐る恐る確認しましたが、P2/P1の両面Sterlingでホッとしております。
私は次のFore!の方が思い入れありまして、RL刻印がA面のみしか見つからないのが昔から気になっていたんですが、discogsで調べても両面RLは無さそうな感じですね。
こんばんは。
えーテキトーに買ったら、片面STERLINGか、両面STERINGなしのはずなんですけどねー(笑)
実は、ボクも、Fore!の方が思い入れがあって、かなり掘りました。
そのうち整理して記事にします。
(でも、約束はしません 笑)