2025年07月05日

Huey Lewis and the News, SportsのUS盤

今日7月5日は、ヒューイ・ルイス(Huey Lewis)の誕生日である。

ってことで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。


20250705-1.jpg


1983年9月15日にリリースされたヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース(Huey Lewis and the News)のサード・アルバム"Sports"のUS盤(Chrysalis – FV 41412)である。

US盤?
USオリジナルじゃないの?

そう、うちの盤にはUSオリジナルとは言えない事情があるのだ。

このレコードのUSオリジナルは、STERLINGのテッド・ジェンセン(Ted Jensen)によってカッティングされている。
それは、インナー・スリーブに明記されていることからも明らかだ。


20250705-3.jpg


しかし、うちの盤は、Side 2の送り溝にはSTERLING刻印があるものの、Side 1の送り溝にはSTERLING刻印がないんである。

送り溝には次のように刻まれている。
ちなみにプレス工場は、両面に大きく手書きでPと刻まれていることから、ピットマン工場であることがわかる。

FV 41412 AS-2H
FV 41412 BS P2 STERLING

Side 1の末尾2Hなんて、いかにもリカッティングっぽい。
Discogsで確認すると、Side 1にもSTERLING刻印のある盤が確かに存在するから、それがファースト・プレスに間違いない。

「ファースト・プレスじゃないかもしれないが、オリジナルのセカンド・プレスでいいんじゃない?」という意見もあるかもしれないが、やっぱりねぇ、STERLINGカッティングじゃなくなったら、オリジナルというのは厳しい気がする。

ただ、リカッティングされているSide 1も、決して音は悪くない。
十分に良い音だ。
聴いていると、「これもオリジナルでいいかも?」という気がしてくる。

この"Sports"というアルバム、彼らの初の大ヒット・アルバムで、実に700万枚以上を売り上げたという。
それ以前にも"Do You Believe in Love"のヒットはあったが、ここまで売れるとはレコード会社も考えていなかったのだろう。
両面STERLING刻印の盤は、絶対数としてはそこそこあるのかもしれないが、相対的には少なそうだ。
実際、これまで、めくってもめくっても出てこなかった。
そういう事情まで含めて考えると、「これもオリジナルでいいかも?」という思いが、なおのこと強くなる。


20250705-2.jpg


しかし、Side 2を聴いてみると、そんな思いはあえなく消え去ってしまう。
Side 1よりも歴然と良い音で鳴るのである。
やはり、両面STERLING刻印盤でなければ、オリジナルとは言えないだろう。


まぁ、でも、両面STERLING盤も、絶対数としてはそこそこ存在しているだろうから、そのうちどこかで出会うでしょう。


そうそう、送り溝のSTERLING刻印にはTJというサインがないのだが、10mm刻印なので、テッド・ジェンセンのカッティングで間違いないだろう。


20250705-4.jpg


STERLING刻印のバリエーションについては、https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-09-03.html をどうぞ。
ラベル:Huey Lewis
posted by 想也 at 23:59| Comment(2) | STERLINGの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは〜
手持ちのを恐る恐る確認しましたが、P2/P1の両面Sterlingでホッとしております。
私は次のFore!の方が思い入れありまして、RL刻印がA面のみしか見つからないのが昔から気になっていたんですが、discogsで調べても両面RLは無さそうな感じですね。
Posted by Yuzu at 2025年07月06日 21:58
Yuzuさん

こんばんは。
えーテキトーに買ったら、片面STERLINGか、両面STERINGなしのはずなんですけどねー(笑)

実は、ボクも、Fore!の方が思い入れがあって、かなり掘りました。
そのうち整理して記事にします。
(でも、約束はしません 笑)
Posted by 想也 at 2025年07月07日 01:31
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