2025年03月10日

Boston, BostonのUSオリジナル

3月9日は、ボストン(Boston)のボーカリスト、ブラッド・デルプ(Brad Delp)の命日だった。
そして3月10日は、トム・ショルツ(Tom Sholz)の誕生日だ。

ってことで、2日連続で、このレコードを聴いている。


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1976年8月25日にリリースされたボストンのファースト・アルバムのUSオリジナル(Epic PE 34188)である。


ブラッド・デルプの命日の関係なのか、まったく無関係なのかわからないが、9日朝のこと、シールド(未開封新品)だからなんだろうけど、このレコードが750ドル(11万円超!)で落札されたというPopsikeのポストが、TLに流れてきた。

いくらシールドとはいえ、750ドルはないだろー
って、まぁ、どうしても欲しい人が二人以上いれば、おのずと落札額が吊り上がるのがオークションの世界、そういうこともあるよね。

ただ、気になったのが、セラーが「ファースト・プレス」を謳っていたことだ。

その出品物には二枚のステッカーが貼られていたのだが、そのうちの一枚は、"BOTH HITS"として"LONG TIME"と"MORE THAN A FEELING"の収録を告知するものだった。
"MORE THAN A FEELING"は、1976年8月25日のアルバム・リリース後わりとすぐに(76年9月)シングル・カットされたのでいいとしても、"LONG TIME"のリリースは翌年1977年1月だし、Billboard Hot 100で最高位の22位を記録したのは同年3月5日だという。
つまり、このステッカーが貼られて出荷されたのは、どんなに早くても1977年2月のはずである。

一方、アルバムは、RIAAによって、1976年10月26日にゴールド、同年11月22日にはプラチナ認定されている。
1977年2月時点では、すでに100万枚以上売り上げているのだ。

発売後半年も経っていて、すでに100万枚以上売り上げた後のプレスでも、まだ「ファースト・プレス」って・・・

このアルバム、価格改定があった関係で1977年には品番がPE 34188からJE 34188に変更されるので、JE 34188を再発として、PE 34188ならオリジナルだというのなら、とくに異論はない(異論を唱える人もいるかもしれないが、ボクはそこまで厳格ではない 笑)。
しかし、PE 34188なら全部ファースト・プレスだと言われると、そりゃ違うだろーと言いたくなる。

裏ジャケットに明記されているように、このレコードのファースト・プレスは、キャピトル・スタジオのウォーリー・トラウゴット(Wally Traugott)によるカッティングである。


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しかし、考えていた以上に爆発的に売れたということのようで、ウォーリー・カッティング盤は相対的に少ない。
Discogsの登録をざっと見る限り、末尾1-Gあたりまでのようだ。
その後は追加カッティングだろうから、それはもうセカンド・プレスだろう。

ってことで、このレコードのファースト・プレスは、次の条件を満たしている必要がある。

①品番がPE 34188であること。


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②両面とも、マトが1-Gまでであること。


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(これはSide 1で、Side 2は1-Bである。)


③両面にMASTERED BY CAPITOL刻印があること。


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④両面にWlyのサインがあること。


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まぁ、②を満たせば、たぶん③も④も満たすと思うけど。


ちなみにマト1H以降は、Discogsを見るとAZ刻印があるようで、どうやらAllen Zentz Masteringでカッティングが行われているようなのだが、どこまでAllen Zentzの仕事なのか不明である。

Allen Zentzカッティングの音にはちょっと興味があるのだが、誰かウォーリー・カッティングと比較したことのある人っているかなぁ?


R.I.P.

posted by 想也 at 20:00| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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