2025年04月13日

Rush, Grace under PressureのUKオリジナル

今日4月12日はRECORD STORE DAYで、TLには、好天に恵まれる中レコード・ストアに足を運んでいるコレクター仲間のポストが溢れかえっていたのだが、相変わらずボクは蚊帳の外である。

ってことで、RSDはまったく無視して(笑)、今日がリリース記念日だというラッシュ(Rush)の"Grace under Pressure"を引っ張り出して聴いた。


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ジャケットは相当ボロいが、盤の方はキズどころかスレもなく、とても綺麗だ。

そういや、そもそも自分の持っているのが、どこ盤なのか認識していなかった。
US盤だったっけかなと確認したら、どうやらUK盤のようだ。


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Made in UKとかの表記はないのだが、VertigoからリリースされたのはUK盤とアイルランド盤だけ(どちらも品番はVERH 12)だし、この凸リムのレーベル形状はどうみてもUKのPRS Ltd.プレスである。

送り溝をみると、A1/B1という両面マト1で、Discogsの登録を見るとわりと珍しそうだが、そこそこ売れたレコードだから、きっと数はあるよね。
それはともかく、そのマト1の隣がこうなっている。


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▽の隣は何か消されていて、その隣に130だ。
▽の隣に何が消されているかは、B面の方がわかりやすい。


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目をこらせば確認できるだろうか?
42が消されている。
420と刻印しようとして、42まで刻印したところで、間違いに気づいたんだろう。
この頃のPRS Ltd.では、USカッティングの場合は、▽130と刻印するのがルールだ。
このレコードは、MASTERDISKでカッティングされているから、▽130じゃなきゃいけないのだ。
さすがに、この間違い、マト1だけだったようで、Discogsを見ると、マト2からは、最初からちゃんと▽130と刻印されているようだ。

インナースリーブにはマスタリングのクレジットがあって、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)の仕事であることが明記されている。
ただ、両面にMASTERDISK刻印はあるものの、その隣にRLというサインは刻まれていない。


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RL刻印のある盤が存在するのかと、UK盤だけでなく、カナダ盤やらUS盤やらチェックしてみたのだが、見つからない。
カナダ盤はほぼMASTERDISK BK(つまりビル・キッパー(Bill Kipper)のカッティング)だし、US盤もMASTERDISKのみかMASTERDISK BKである。
UK盤は、MASTERDISKのみしか登録されていない。

では、このMASTERDISKのみは、第三のエンジニアによるものなのかというと、ボクはあんがいラディックのカッティングなんじゃないかと思っている。
確証まではないのだが、筆跡がね、ラディックっぽい(笑)


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ってことで、UK盤が一番良いんじゃないかなー
比べたことないけど(笑)

ところで、このアルバム、サブスクにはないのね。
けっこう良いアルバムだと思うんだけどなー
ラベル:Rush
posted by 想也 at 00:16| Comment(0) | Bob Ludwig(RL)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月28日

RLカットは存在するの?~Miles Davis, You're under ArrestのUSオリジナル

今日と明日は、下北沢ボーナストラックでレコード・フェアである。
サボテン・レコードさん、ランブリン・ボーイズさん、山中明さんが出店しているから、界隈の人たちが集まるに違いない。

行きてー

家庭の事情で行けないのが悲しいのである。


仕方がないので、ボクは、おとなしく家でレコードを聴く。

何を聴こうかと考えながら何となくTLを眺めていたら、このレコードを見かけたので引っ張り出した。


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マイルス(Miles Davis)が1985年4月にリリースしたスタジオ・アルバム"You're under Arrest"のUSオリジナル(Columbia FC 40023)である。
(Discogsでは、背表紙はFC 40023のまま、レーベル上はC 40023となり、隣に▽マークがついているものも、1985年リリースになっているが、ウィントン(Wynton Marsalis)の" Marsalis Standard Time, Vol.1"が最初からそのパターンなので、86年か87年の再発だと思う。)

前にも何度か書いたことがある気がするが、マイルスの"Time after Time"が、ボクがジャズを聴くようになったきっかけだった。
深夜のテレビ(だったと記憶している)でLive under the Skyでのライブ演奏を観たとき、ボクは完全にノックアウトされた。
そのときジャズは、ボクの中で、「よくわからない大人が聴く音楽」から「かっこいい音楽」に変わった。

だから、このレコードには、相当に思い入れがある。

しかも、USオリジナルは、裏ジャケットに明記されているように、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)のマスタリングである。
送り溝にもMASTERDISKの刻印がある。


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(送り溝のくもりは、汚れかと思いきや、擦れて細かい傷がついているので、拭いても綺麗にならないのだが、幸い溝の方には影響がなく、音には出ない。)


しかし、RLというサインはない。

マトの筆跡も、ラディックっぽくない。


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うちのはマトが2K/2DだからなのかとDiscogsを確認してみたところ、うちのより若いマトでSide1が2Gというのがあったが、そこにもRLのサインはなさそうだ。

果たして、RLカッティングは存在するのだろうか?
思い入れのあるレコードだけに、気になるのである。

うちのより若いマトの盤や、RLサイン入りの盤をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せくださいませ。
ラベル:Miles Davis
posted by 想也 at 13:10| Comment(0) | Bob Ludwig(RL)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月27日

Asiaの"Go"は何で聴く?

先週8月20日放送のSPITZ草野マサムネのロック大陸漫遊記@TOKYO FMは、「ロク漫的WBCのテーマソングで漫遊記」というタイトル(けっこう長いこと聴いているが、「ロック大陸漫遊記」が「ロク漫」と略されることを初めて知った 笑)で、「草野さんがWBCのテーマソングに選ぶならコレ」というのをアレコレ紹介するというものだった。

侍ジャパンが3回目のWBC制覇を果たして大いに盛り上がった2023年大会のテーマソングは、ご存じのとおり、ジャーニー(Journey)の"Separate Ways"だったが、あれは失恋の歌なわけで、もっと良いのがあるんじゃないかというわけだ。

草野さんの選曲は、ボクの知らないものばかりだったのだが、最後にイチオシとしてオン・エアされた曲はよく知っていた。
エイジア(Asia)の"Go"である。





確かに、これは合うわ~
こっちの方が良かったんじゃないかと思ってしまう。

で、当然のことながら、アナログで聴きたくなる。
”Go”は、1985年にリリースされたサード・アルバム"Astra”のリード・シングルとしてリリースされたものだが、シングルは持ってないので、"Astra"を引っ張りだす。

2枚出てきた。
日本盤(CBS/SONY 28AP 3120)とUSオリジナル(Geffen Records GHS 24072)だ。


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残念ながら、うちの日本盤には初回特典のカラーロゴステッカーが付いていないので、初回盤ではなく、マトはA1/B1ではあるものの、マザー/スタンパーは1 A 13/1 A 22とそこそこ進んでいる。
それでも、送り溝にはMASTERDISK刻印があるし、音質的には最強のはずの輸入メタルによる日本プレスだ。
最初は、もうこれでいいやと思っていたのである。

しかし、あるとき(もう20年くらい前ですけどね 笑)、このレコードのマスタリングが、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)とグレッグ・フルギニティ(Greg Fulginiti)の連名であることに、ボクは気づいてしまった。


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MASTERDISK RL刻印盤というのも存在するんじゃないかと探してみたら、USオリジナルには、東海岸のスペシャルティ・レコーズ・プレスでも西海岸のアライド・レコード・プレスでも、基本的にMASTERDISK RL刻印がある(ちなみに、UK盤には、日本盤同様、RLのサインはないようだ)。

うちのはマトSH1/SH1のアライド・レコード・プレスだが、両面にしっかりMASTERDISK RL刻印が確認できる。


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どちらも、MASTERDISKカッティングだし、あんまり違わないかと思いきや、うちの二枚で聴き比べる限り、かなり違う。
低域の沈み込みとか高域のキレとか、MASTERDISK RL刻印盤に軍配があがる。

つまりは、USオリジナルがRLカッティングなのに対して、日本盤はGFカッティングだということなんだろう。

安レコだし、日本盤しか持ってないという人は、USオリジナルも買ってみるといいと思うよ。
ラベル:asia
posted by 想也 at 18:34| Comment(0) | Bob Ludwig(RL)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする