2022年05月14日

ベイシー

<『アイム・オールド・ファッション』の発売日が判明したので追記しました。>(2022年5月19日21:00)

2週間ほど前の記事の中で、オーディオ的な「とある理由」で、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)『ウィズ・ストリングス』の日本盤を聴いている、ということを書いた。

そのオーディオ的な「とある理由」とは、これである。


20220514-1.jpg


JICOが発売したShure V15 TypeⅢ対応交換針のひとつで、ジャズ喫茶『ベイシー』のオーナー菅原正二さんが監修したVN35MRBⅡだ。
2020年2月に500本限定で発売されてすぐに完売した第一弾VN35MRBの後継機で、今回は1000本限定で発売されたものである。

MR針ではなく、無垢ダエン針を使用したVN35EBも同時発売されたが(現在はスペック変更でVN35EBNになっている)、こちらは数量限定ではなかったし、とりあえず、第一弾の後継機であるVN35MRBⅡのほうを手に入れたのであった。

第一弾のときにもかなり食指が動かされたのだが、結局購入しなかったのは、Shure V15については、VxMRしか持っていなかったからだ。
TypeⅢユーザーだったら、購入していただろうと思う。

あのときは、食指が動かされたといってもその程度だったのだが、この春になって、なんだか急に、ベイシーモデルの交換針の音が聴きたくで我慢できなくなってしまった。
理由はわからない。
ただの衝動である(笑)

とはいえ、そもそもShure V15 TypeⅢを持っていない。
ベイシーモデルを聴くためには、まずTypeⅢを手に入れるところから始めなければならない。
第一弾のときはここで思いとどまったのだが、今回の衝動は激しかった。

ヤフオクを見れば山ほど出品があるので、手に入れようと思えば簡単に手に入る。
ボクの目的はTypeⅢユーザーになることではなく、ベイシーモデルを聴くことだから、初期型の白文字鏡面モデルである必要もない。
後期型の黄文字モデルで十分だから(映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩』の予告編に登場するのだって黄文字モデルだよね?)、美品を探すのも苦労はないし、オリジナル針でなくてもよいとなれば、落札価格もあんまりあがらない(針なしなら、さらに安く落札できたかもしれないが、針なしだと黄文字モデルでも美品はなかなか見つからない)。

ってことで、衝動の赴くままに、黄文字モデルを手に入れ(シェルは、KENWOOD KP-800なんかに付属していたものがついていて、わりとしっかりした作りのようだったので、そのまま使うことにした)、ほぼ同時に、VN35MRBⅡも手に入れたのであった。

1000本限定なのでホルダー部分にはシリアル・ナンバーが刻まれている。


20220514-2.jpg


516ってことはまだ半分くらい残ってるんだろうか?
それとも番号順に出荷されているとは限らないのか?


Shure V15 TypeⅢ+VN35MRBⅡを手に入れたのは、4月末のこと。
最初は少々硬い音だったのが、少しづつほぐれてきて、本来の音に近づいてきている気がする。

システムが違うので、ベイシーの音に近づいているわけではないんだろうが、ある種の猥雑さと独特の色気が、そこはかとなく漂ってくる音である。
この雰囲気は、うちにあるどのカートリッジにもない。
ただの日本盤が、独特の雰囲気を纏って鳴る。
これはこれで良いと思う。

あぁ、そうだ、渡辺貞夫さんを聴いてみよう。
ってことで、最初の写真の『アイム・オールド・ファッション』の登場となったわけだ。
背景でジャケットの一部がボケて映ってるだけだけど、わかったよね?

そんな紹介の仕方しかしないのには訳がある。
うちの盤は、フルコーティングの分厚いジャケットに帯付き美品のオリジナル(日本フォノグラム EAST WIND EW-8037)なのだが、ビクター・プレスのマトは両面とも111ではあるものの、スタンパーはA面16(※3つに点無しの+)/B面22(※4つに点1つの+)で、PMにいたってはC STVである。

『アイム・オールド・ファッション』は、発売日はよくわからない(1976年8月25日だと判明しました。)のだが、録音は1976年5月なので、PMのC STVというのは、おそらく、1976年7月に最初に使用され(Sは偶数年の7月)、8月・10月と使いまわされたスタンパーで、77年3月に(Cは奇数年の3月)プレスされたものと思われる。

まぁ、これだけ聴いていれば悪くないのだが、やっぱり、使いまわされたものではなく、かつ、若いスタンパーの盤で聴きたい。
そういう盤を手に入れたときに、ちゃんと紹介しようと思っているので、今回は、背景でジャケットの一部がボケて映ってるだけ、という紹介なのである(笑)
posted by 想也 at 19:40| Comment(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月20日

ゼンハイザーのヘッドホン

基本的にヘッドホンはあまり使わないので、そんなに高級なものは持っていない。
15年くらい前に買ったゼンハイザー(SENNHEISER)HD595を、ずっと使っていた。

たまに深夜に大音量で聴きたくなったときぐらいにしか使わないので、使用頻度はきわめて低いのだが、それでも15年も使っていると不具合が生じてくる。

まず、プラグとケーブルの接続部分に断線が起きた。
プラグの根元のところをクネクネさせると繋がったり繋がらなかったりする、よくある現象である。

HD595は抜き差しでケーブルが交換できるようになってないので、思い切って自分でノイトリック(NEUTRIK)のプラグに交換してみた。
これは1年くらい前のことである。


20220220-1.jpg


何を思ったかミニプラグを選んでしまったのだが、これはすぐに後悔した。
だから、そのうち標準プラグに交換しようと思っていた。
でも、そんなに使わないので放置していた(笑)

そしたら先日、イヤーパッドが壊れてしまった。
接合部分が剥がれて、中のスポンジが丸見えの状態である。


20220220-2.jpg


経年劣化のせいなのだろう。
接合部分の剥がれの大きさに多少の差はあるものの、左右両方のイヤーパッドが同時に壊れた。

もう15年使ったしなー
買い替えるかーと思って物色していたら、みょーに可愛いやつを見つけてしまった。
プリンカラーのゼンハイザーHD599だ。


https://amzn.to/3ySPjtK


プリン、好きなんである(笑)

で、衝動買いしてしまった。


20220220-3.jpg


これが4日ほど前のことである。

これでHD595のほうは廃棄だなと思ったのだが、あんまり使っていないので、ユニットのほうはまったく問題なさそうである。
イヤーパッドの交換ができるなら、まだ十分使えるんじゃ?と思い直した。

調べてみると、どうやらイヤーパッド交換ができるようで、純正品の半額以下で互換品がいろいろ売られている。
レビューを見て、品質の良さそうなこれを使ってみることにした。


https://amzn.to/4g0Y9pN


これが今朝届いたので、早速交換した。
交換は非常に簡単である。
クイッと外して、パチパチパチとはめるだけだ。
(実際やってみると、このオノマトペの適切さが実感できるかと 笑)


20220220-4.jpg


こうして、HD595を蘇らせてみると、HD599はいらなかったかなーと思ったが、聴いてみると音の感じがかなり違う。
そりゃそうである。
当然のことながら、モデルチェンジごとに音だって進化しているのだ。
最終的な評価はエージングが済んでからじゃないとできないが、現時点でも、ボクはこの音、かなーり気に入ったのである。

さて、せっかく復活させたHD595のほうは、どう使おうかな~?
posted by 想也 at 17:47| Comment(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月28日

バッハと聖歌とコルトレーン

12月25日(土)放送のJAZZ TONIGHT@NHK FMで紹介された新譜の中に、とても興味を惹くものがあった。
岩崎良子さんと竹内直さんによる『メディテーション・フォー・オルガン&テナー・サックス(Meditation for Organ & Tenor Saxophone)』という作品である(この作品から"Naima"と"Crescent"がオンエアされた)。

岩崎良子さんが弾くのは、オルガンといってもハモンド・オルガンではない。
パイプ・オルガンである。
聖路加国際病院の礼拝堂で、そこにあるパイプ・オルガン(パイプ総数2077、ストップ数30、M.ガルニエ製)を使って録音されたという。

パイプ・オルガンとテナーのデュオで演奏されたコルトレーンが、礼拝堂の中で荘厳に響く。
これはもう、Radikoの貧相な音質ではなく、ちゃんとした音で聴きたい。

こんなとき便利なのがサブスクである。
Apple Musicで探してみると、なんとハイレゾロスレスで配信されているじゃないか。

ってことで、今宵は、この作品を堪能していた。


20211227-1.jpg


"My Favorite Things"再生中に楽曲再生画面にしてみた。
中央下部にある”ハイレゾロスレス”にタッチすると解像度が表示される。


20211227-2.jpg


24bit/96kHzだ。

ボリュームをあげて目を閉じれば、リビングが礼拝堂に。
パイプ・オルガンが荘厳に響くのは当然だが、同じくらいテナーも荘厳に響いている。
バッハや聖歌とコルトレーンが交互に登場する1時間。
まさに至福の1時間である。
音楽を楽しんだ1時間なのだが、同時に音を、響きを楽しんだ1時間でもあった。
オーディオが好きな方は、ぜひお試しあれ。

YouTubeに演奏の様子がわかる動画があったので、貼り付けておこう。





配信を聴かないという方は、CDで聴くしかないのだが、オーディオ・マニアの追い込んだCD再生システムなら、凄い音で鳴るのかな?



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
ラベル:竹内直 岩崎良子
posted by 想也 at 00:04| Comment(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする