2025年01月20日

PearlのUSオリジナルは誰のカッティング?~一つの仮説

昨日1月19日はジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)の誕生日だったので、”Pearl”のUSオリジナル(Columbia KC 30322)を聴いていたのだが、そこで一つ思い出したことがあった。


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2年ちょっと前に、このレコードのマスタリング(カッティング)・エンジニアは誰なのか?ってことを問題にした下記の記事を書いたのだが、いまだにはっきりしてないなぁと・・・

https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-10-05.html


記事の最後で、「ダグ・サックス(Doug Sax)なーんてことはないのかしらん?」なんて妄想はしているが、送り溝の筆跡がまるで違うので、その可能性はないだろうな。

そこで、ふっと思い出したのが、この記事である。

https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-10-14.html

この記事を書いたときは、(記事中で"Pearl"のことにも触れているのに)何故だか思いつかなかったのだが、もしかして"Pearl"のマスタリングもジョージ・ホーン(George Horn)がやったんじゃ?

Discogsによると、彼がサンフランシスコにあるBill Putnam's Coast Recordersのチーフ・エンジニアになったのが1970年。
ところが、同年9月にはCoast Recordersはコロムビア・レコードに買収されて、1971年3月にはコロムビア・スタジオとしてオープンすることになる。
ポール・サイモン(Paul Simon)のアルバムをマスタリングしたときには、すでにコロムビア・スタジオのエンジニアということになっていたんだな。
それでも、Coast Recordersでは送り溝は手書きだったから、コロムビアに買収された後も、その流儀を通していたというところか。

”Pearl"の録音はハリウッドのSunset Sound Recordersで行われているから、そのまま西海岸のコロムビア・スタジオでマスタリングまで行われた可能性は高い。
リリースが1971年1月ということは、マスタリングが行われたのは1970年の暮れだろう。
まだコロムビア・スタジオとしてオープンはしていないとはいえ、すでにCoast Recordersは買収済みである。
ジョージ・ホーンにマスタリングさせた可能性は十分にある。

ジョージ・ホーン説、十分成り立ちそうである。

あとは筆跡が同一人物のものと判定できれば・・・


1972年リリースのポール・サイモンのセルフ・タイトル・アルバムの送り溝。


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”Pearl”の送り溝。


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うーん、これは微妙・・・
別人の筆跡と判定できるほど違ってはいないが、同一人物の筆跡と判定できるほどでもない。
ALや3や0といった同じ文字を比較する限り、同一人物の筆跡のようにも見えるのだが、さて、真相やいかに?
ラベル:JANIS JOPLIN
posted by 想也 at 21:28| Comment(0) | Janis Joplin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月19日

Big Brother & The Holding Company, Cheap ThrillsのUSオリジナル

1月19日は、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)の誕生日である。

ってことで、今年は、このレコードを聴いていた。


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ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー(Big Brother & The Holding Company)が1968年8月12日にリリースしたセカンド・アルバム"Cheap Thrill"のUSオリジナルである。
このレコードにはモノラル盤(Columbia KCL 2900)も存在するが、ボクはステレオ盤(Columbia KCS 9700)しか持っていない。

まぁ、あんまり良くできたステレオ・ミックスとも言えないので、モノラルが聴いてみたいなーとは思うのだが、さて、(価格も含めて)良い出会いがあるかなぁ?

それはそうと、さっき送り溝を見ていて、いやーなことを発見してしまった・・・

うちの盤のマトは、末尾1D/1Aなのだが、Side 1のマトがこの通りスタンプなのに対して・・・


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Side 2のマトは手書きなんである。


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Discogsを見ると、ピットマン工場プレス盤の登録のところに、マトがスタンプなのか手書きなのかが書かれている。
その登録情報とうちの盤の情報を合わせて考えると、どうやら、マト1A~1Cが手書きマトで、マト1D~1G(1H以降が存在するかは不明)がスタンプ・マトのようだ。

ってことは、やっぱり、1A~1Cが初回マトってことなのかな?
実際、うちの盤も、Side 1とSIde 2で音が違う。

2 EYEレーベルならファースト・プレスでいいと思ってたんだけどなー
ラベル:JANIS JOPLIN
posted by 想也 at 23:42| Comment(2) | Janis Joplin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月05日

ジャニスの命日~PearlのUSオリジナルは誰のカッティング?

10月4日は、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)の命日だった。
1日遅れになってしまったが、彼女のレコードを聴いて、偲ぶのである。


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命日に聴くなら、やっぱり、"Pearl"だよねぇ。
もちろん、USオリジナル(Columbia KC 30322)で聴くのだ。
マト2-C/2-Cのテレホート工場プレスだけどさ・・・
(これも一応ファースト・プレスのバリエーションの一つであることについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/archive/c2306330302-1 をご覧ください。)
それでも、素晴らしい音で鳴る。

そういや、このレコード、こんなに素晴らしい音で鳴るのに、誰のマスタリングかって話題になったことがなかったような・・・
ボクが知らないだけ?

レコード・ジャケットには、マスタリング・エンジニアのクレジットはない。
普通に考えれば、USコロンビアだし、コロンビア・スタジオでマスタリングされたんだろうってことになるのかもしれないが、そんな単純な話ではないと思う。


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このUSオリジナル、手書きマトだからである。
コロンビア・スタジオ・カッティングなら、マトは手書きではなくスタンプだろう。
やはり、マスタリング&カッティングは外部に委託したんじゃないだろうか?

外部委託だとして、1971年に、ジャケットにクレジットもなく、送り溝にサインなどの痕跡も残さず、しかし、素晴らしい仕事をしているマスタリング・エンジニアといえば・・・

ダグ・サックス(Doug Sax)?
なーんてことはないのかしらん?

妄想が過ぎたかな?
誰か何かご存知の方、ぜひ情報提供をお願いしますm(_ _)m

R.I.P.
ラベル:JANIS JOPLIN
posted by 想也 at 22:49| Comment(0) | Janis Joplin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする