ってことで、移行記念の投稿をするのである。
4日前の12月18日がキース(Keith Richards)の誕生日で、ここ数日、ストーンズ(The Rolling Stones)やキースのソロをいろいろ聴いていたので、その中から、今回は、このレコードのことを取り上げるとしよう。

1981年の北米ツアーの模様をおさめたライブ・アルバム"Still Life"のUSオリジナル(Rolling Stones Records COC 39113)である。
UKオリジナル(Rolling Stones Records CUN 39115)も持っているが、北米ツアーが録音されているんだから、US盤で聴かないとね。

(向かって右の汚いのがUKオリジナル、左の綺麗なのがUSオリジナル。)
それに、そもそも、このレコード、US盤がオリジナルである。
UK盤もインナースリーブにはボブ・ラディック(Bob Ludwig)のカッティングだと明記されている。

(UKオリジナルのインナースリーブは、ペラペラのUSオリジナルのインナースリーブと違って、厚紙でオリジナル感はある。)
しかし、実際はアビーロード・スタジオのニック・ウェブ(Nick Webb)のカッティングなのだ。

(UKオリジナルの送り溝には、ニック・ウェブのカッティングであることの証として、両面にNICKZと刻まれている。)
ラディックがカッティングしているUS盤の方がオリジナルだと言わざるをえない。

(USオリジナルの送り溝には、ラディックによるカッティングであることの証として、両面にMASTERDISK RLと刻まれている。)
高音質というわけではないが、ボブ・クリアマウンテン(Bob Clearmountain)の録音&ミックスに、ラディックのマスタリング&カッティングの分厚い音が、ライブの醍醐味を十分に伝えてくれる。
USオリジナルには、東海岸のSP工場プレスと西海岸のAR工場プレスがある。
どちらがオリジナルかと言えば、MASTERDISKカッティングだし、EDP(EUROPADISK)でメッキ処理が行われているから、東海岸のSP工場プレスの方ということになるかな?
うちのは西海岸のAR工場プレスなので、ちょっと残念。
でも、どうやらファースト・プレスっぽいので良しとしよう。
ファースト・プレスっぽいというのは、このレコード、SP工場プレスもAR工場プレスも、同じ特徴を持った二種類のレーベルがあって、前後関係がありそうなのだ。
この頃の北米におけるミック=キース曲のパブリシャーは、少なくとも"Sticky Fingers"以前の楽曲についてはABKCO Music Inc.であることが、1977年リリースのライブ盤"Love You Live"のパブリシャー表記で確認できる。
ところが、うちの盤のレーベルA面は、こんな表記なんである。

"All songs published by Colgems-EMI Music, ASCAP except..."てことは、ミック=キース楽曲は全部Colgems-EMI Music Inc.がパブリシャーってことになっているのだ。

違う、そうじゃない。
Colgems-EMI Music Inc.がパブリシャーなのは"Shattered"だけで、"Under My Thumb"と"Let's Spend The Night Together"のパブリシャーはABKCO Music Inc.のはずだ。
B面もこうだ。

やはり、ミック=キース楽曲は全部Colgems-EMI Music Inc.がパブリシャーってことになっている。

これまた、違う、そうじゃない。
"Let Me Go"と"Start Me Up"のパブリシャーはColgems-EMI Music Inc.でいいが、"Satisfaction"のパブリシャーはABKCO Music Inc.のはずなんである。
さっき言ったとおり、このミス・クレジットのレーベルは、SP工場プレスにも、AR工場プレスにもある。
そして、"Under My Thumb"、"Let's Spend The Night Together"、"Satisfaction"のパブリシャーがABKCO Musicと正しく表記されているレーベルもまた、SP工場プレスにも、AR工場プレスにも存在する。
これはやっぱりミスってる方が先だろう。
ってことで、うちのはファースト・プレスっぽいというわけだ。
このミス・クレジット盤がどのくらい出回ったのかは知らない。
でも、ストーンズだからねぇ。
すぐに気づいて修正したとしても、すでに相当な枚数が出回ってしまってたはずで、まったくレアではないと思うなー