2022年07月24日

ブルー・ノート高騰の波はついに音符レーベル再発まで・・・

<夕べ寝る前に書いたものに加筆修正しています。>
<VAN GELDER刻印なしの再発について、さらにちょっと追記しました。>

ブルー・ノート高騰の波が、オリジナルのみならず、Libertyレーベル再発あたりにまで押し寄せてきていることは認識していたが、ついに音符レーベル再発にまで及んできているらしい。

VAN GELDER刻印のあるものに限られるのだろうが、それにしたって、音符レーベル再発なら、昔なら1000~1500円で買えたよねぇ・・・

まぁ、そんなことがTLで話題になったので、数日前にカートリッジをベイシー・モデル搭載のShure V15 TypeⅢに付け替えたばかりということもあって、何か音符レーベル再発のレコードを一枚、聴くことにした。

ベイシー・モデル搭載のTypeⅢは、Liberty・UA・音符レーベル再発のレコードとも、とても相性が良いと思う。

で、なんとなく、このレコードを聴いていた。


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ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の"Adam's Apple"(Blue Note BST 84232)である。
(オリジナルは1966年リリースのNYレーベルなので、Libertyレーベル再発とUAレーベル再発が存在するとすれば、音符レーベル再発は4thプレスということになるだろうか。)

ちょっと前にマイルス(Miles Davis)の"Miles Smiles"で"Footprints"を聴いたのが、記憶に残っていたからだ。

"Miles Smiles"は、あまり名盤感のないジャケットだったが、"Adam's Apple"は、名盤オーラを放ちまくっている、すこぶるかっこいいジャケットである。

TypeⅢに焦点を合わせたボケ画像じゃ申し訳ないので、ちゃんと撮って載せておこう。


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このレコード、"Footprints"が名曲なのは言うまでもないが、全曲素晴らしい出来だと思う。
ショーターも素晴らしいが、ハンコック(Herbie Hancock)も素晴らしい演奏を聴かせてくれる。


ちなみに、TLで話題のきっかけになったディスク・ユニオンの『[オンプ・ラベル]高価買取リスト』(2022年10月31日まで有効)では、このレコードの買取価格は3500円である。
昨年のディスク・ユニオンの『[オンプ・ラベル]高価買取リスト』(2021年12月31日まで有効)の買取価格は2000円だ。
売価が買取価格の倍だとすると、この1年で売価は4000円から7000円に跳ね上がっていることになる。
(ディスク・ユニオンの買取リストは、どちらも、ググれば簡単に見つかります。)

ヤフオクで確認してみようと検索してみたら、"Adam's Apple"の音符レーベルの出品が4つひっかかった。
いずれも即決で出ている。
1つはサイン入りで28000円というものなので除くとして、残り3つのうち、最安値は税込4235 円だ。
これはディスク・ユニオンの買取価格よりちょっと高い程度なので、かなり良心的な価格設定か。

他の2つは、10800円即決と9800円即決である。
後者は、「RVG刻印無し」だというから、ちょっと意味不明だが・・・
いずれにせよ、ヤフオクでは、10000円ぐらいで売られててもおかしくないってことなのだろうか?
それは流石に・・・

それはそうと、ヤフオクで4アイテムの出品を発見して、黒い音符レーベルにも二種類あるのを思い出した。
以前、紙ジャケ探検隊がマリーナ・ショウ(Marlena Shaw)の"Who Is This Bitch, Anyway?"の初盤にからんでWEBサイトで報告していたことだが、あれって、もう10年くらい前だっけ?

レーベル上の音符ロゴの右下の文字が当初はTMだったのが、商標登録が済んでRになるってことなので、これは前後関係がはっきりしている。
うちのは、TM付きで、もちろんVAN GELDER刻印もある。

ヤフオクに出品されているのは、4235 円即決の方はR付きで、10800円即決の方はTM付きだ。
まぁ、この価格差は、レーベルの前後関係の差ではないだろうが(笑)

おもしろいのが、「RVG刻印無し」という出品物で、当然R付きのほうかと思いきや、TM付きなんである。
つまりは、すでにTM付き音符レーベルの時代にリカッティングは行われていて、VAN GELDER刻印のある盤とない盤が混在していたんだと思う。
その状態がそのままR付き音符レーベル時代まで続いていたんだろう。

※紙ジャケ探検隊から、LondonJazzCollector(下記)によると、Liberty再発の頃から西海岸プレスにはVAN GELDER刻印なしが多かったらしいよ、という情報をいただきました。
https://londonjazzcollector.wordpress.com/record-labels-guide/labelography-2/blue-note-liberty-years/
そういうことかー

音符レーベル再発盤も高騰しているので、これから何か買おうというときには、VAN GELDER刻印があるかどうかは、しっかりとチェックしないとね。
ラベル:Wayne Shorter
posted by 想也 at 12:37| Comment(0) | Rudy Van Gelder(RVG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月24日

Milt Jackson BLP 1509の謎

TLに誘われて、このレコードを引っ張り出して聴いた。


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ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)のBLP 1509である。
もっとも、うちにあるのはオリジナルではない。

そもそも、ブルー・ノートのオリジナルなんてそんなに持っていない。
ボクがジャズのレコードを集め始めた頃は、現在ほどとんでもない価格にはなってなかったとはいえ、それでもブルー・ノートのオリジナルといえばかなり高額だった。
どうしても欲しかったものは何とかオリジナルを手に入れたが、ほとんどはLIBERTYとかUAとかの再発を買っていた。

このレコードもLIBERTY再発である。


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LIBERTYやUAの再発でも、さらには♪レーベルの再発でも、送り溝にアレがあればいいんである。
そう、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)がカッティングしたことを示す刻印だ。

しかし、このレコードの場合、確かに刻印はあるのだが、ちょっと謎なのである。
なぜなら、この刻印だからだ。


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BLP 1509がリリースされたのは1955年だから、RVGは、まだこのスタンプの刻印は使用していない。
当時はRVGと手書きされていた。
つまり、このレコードも、オリジナルは手書きRVGのはずである。

ってことは、どこかの時点でなんらかの理由で、リカッティングが行われたのだ。
うちの盤、マトがA-1/B-2というのも、リカッティングが行われたことを如実に示している。
B面の数字が進んでいるのが問題なのではなく、そもそも、1500番台のオリジナルの場合、マトはA/Bで終っていて数字はつかない。

うちのLIBERTY再発は、オリジナルで使用されたラッカー由来のスタンパーではなく、リカッティングされたラッカー由来のスタンパーでプレスされたものであることは確実なのである。

では、いつ、どんな理由で、リカッティングが行われたんだろう?

Discogsを見ると、時期的には、NEW YORKレーベル時代にすでにA-1/B-2マトが登場している。
47 WEST 63rd NYCレーベル時代にはまだ登場してなさそうだ。

問題は、リカッティングした理由である。

リカッティングが必要なほど、つまり、最初にカッティングしたラッカー由来のスタンパーを使いきってしまうほど売れたんだろうか?
いやぁ、そんなことはないんじゃないかなぁ。

まったく売れなかったのなら、リカッティングもしないだろうから、それなりに売れてはいたんだと思うけど。
実際、Discogsを見ても、オリジナルのLexingtonレーベルから、47 WEST 63rd New York 23レーベルの盤、47 WEST 63rd NYCレーベルの盤、NEW YORKレーベルの盤が確認できる。
継続的に売れていたんである。
とはいえ、スタンパーを使い切るほど売れていたとも思えないのだが・・・

では、ほかにどんな理由が考えられるだろう?

このレコード、10インチでリリースされた"Wizard of Vibes"(Blue Note LP 5011)に収録されていた8曲に4曲を加えて再構成したもので、録音はRVGではない。

ジャケット裏に書いてあるように、BLP 1509のオリジナルからして、RVGのリマスターなのである。


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もしかして、最初のリマスタリングに、RVG自身、何か不満があったんだろうか?
いや、不満があったとしたら、ライオン(Alfred Lion)か?

もし、そうだとすると、オリジナルよりもNEW YORKレーベル以降のレイトの音ほうが、ライオンの望んだ音だということになる。

そうだといいなー(笑)


まぁ、でも、素直に考えれば、品質を考えて、一枚のラッカーから作るスタンパーを制限していたために、スタンパーが足りなくなったってところかなぁ。
そうだとすると、ジミー・スミス(Jimmy Smith)とか、ばんばんラッカー切ってそうだよね。


それにしても、いつか、手書きRVGのオリジナルと聴き比べてみたいのである。
自分でオリジナルを買うつもりはないけどさ(笑)
posted by 想也 at 01:06| Comment(0) | Rudy Van Gelder(RVG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

LIBERTYレーベルの真実~Herbie Hancock, Maiden Voyage

ハービー(Herbie Hancock)の『処女航海』スペシャル・パフォーマンス@東京JAZZ、実に美しい演奏で、素晴らしかったなぁ・・・
映像もとても美しくて良かったよね。


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さて、前の記事にも書いたように、うちにある"Maiden Voyage”はLIBERTYレーベルの再発ステレオ盤(BLUE NOTE BST 84195)である。


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画像にも映っているように、送り溝には、もちろんVAN GELDER刻印はあるが(UAレーベル再発の最初の頃まである)、耳マークはない。

前の記事にも書いたように、うちの盤はちょっと歪みっぽいので、そのうちオリジナルのモノ盤が欲しいなぁとは思っていたのだが、内容的にものすごく好きなのに、すぐにでも手に入れようと血眼になるようなことがなかったのには理由がある。

”Maiden Voyage”のオリジナルがNEW YORKレーベルなのはわかっていたが、BLUE NOTEがLIBERTYに売却されたのは1965年である。
”Maiden Voyage”も1965年のリリースだ(リリース日が不明なのだが、65年3月17日に録音されているので、65年中にリリースされたのは確実だと思う)。
つまり同じ年なのである。
ってことは、確かにNEW YORKレーベルがオリジナルではあるものの、すぐにLIBERTYレーベルに切り換わったとすると、セカンド・レーベルとはいえ、音質的には大差ないのではないかと思った。

しかも、うちのはステレオ盤である。
1965年~66年といえば、まだモノ盤が主流で、ステレオ盤のプレス枚数はそれほど多くなかったんじゃないかと思う。
だとすると、LIBERTYレーベル初期のステレオ盤は、音質的には「大差ない」どころか「ほとんど変わらない」可能性さえあると思った。

しかし、ボクはひとつ、大きな勘違いをしていた。
どうやら、NEW YORKレーベルからLIBERTYレーベルへの切り換えは、1965年にLIBERTY傘下に入ってすぐに行われたわけではないようなのである。

世間一般には1966年に切り換えが行われたように言われていたので、1966年初頭から切り換えられたと思い込んでいたのだが、初頭どころか66年中でさえなく、もしかしたら、67年になってからかもしれない。

小川隆夫さんの『ブルーノート・コレクターズ・ガイド』(初版)によると、NEW YORKレーベルは4253まで(と4256)で、4255から(4254は80年代までリリースされなかった)LIBERTYレーベルに切り換わったとされている(改訂版で修正されてたらごめんなさい)。


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実際、Discogsでも、(4256や4253や4251では確認できないが)4252や4250のNEW YORKレーベルの存在を確認することができる。
これらはいずれも1967年リリースである。
つまり、NEW YORKレーベルは、67年初頭まで使用されていたのだ。

ってことは、やっぱり、LIBERTYレーベルへの切り換えは、67年初頭だったんじゃないかと思うのである。

さて、では、うちのLIBERTYレーベルのステレオ盤はいつ頃のプレスだったのかというと、どうやら切り換わったばかりの頃のプレスのようだ。


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うちのは直輸入盤に解説を付けて国内販売されたもののようだが、LIBERTYのCSに掲載されているブルーノートのレコードは、4250のホレス・シルヴァー(Horace Silver)"The Jody Grind"までだからである。

66年初頭のプレスじゃないかという期待は木端微塵に砕け散ったが、67年初頭のLIBERTY切り換え時のプレスではありそうで、ちょっとほっとしている。

実際、M44-7で歪みなく再生すれば、LIBERTY再発盤とはいえ、うちの盤、ホント、素晴らしい音で鳴るんだよ。
ラベル:Herbie Hancock
posted by 想也 at 00:01| Comment(0) | Rudy Van Gelder(RVG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする