2025年01月29日

James Ingram, It's Your NightのUSオリジナル

今日1月29日は、ジェームス・イングラム(James Ingram)の命日だと、TLに教えてもらった。
もう亡くなってたのね・・・

彼のことは、名前はなんとなく知っていたが、つい先日までちゃんと聴いたことはなかった。
近所のハードオフやブックオフにぶらりと立ち寄ったときに、ソウル系の良さそうなアルバムのUSオリジナルを見つけたら買うようにしているのだが、昨年末のこと、1983年にリリースされた彼のデビュー・アルバム"It's Your Night"のUSオリジナル(Qwest Records 1-23970)を見つけた。
それで初めてちゃんと聴いたのだった。

命日だし、今宵はこのアルバムを聴くことにしよう。


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80年代ソウルのヒット・アルバムだから、そういう内容である。
聴いてると、なんとなく青春時代の甘酸っぱい思い出が蘇ってしまう(笑)

マスタリングはバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)で、インナースリーブにも明記されている。


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"Originally Mastered"だから、レイトになると、BGカッティングではないものもあるのかもしれないが、うちの盤は間違いなくBGカッティングである。


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”5”をひっくり返したような”2”といい、”る”に見える”3”といい、間違いなくBGの筆跡だ。

良い音である。


R.I.P.
ラベル:James Ingram
posted by 想也 at 23:45| Comment(0) | Bernie Grundman(BG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月13日

Phoebe Snow, Phoebe SnowのUSオリジナル

紙ジャケ探検隊(真保安一郎氏と書くより、こっちの方がシックリくるので、このブログではこれまでどおりでいきます。)の言うとおり、曲良し、演奏良し、音質良し、と三拍子揃った名盤なので、今宵もこのレコードを聴いている。


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フィービ・スノウ(Phoebe Snow)が1974年にリリースしたファースト・アルバムのUSオリジナル(Shelter Records SR 2109)である。
探検隊からアメリカ土産にもらった正真正銘の初盤だ。

前の記事と同じ写真ではつまらないので、今日はAudio TechnicaのカートリッジAT33MLを主役にして撮ってみた。
先週末に突如思い立って付け替えたのだが、AT33MLを使うのって3年ぶりぐらいじゃないだろうか。


さて、このレコード、究極の鮮度感を味わいたいのなら、『初盤道』183頁以下を参考に正真正銘の初盤を探す必要があるが、まぁ、そこまでこだわらなくても、十分に良い音で楽しめる。

クレジットはなく、確証までは得られない筆跡鑑定によるものなので、『初盤道』では言及されていないが、このレコードのカッティングはバーニー・グラインドマン(Bernie Grundman)の仕事だと思う。


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筆跡全体からもBGらしい筆跡だという印象を受けるが、B面のマトの冒頭の”5”をひっくり返したような”2”は彼の筆跡に間違いないだろう。

BGの素晴らしい仕事を、AT33MLが、MCらしく繊細に表現してくれる。
そして、フィービはやっぱり最高だと実感するのである。
ラベル:Phoebe Snow
posted by 想也 at 22:23| Comment(0) | Bernie Grundman(BG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月06日

エレクトラの赤の不思議(続報)~Judy Collins, Hard Times for LoversのUSオリジナルを聴きながら

エレクトラ(Elektra Records)のバタフライ・レーベルからレッド・レーベルへの変遷の詳細について、昨日の記事で、「もうちょっとちゃんと調べてみないといけない」と書いだが、書いたときには、「まぁ、そのうち、ボチボチ調べよう」という程度の気持だった。
その程度の気持だったのは何故かといえば、問題になる時期のエレクトラのレコードってあんまり持ってないからである。

ってことは、「まぁ、そのうち、ボチボチ調べよう」なんてスタンスだと、結局、調べないまま終わるだろうな。
まぁ、後は紙ジャケ探検隊に丸投げというのもアリか。

そう思ったのだが、GWのせいか、なんだか急にやる気が出てしまって、Discogs登録の地引網調査なんぞをやってしまった(笑)
とりあえず、6E128のカーリー・サイモン(Carly Simon)から6E209のピンク・レディー(Pink Lady)まで、US盤の登録画像を全部チェックして、工場ごとにどのレーベルが使用されているかをリスト化した。

時期については微妙な部分はあるが、仮説は概ね裏付けられたんじゃないかと思う。

SPプレス、PRCプレス、PRC-Wプレスの全工場でバタフライ・レーベルが使用されていたのは、6E151のキャロル・ベイヤー・セイガー(Carole Bayer Sager)、6E153のコリエル/キャスリン(Coryell/Catherine)、6E156のスウィートボトム(Sweetbottom)あたりまでだ。
発売日がわかったのはキャロル・ベイヤー・セイガーぐらいで、1978年8月15日だった。

PRC-Wプレスのみレッド・レーベルに変わるのは、6E152のアクエリアン・ドリーム(Aquarian Dream)、6E154のオレゴン(Oregon)あたりからだ。
アクエリアン・ドリームの発売日はわからなかったが、オレゴンは1978年9月のようだ(Wikiは1978年4月になっているが、どう考えても間違い)。

PRCまでレッド・レーベルに変わるのは、前の記事でとりあげた6E160のパトリース・ラッシェン(Patrice Rushen)からなのだが、実は、1978年中にリリースされたと思われる6E164のレニー・ホワイト(Lenny White)までは、PRC-Wプレスのみレッド・レーベルで、PRCプレスはバタフライ・レーベルだ。
6E166のクイーン(Queen)はカスタム・レーベルだし、6E167のジルベルト・ジル(Gilberto Gil)はPRCプレスのレーベル登録がなかったので、確実に言えるのは6E168のマーク・タナ―・バンド(The Marc Tanner Band)からだが、PRCプレスもレッド・レーベルになる。
そういったところから考えると、パトリース・ラッシェンの発売日は、案外、10月15日ではなく、12月ぐらいだったのかもしれない。
そうだとすると、PRCまでレッド・レーベルに変わるのは1978年の年末ということで、そのほうが辻褄が合いそうな気がする。

SPプレスまでレッド・レーベルに変わるのは、6E205のアクエリアン・ドリームからで、これ以降は、どの工場もレッド・レーベルだ。
6E205で、SPプレスのWLPが、バタフライ・レーベル・デザインからレッド・レーベル・デザインに変わるので、間違いない。
ピンク・レディーの発売日が1979年6月1日だから、レコード番号順に発売されるとも限らないし、1979年初夏ぐらいと考えておけばいいということになる。

ひとつ、まったく新しい発見があったのだが、実は、PRC-WプレスのWLPは、最初からずっとレッド・レーベルのデザインのホワイト・レーベルなんである。
つまり、PRC-WプレスのWLPには、バタフライ・デザインのホワイト・レーベルが使用されたものは存在しない。
通常盤は、6E156のスウィートボトムまでバタフライ・レーベルなのだが、WLPは、レッド・レーベルのデザインのホワイト・レーベルだということだ。

どういう風に確認したかを説明しておこう。

6E112のクイーン(1977年10月28日リリース)まではサンタマリア・プレスのWLPが存在する一方でPRC-WプレスのWLPは存在せず、6E113のジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)(1977年12月6日リリース)からは、逆にサンタマリア・プレスのWLPは存在しない一方でPRC-WプレスのWLPが存在するので、エレクトラ/アサイラムの西部のメイン工場が、この時点でサンタマリアからPRC-Wに変わったことがわかる。

で、それにもっとも近いエレクトラの盤は6E119のディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)なので、そのWLPを確認すると、PRC-WプレスのWLPでも、レッド・レーベルのデザインのホワイト・レーベルが使用されているのである。

以上の調査結果をまとめれば、次のようになる。

1 PRC-Wが西部のメイン工場となった1977年12月時点で、WLPはすでにレッド・レーベル・デザインが使用されていたが、通常レーベルは、SPプレス、PRCプレス、PRC-Wプレス、すべてバタフライ・レーベルだった。
2 1978年9月頃からPRC-Wプレスのみレッド・レーベルに変わる。
3 1978年12月頃からPRCプレスもレッド・レーベルに変わる。
4 1979年6月頃にはSPプレスもレッド・レーベルに変わり、レーベル・デザインの移行が完了する。

いやぁ、地引網的に大量の画像をチェックしたが、テレヴィジョン(Television)とカーズ(The Cars)をのぞけば、持っているのは、6E171のジュディ・コリンズ(Judy Collins)と6E192のリー・リトナー(Lee Ritenour)ぐらいである。
リー・リトナーの方は以前記事にしたことがあるので(https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-01-22 今回の記事に合わせて少し修正しました。)、ジュディの方を聴きながら、この記事を書いている。


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うちのはSPプレスのバタフライ・レーベルなのだが、1979年2月リリースなので、すでに、PRC-Wプレスだけでなく、PRCプレスも、レッド・レーベルが初回である。
しかも、このレコード、カリフォルニア録音で、マスタリング&カッティングもA&Mスタジオでバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)が行っているから、PRC-Wプレスのほうがオリジナルなんじゃないかという気がしないでもない。
と思ったら、これの西部プレスのWLPってアライド(Allied Record Company)・プレスなのね・・・
まだ、本格的にアライドには移行してない段階だと思うのだが、不思議だ。
いずれにせよ、見つけたら買ってみよう。

それはともかく、昔は、「レッドはレイトで、初回はバタフライだろー」って信じて疑ってなかったんだけどなー

でも、そんなことに関係なく、ジュディには癒されるよね。
"Desperado"もやってるしさ。
ラベル:Judy Collins
posted by 想也 at 22:50| Comment(10) | Bernie Grundman(BG)の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする