<レーベルによるプレス時期の特定に関する記述を追加しました。>(2025年9月5日)シン・リジィ(Thin Lizzy)が1971年にセルフタイトルでリリースしたファースト・アルバムのUKオリジナルは、ここ5年くらい、ボクのウォントリストの上位を占めていたのだが、なかなか良い出逢いがなかった。
すでにバカ高くなっているラミネート・コーティング・ジャケット盤を手に入れたいと思っていたわけではない。
確かにあれが初盤の可能性もあるのだが、ちょっと高すぎである。
ボクには手が出ない。
通常ジャケット盤でいいのだが、それでもそこそこの価格になっている。
そこそこの価格で買うのなら、初盤とまでは言わなくても、できるだけアーリー・プレスのものが欲しい。
しかし、このレコード、マトはずっと3D/3Dで進まない。
昔は、こういうとき、オークションの出品者にスタンパーを聴きまくったりしたのだが、見間違いとかがあってもめたりするのも面倒なので、最近は、もっぱら画像で判断して入札するようになった。
この頃のDeccaの場合、画像判断の際に手がかりになるのは、まずレーベルのⓅの配置である。このⓅの配置は、1972年6月頃に、ボトム(レーベル最下部)から中央右の品番の上に変更されたからである。
うちの盤のⓅ1971は、ちゃんとボトムにある。つまり、1972年6月頃までにプレスされたものであることがわかる。しかし、1972年6月では、リリースからすでに1年以上経っている。「Ⓟ1971が中央右の品番の上なら初盤ではない」とは言えても、「Ⓟ1971がボトムにあれば初盤である」とまでは言えない。そこで頼るのが、DeccaのCSだ。
まぁ、CSは入れ替えられてる可能性もあるので、決定打にはならないのだが、他に決定打がない場合には頼らざるを得ないじゃないか。
シン・リジィのファーストがリリースされた1971年だと、DeccaのCSは、これである。
1970年から使用されたものなので、便宜上70年CSと呼ぶことにしよう。

こっちのCSは、72年頃から使用されたものだ。
こちらは、便宜上72年CSと呼ぶことにしたい。

下記WEBサイトを見ると、70年CSも、74年まで使用されたことになっている。
https://www.stonesondecca.com/basic-lp-info/decca-inner-bagsもしホントに74年まで使用されたのだとすると、アーリー・プレスを見分ける手がかりにはならない。
しかし、上記WEBサイトをよく見てみると、STEREO盤用の青い方については、「自分のコレクションでもっともレイトなものは10-71だ」とある。
ボクのコレクションでも、もっともレイトなものは10-71だ。
MONO盤用のピンクの方は、12-72と印刷されたものの画像が掲載されているので、72年CSの使用が始まった時点(上記WEBサイトが確認しているものとしては4-72が一番早い)でも、なお使用されていたことは間違いなさそうだが(74年製造のものまで存在するという情報提供もあったらしく、それで74年まで使用ということになっているようだ)、そのことは、STEREO盤用の70年CSも74年まで使用されたということを、直ちに意味するわけではないだろう。
STEREO盤用の方は、72年には、70年CSから72年CSに完全に切り替わったという可能性だってある。
確かに、70年CSは製造年月が印刷されていないことも多いので断定はできないのだが、さしあたり、10-71のものまでしか見つかっていないようだし、STEREO盤用CSについては、そのあたりで70年CSから72年CSに完全に切り替わったんじゃないだろうか。
そう考えて、70年CS付きを探していたのである。
で、つい先日、手に入れた。

マトはもちろん3D/3Dだが、スタンパーは1H/1Aと一桁だった。
初盤と断定することまではできないにせよ、一桁スタンパーなら、十分にアーリー・プレスだろう。
70年CSに製造年月が印刷されていれば、さらに情況証拠が増えたのだが、残念ながら印刷されていなかった。
まぁ、でも、アーリー・プレスなことは間違いないと思うのである。
それにしても、このレコード、ホント、生々しい音で鳴るよね。
ボクは、とても満足しているのである。