2023年01月04日

Vagabonds of the Western WorldのUKオリジナル

コロナの方は、今朝、抗原検査をやってみて陽性だったので、発症確定である。

ゆうべから37度くらいの微熱があった(平熱が36度くらいなので1度くらい高い)が、熱っぽい感じがおさまってきた気がしたのでさっき測ってみたら36度7分だった。
熱はこのまま下がってくれるとありがたい。

喉の痛みと上腕部の筋肉痛のような痛みは、ほとんどなくなってきた。
そのかわりに、咳が出るようになった。
なんだか症状がめまぐるしく変わる。


さて、今日は、フィル・ライノット(Phil Lynott)の命日である。

なんとなく、このレコードをターンテーブルに載せた。


20230104-01.jpg


シン・リジー(Thin Lizzy)が1973年にリリースしたサード・アルバム"Vagabonds of the Western World"のUKオリジナル(Decca SKL 5170)である。

そういや、これ、うちのはインサートが欠品だったんだよなー
半端なコレクターなので、インサートやインナースリーブの欠品て案外平気だったりするのだが、シン・リジーだからなー
完品にしたいな。

そんなことを思いつつ送り溝を見たら、マト3W/3Wは当然として(5Wが混じったものがあるのだが、それがレイトなのか最初からあったのかは知らない。)、マザー/スタンパーが2B I/1 Kだった。
これはかなり若いんじゃない?
道理で、ピチピチの鮮度抜群の音がするわけだ(笑)
インサートの欠品なんて小さなことに思えてきたぞ(それでいいのか?)

ところで、Discogsを見ると、Side 2のB1のタイトル曲の曲名が"VAGABONDS"のところを"VAGARBONDS"としている(Rが余分に入っている)レーベルが存在する。
こういうスペルミスって、それがファースト・プレスってこともあるのだが、これはどうなんだろ?
Discogsにはマザー/スタンパーの登録もないし、ちょっと気になるのである。
単なるプレス工場違いの気はするんだけどね。

R.I.P.
ラベル:Thin Lizzy
posted by 想也 at 22:12| Comment(2) | Thin Lizzy | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月09日

DeccaのCSとThin LizzyファーストのUKオリジナル・アーリー・プレス

シン・リジィ(Thin Lizzy)が1971年にセルフタイトルでリリースしたファースト・アルバムのUKオリジナルは、ここ5年くらい、ボクのウォントリストの上位を占めていたのだが、なかなか良い出逢いがなかった。

すでにバカ高くなっているラミネート・コーティング・ジャケット盤を手に入れたいと思っていたわけではない。
確かにあれが初盤の可能性もあるのだが、ちょっと高すぎである。
ボクには手が出ない。

通常ジャケット盤でいいのだが、それでもそこそこの価格になっている。
そこそこの価格で買うのなら、初盤とまでは言わなくても、できるだけアーリー・プレスのものが欲しい。

しかし、このレコード、マトはずっと3D/3Dで進まない。
昔は、こういうとき、オークションの出品者にスタンパーを聴きまくったりしたのだが、見間違いとかがあってもめたりするのも面倒なので、最近は、もっぱら画像で判断して入札するようになった。

このレコードの場合、画像判断の際に手がかりになるのは、DeccaのCSだ。
まぁ、CSは入れ替えられてる可能性もあるので、決定打にはならないのだが、他に決定打がない場合には頼らざるを得ないじゃないか。

シン・リジィのファーストがリリースされた1971年だと、DeccaのCSは、これである。
1970年から使用されたものなので、便宜上70年CSと呼ぶことにしよう。


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こっちのCSは、72年頃から使用されたものだ。
こちらは、便宜上72年CSと呼ぶことにしたい。


20220909-3.jpg


下記WEBサイトを見ると、70年CSも、74年まで使用されたことになっている。

https://www.stonesondecca.com/basic-lp-info/decca-inner-bags

もしホントに74年まで使用されたのだとすると、アーリー・プレスを見分ける手がかりにはならない。

しかし、上記WEBサイトをよく見てみると、STEREO盤用の青い方については、「自分のコレクションでもっともレイトなものは10-71だ」とある。
ボクのコレクションでも、もっともレイトなものは10-71だ。

MONO盤用のピンクの方は、12-72と印刷されたものの画像が掲載されているので、72年CSの使用が始まった時点(上記WEBサイトが確認しているものとしては4-72が一番早い)でも、なお使用されていたことは間違いなさそうだが(74年製造のものまで存在するという情報提供もあったらしく、それで74年まで使用ということになっているようだ)、そのことは、STEREO盤用の70年CSも74年まで使用されたということを、直ちに意味するわけではないだろう。
STEREO盤用の方は、72年には、70年CSから72年CSに完全に切り替わったという可能性だってある。

確かに、70年CSは製造年月が印刷されていないことも多いので断定はできないのだが、さしあたり、10-71のものまでしか見つかっていないようだし、STEREO盤用CSについては、そのあたりで70年CSから72年CSに完全に切り替わったんじゃないだろうか。

そう考えて、70年CS付きを探していたのである。
で、つい先日、手に入れた。


20220909-1.jpg


マトはもちろん3D/3Dだが、スタンパーは1H/1Aと一桁だった。
初盤と断定することまではできないにせよ、一桁スタンパーなら、十分にアーリー・プレスだろう。
70年CSに製造年月が印刷されていれば、さらに情況証拠が増えたのだが、残念ながら印刷されていなかった。

まぁ、でも、アーリー・プレスなことは間違いないと思うのである。

それにしても、このレコード、ホント、生々しい音で鳴るよね。
ボクは、とても満足しているのである。
ラベル:Thin Lizzy
posted by 想也 at 23:28| Comment(0) | Thin Lizzy | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月22日

ウソを見破れ~Thin Lizzy, FightingのUKオリジナル

さて、考レコ学クイズ13の解答編である。

ウソに関連のある画像は次の二つだ。


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リム沿いが凸になっている特徴的なレーベル形状から、このレコードがフォノディスク(Phonodisc Ltd.)でプレスされたものであることがわかる。
しかし、それは、フォノディスクでカッティングされたことを意味しない。

フォノディスクは、外部のマスタリング・スタジオでカッティングされた盤をプレスすることが多いが、その場合には、マトの後に、どこでカッティングされたものであるかを、それぞれ特定の記号で刻印する。
二番目の画像で、マトの後に、Tと刻印されていることがわかるが、このTはトライデント・スタジオ(Trident Studios)を意味している。
つまり、このレコードは、トライデント・カッティングなのである。

誰がカッティングしたのかもわかる。
Side 2にこんなサインがあるからだ。


20220820-6.jpg


"RAZEL"というのは、当時トライデントのエンジニアだったレイ・スタッフ(Ray Staff)が使っていた別名だ(レイさん、"RAYS"というサインを使うことが多いが、別名を使うのも好きだったようで、"RASIN"だの"RASPUTIN"だの"RAZEL"だのいろいろ別名がある)。
間違いなく、このレコードは、トライデント・カッティングだ。

ってことで、最初の画像の下の段の真ん中辺りにある"Cut at Phonodisc"がウソなのだ。


では、どうしてこんなことが起こったんだろう?

おそらく、最初はフォノディスクでカッティングが行われたのだろう。
ところが、満足できる仕上がりにならなかった。
そこで、急遽トライデントに依頼することになった。
そんなところじゃないかと思う。

"Fighting"のUKオリジナルのマトは、一番若くてもA4 / B4(送り溝に刻印されているのは、1Y//4 / 2Y//4だが、わかりやすさを優先させて、A4 /B4と表記する。)である。
A4 / B5、A5 / B4、A5 / B5といったバリエーションがあるが、いずれも初回マトだと思う。

というのも、うちの盤は、マトA4 / B5なのだが、スタンパーが1 1 3 / 1 1 2と非常に若く、しかも、あまり番号が離れていない。
これは、マト4とマト5がどちらも初回プレス時から使用されていたことを推測させる。

それはともかく、いずれにせよ、マト3まではボツになったわけで、それがフォノディスクでのカッティングだったんじゃないかと思うのである。

つまり、当初はフォノディスクでカッティングの予定だったので、ジャケットにはそのようにクレジットされたが、結果的には、トライデントでカッティングすることになったので、ジャケットにウソの表記をすることになってしまったと、そういうことなんじゃないかと思うのだ。


では、トライデント・カッティングで最終的には素晴らしい音に仕上がったのかといえば、ボクにはそうは思えない。
もともと、UK盤の場合、中低域が分厚いかわりにいまひとつヌケが良くないものがあったりするが、このレコードの音は、B面はともかく、A面(うちのはマト4)については度を越している。
アンプのトレブルを最大にあげて、ようやくまともな音になる感じだ。

まさか、うちの盤だけが変なわけじゃないよねぇ?
ラベル:Thin Lizzy PHIL LYNOTT
posted by 想也 at 00:01| Comment(3) | Thin Lizzy | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする