2025年01月13日

納得いかない~Led Zeppelin IIIのUKオリジナル

<書き忘れていたことがあったので、追記しました。>(2025年1月15日)

1月9日のこと、ジミー・ペイジ(Jimmy Page)の誕生日のお祝いに何を聴こうか考えていて、スケベ心が顔を出した(笑)

まだ取り上げたことのないレコードを引っ張り出して、何かネタを見つけようと思ったのである。

それで、このレコードを引っ張り出した。


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アメリカでは1970年10月5日、イギリスでは10月21日にリリースされた、ツェッペリン(Led Zeppelin)のサード・アルバムである。

引っ張り出したレコードは合計7枚。
UK盤(Red/Maroon)2枚、US盤(Broadwayアドレス)3枚(工場はPR、SP、MO)に、日本盤(日本グラモフォン盤)とClassic Records盤だ。

とりあえず、UK盤を聴いてみた。


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オリジナルはUS盤かもしれないが(まぁ、レーベルにも、"Under license from Atlantic Recording Corpn., U.S.A.って書いてあるしね。)、ボクは圧倒的にUK盤の音が好きなんである。

聴きながらDiscogsを見てみたら、ファースト・プレスには次の4つの特徴があると書いてある(意味がわかるように書き直してます)。
1 レーベル上のレコード番号表記が2401002で、2401と002の間にハイフンがないどころかスペースもないこと。
2 レーベル上部にProduced by Jimmy PageとExecutive Producer: Peter Grantが二行にわたって太字でクレジットされていること。
3 レーベル下部のパブリシャー表記がWarner Bros. Music Ltd.で、最後にLtd.が付いていること。
4 マトの末尾がA5/B5であること。

ぜ~んぜん納得できないのである。

この時期のUKポリドールには、ツェッペリンだけでなくイエスなんかでも、実にいろいろなレーベル・バリエーションが存在する。
もちろん前後関係のあるバリエーションもあるが、すべてを前後関係で説明するのは、どう考えても無理があると思う。
やはり、複数の工場でプレスされていて、それぞれでミス・クレジット等があり、修正が行われたと考えたほうが、うまく説明できるんじゃないだろうか。

実際うちにある2枚は、界隈ではテカ・レーベル(光沢のあるテカっとしたレーベル)と呼ばれているものとヌメ・レーベル(光沢のないヌメっとしたレーベル)と呼ばれているものだが、A3のクレジットが、ヌメ・レーベルの方は、"CELEBRATION"とミスっている(”DAY”が抜けている)。


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このテカとヌメは、工場違いだと思う。
で、ファースト・プレスの特徴だとされている上記の特徴のあるレーベルは、うちのテカとヌメとはまた別の工場のものなんじゃないかと推測する。

まぁ、あんまり決定的根拠とも言えないのだが、うちの盤は二枚とも同じ汎用インナースリーブに入っていて、どちらも右下隅に1070と印刷されていたからである(その前の42という数字は、一方にはない)。


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これはやはり70年10月だろう。
発売当月製のインナースリーブなわけだから、初期プレスには違いないと思うのである。

考えてみてほしい。
2401と002の間のハイフンなんて、スペースで代用可能なものだから(実際、内ジャケットではスペースだ。)、わざわざ修正する必要はないだろう。
Ltd.については、付いてるのが正式だから、わざわざ削除することの方が考えにくい。
Executive Producer: Peter Grantだって、ジャケットにはずっと印刷されているものだから、削除する必要が生じたとも考えられない。
それどころか、1972年の再発(K 50002)では、再びレーベル上に明記されているのである。
削除の必要なんてなかったんである。

つまり、Discogsでファースト・プレスのレーベルの特徴とされているものは、どれもこれも、一工場の(もしかしたら、初期プレスでもない)レーベルの特徴にすぎないんじゃないかと思うのである。

さらに言えば、マトもA5/B5だけではなく、他のバリエーションのも最初からあったんじゃないかと思う。
うちのは、一枚はA5/B5だが、もう一枚はA5/B7である。
でも、どちらも、同じ日付のインナースリーブに入っていたので、ボクは初期プレスだと考えている。

UKオリジナルのファースト・プレスを特定するなら、工場ごとに丹念に調べ上げないといけないんじゃないかなー

そんなわけで、うちのは二枚とも、ファースト・プレスだとボクは信じているのである(信じる者は救われる~ 笑)。

<追記>ジャケットのこと
ラベル:Led Zeppelin
posted by 想也 at 00:03| Comment(2) | Led Zeppelin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月09日

20年目に明かす真実~ファーストのUKオリジナル

1月9日はジミー・ペイジ(Jimmy Page)の誕生日である。

今年は、うちで一番音が良いレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のファースト・アルバムを聴くことにしよう。


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リリースはUSが先行で1969年1月12日、UKでは2カ月半ほど後の3月31日にリリースされたので、オリジナルはUS盤といったほうがいいのかもしれないが、このアルバムについては、ボクはUK盤の音の方が好きだ。

そんなわけで、これはUKオリジナル(Atlantic 588171)である。

「一番音が良いっていうからターコイズかと思ったのに違うのかよ。」と思った貴方、ターコイズはある意味限定ジャケットなので、確かにターコイズならファースト・プレスと言えるだろうが、ターコイズでなければファースト・プレスではないとも言えない。
Discogsでも、オレンジのファースト・プレスの存在を認めている。

もっとも、うちにあるのは、Discogsではセカンド・プレス扱いされているものなのだが、Discogsにはまったく登録されていない際立った特徴を持っている。

実は、このレコード、ファースト・プレスと言われているターコイズ・ジャケットに入ったSuperhype Musicレーベル盤と聴き比べたことがあるのだが、少なくともボクの耳には、このレコードの方が良い音に聴こえた。

紙ジャケ探検隊のWEBサイトにある「比較検証:レッド・ツェッペリンPART2 その1」という2003年の記事の中で、「今回何枚か聴き比べたが、refugeeさんがお持ちのWarner修正あり1/1のB面がけっこう音がたっていてラウドだった。」という記述があるが、このrefugeeというのはボクのことで、つまりは、このときに、探検隊が持っていたターコイズ盤等と聴き比べたんである。

探検隊的には、必ずしもラウドだから良いというわけでもないということで、全面的にうちの盤の方が音が良いと思ったわけではないようだが、ボクにはうちの盤が断然良い音に聴こえた。
まぁ、単なる主観なのだが、そうすると、もう、価格が10倍とかするターコイズを買おうという気が起きなくなってしまったんだよねぇ・・・

それに、うちの盤には、さっきもちょっと触れたのだが、際立った特徴があるのだ。
この特徴のことは、20年前にはまったく気づいていなかった。
気づいたのは数年前のことだ。
その特徴のことを、探検隊の記事から20年目の新年に、明らかにしようというわけだ。
ジミーの誕生日に相応しい話じゃないか(そうか? 笑)

ジャケットは、さきほどの写真でわかる通り、オレンジ文字である。
オレンジ文字ジャケットにも二種類あって、初期には、ボトムにグレーのストライプが入ったものがあるのだが、うちのはそれだ。


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ただ、レーベルのパブリシャーはWarner Bros. / 7 Arts.で、一行クレジットのものだ。


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Discogsではセカンド・プレス扱いのレーベルである。

もっとも、Superhype Musicがミス・クレジットだとすると、修正の入った時期によっては、工場違いでどちらも同時にプレスされていた可能性もあり、Warner Bros. / 7 Arts.だからセカンド・プレスとも限らないような気もするのだが、まあ、それはどっちでもいいや(笑)
Superhype Music→Warner Bros. / 7 Arts.→Superhype Musicと変遷したこと自体は間違いないと思うし。

さて、問題の際立った特徴である。


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588の最後の8が修正された(これはマザーの段階で、いったん7と修正し、さらに修正して8にもどしたと考えられる。)マトだが、これは一般に修正マトと呼ばれるもので、特に際立った特徴ではない。


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マトの次にあるのはマスター段階で刻印される凸の数字で通常1だし、その後のマザーを示す凹の数字が2というのも、ごく普通である。


問題はその後だ。

確認のために動画で見てもらおう。





確認していただけただろうか?

そう、スタンパー・ナンバーが存在しないんである。

同じようにスタンパー・ナンバーが存在しない盤の登録があるかとDiscogsの登録を片っ端から見てみたのだが、見つからなかった。

これで、レーベルがテクスチャーだったりすると、「Orlakeプレスか?」って思うのだが、このレーベル形状でOrlakeプレスの可能性はないだろう。


Side 2も同じである。


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修正マトだが、これと同じ修正がされてるものを持ってる人がいたら教えてほしい。

なぜなら、このマトのマザーは、こうなってるんである。


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凸の1の後は、凹の01なんである。
写真だと凸っぽく見えるが、ルーペで確認したところ、間違いなく、凹で01だった。
01なんてマザー・ナンバー、これ以外に見たことがないぞ。
そして、Side 2もやはり、この後にスタンパー・ナンバーは存在しないんである。

これは、やっぱり、Orlakeのようにスタンパーを刻印しないプレス工場に委託されたものなんだろうか?
それとも、スタンパー・ナンバーを刻印しない、特別なスタンパーによるプレスなんだろうか?
って、それがどんなもんか、まったく想像もつかないんだけどさ。

やっぱり、うちには変な盤が集まるのかな?(笑)
ラベル:Led Zeppelin
posted by 想也 at 21:50| Comment(6) | Led Zeppelin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月26日

CodaのUS盤

9月25日は、ボンゾ(John Bonham)の命日である。
やっぱり、ドラム・ソロが入っているアルバムが聴きたいよね。
すぐに思い浮かぶのは、"Led Zeppelin II"収録の"Moby Dick"と”Coda"収録の"Bonzo's Montreux"だけど、命日には”Coda”かな。

"Coda"については、以前、日本盤の見本盤のことを話題にしたことがあるが、下記二番目の記事でも書いているように日本盤も輸入ラッカー使用なので、音は決して悪くない。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-10-10

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-10-13

しかし、比べてみると、やはりUS盤の方が音が良いので、今宵はUS盤(Swan Song 90051-1)を聴くのである。


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日本盤よりも、前後左右上下に音空間が広がる。
特におなかにずしんと響くような低域の沈み方は、実にボク好みだ。
音のキレも、US盤のほうがずっと鋭い。

そりゃ、そうだ。
US盤は、当時トライデント・スタジオ(Trident Studios)にいたレイ・スタッフ(Ray Staff)のカッティングである。
うちのはマトB/C(工場は西海岸のAR)のせいか、Side 1にしかないが、RAYSというサインも確認できる。


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日本盤は、上記二番目の記事で妄想を爆発させた通り、輸入ラッカー使用ではあるものの、スタッフのカッティングではなさそうだ。

ってことで、日本盤よりもUS盤の方が音が良いことは確かなのだが、スタッフのカッティングなら、UK盤はさらに上の可能性もある。
ちなみに、UK盤(正確にはUK&EU共通盤)には、UKプレスとドイツ・プレスがあるが、どちらもスタッフのカッティングだ。
プレス品質とか考えるとドイツ・プレスが一番音が良いかもしれない。

さしあたり、US盤の音にもまったく不満はないので、必死に探す気はないが、どこかで良い出会いがあるといいなー

R.I.P.
ラベル:Led Zeppelin
posted by 想也 at 00:03| Comment(0) | Led Zeppelin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする