2021年09月18日

トパーズ色の街

大久保一久さんの曲でボクが一番好きなのが『トパーズ色の街』だ。

ちょうどいまの季節にピッタリということもあって、昨夜は、『海風』の繰り返し再生から、そのうち『トパーズ色の街』にだけ繰り返し針を下ろしていた。

一曲にだけ繰り返し針を下ろすのはかなり面倒なのだが、その面倒さも追悼の儀式めいていて、苦にはならなかった。


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「トパーズ色」という表現が、キラキラした夏の名残を少しだけ含みながら、紫外線が弱まって淡くなった陽の光に照らされた感じを、とてもうまく表していて、夏と秋が交差する季節のどこか切なさを漂わせた街並みが、自ずと思い浮かぶよね。


     ♪ 今ではトパーズ色の街が
     ♪ 誰かを淋しくさせてしまう


夏の出来事が思い出になってしまった人は、みんな「誰か」なわけで、当然「僕」も淋しくさせられてしまうんだな。


     ♪ 秋だと云うのに街は
     ♪ いまだ夏のかおりを残しているから
     ♪ 僕はあの娘思い出してしまうのさ


大して記憶に残らないひと夏の恋もあれば、永遠に忘れられない夏の出来事もある。

ボクにも、夏の終りの忘れられない出来事が、なんだか蘇ってきてしまったよ。
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posted by 想也 at 00:23| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月17日

海風

大久保一久さんが亡くなった。
9月12日のことらしい。

大久保さんの訃報に接して伊勢正三さんが出したコメントの中に、こんな一節がある。


  久保ヤンのやさしさがなかったら、「風」は存在せず、
  僕はただの孤独な男に過ぎなかったのです。


大久保さんの包み込むような優しさは、レコードを聴いていても伝わってくるよ・・・

今夜は、初めて買った風のレコード『海風』を繰り返し聴いている。


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中学生のとき一番聴いたレコードかもしれない。

ロサンジェルス録音で、マスタリング&カッティングはArtisan Sound Recorders。
西海岸のAORの音である。

素晴らしい音が部屋中を満たす。


大久保一久さん、心からご冥福をお祈りいたします。
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posted by 想也 at 00:30| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月12日

風―ファースト・アルバムの謎

今日は、風のファースト・アルバムの話である。

風のこのファースト・アルバム(CROWN RECORDS PANAM GW-4013)をボクは二枚持っている。


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二枚あるのは、一家に一枚では足りない名盤だからではない(笑)
単に帯付きでマトが若い盤を見つけたから追加で買っただけである。
この「マトが若い盤」というのが、このレコードの謎にかかわってくるのだが、それは後で話題にしよう。

帯付きもとくに珍しくはないが、うちの帯にはこんなプライスタグが貼られている。


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前所有者は三越で購入したようだが、そこはかとなくどころではなく、強烈に昭和感を醸し出すプライスタグだ。
なんだか猛烈に所有欲をそそられてしまった。

ジャケットがテクスチャー加工されているのもいい。


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この頃のフォークのレコードには、自分で弾き語りができるように、歌詞カードにコード付きの譜面が載っているものが多かったが、このレコードでは、歌詞インサートに加えて、弾き語り用ブックレットになるおまけ(手前)がついていた。


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両面印刷の4つ折りで開くとこうなる。


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二つあるので、一つ作ってみた。


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このブックレット見ながら、これからの引き籠り生活、弾き語りの練習でもしようかしらん。
中学生の頃を思い出して。

インナースリーブも凝っている。
レーベルが見えるように、正やんの顔が無残にくり抜かれているが・・・・


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実は、カスタムレーベル上に正やんの顔が印刷されているので、レコードを入れるとちゃんと復元されるのである(色は違うけど)。


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レコードを入れる向きを間違えると、双子の大久保さんが出現してしまうが(笑)


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さて、いよいよ、このレコードの謎の話に入ろう。
大した話じゃないんだけどさ。

しばらく前に、『ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド』(https://ameblo.jp/bp-jrg/)というとんでもない情報量のサイトを発見したのだが、そこに東芝盤以外のプレス・マーク(PM)のことも詳しく書いてあって、この頃のCROWN RECORDSが基本的には東洋化成プレスであることが確認できた(テーマで「日本盤レコードについて 」を選択すると、東洋化成のPMに関する3つの記事が見つかるはず)。

このレコードがリリースされた1975年6月の時点では、東洋化成のPMは、送り溝ではなく、レーベル上に刻印されている。

手持ち盤のマトは次の二種類だ。

①Side A 1-A-20 / Side B 2-A-13

②Side A 1-B-5 / Side B 2-B-1

どちらもラッカーは同じ(A1/B2)だが、①のほうは両面ともマザーがAでスタンパーが20/13、②のほうは両面ともマザーがBでスタンパーが5/1ということだろう。

では、①と②では、どちらが若いのだろう?

ボクは①のほうが若いと思って追加で買ったのだが、現実には、②が若かった。

東洋化成のPMは、「西暦の一桁部分 T 月」で構成される。1975年5月(6月リリースなら5月が前月製造の初盤である)なら、「5T5」となるわけだ。

で、②のほうが「5T5」だったのである。


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①のほうは「5T9」だったので、そこまでレイトではないが、それでもリリースから数か月後に製造されたものということになる。

このレコードに限って、マザーAより先にマザーBが使用されただけなのか、それとも、最初に複数枚のマザーが作られた場合、スタンパーナンバーを通し番号でふるというのが東洋化成のルールだったのか、現時点では不明である。

ハードオフのジャンクコーナーで地引網調査をしたい衝動にかられるのだが、新型コロナでの引き籠りにくわえて、腰に爆弾をかかえてしまったので、それもできない(涙)
誰かに解明してほしいのである(人任せかいっ!)。

それにしても、ラストにおさめられた『お前だけが』が懐かしい。
フォークギターを買ってもらって、弾き語りを始めた中学時代、この曲でよく練習したなぁ。

     ♪ お前だけが お前だけが
     ♪ お前だけがいてくれたらそれでいい
     ♪ お前のやさしい笑顔がそこにあればそれでいいのさ

なんだか、「お前のやさしい笑顔」、思い浮かべてしまったよ(笑)

いま思ったのだが、この歌の二番の歌詞って、SMAP『らいおんハート』の二番の歌詞に通じものがあるよねぇ。
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posted by 想也 at 17:05| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする