昨日は、ゆっくり音楽を聴く時間がなかったので、今夜になって、彼女のアルバムを聴いている。

1984年にリリースされたセカンド・ソロ・アルバムの日本盤(ワーナー・パイオニア P-11454)である。
見てのとおり、帯はないが見本盤である。
2年前、彼女が亡くなったときに、このアルバムのUSオリジナルのことを書いた(https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-12-03)が、そのときにはまだ、この日本盤は手に入れていなかった。
何故手に入れたのかと言えば、日本盤もUSカッティングなので、音質的にはUSオリジナルと遜色ないはずで、それどころか、ビニールの材質やプレス品質からすれば、USオリジナルを凌ぐかもしれないと思ったからだ。
それに、2年前の記事にも書いたことだが、テッド・ジェンセン(Ted Jensen)のカッティングなのに、USオリジナルのSTERLING刻印は6mm刻印なんである。
日本盤はどうなのか知りたくなるじゃないか(笑)
音質については、見本盤ということもあり(スタンパーは両面とも1M-A-1)、すこぶる良い。
驚いたのは、STERLING刻印が5mm刻印なんである。

5mm刻印は、ジョージ・マリノ(George Marino)じゃないんかいっ!
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-09-03 をどうぞ。)
って、USオリジナルとは別のカッティングなので(日本盤は、両面ともINTL SET2と刻まれている。)、別日にカッティングされたと考えれば、説明できないこともない。
テッド・ジェンセン自身の刻印は10mm刻印だが、自分の刻印が紛失や破損で使えなくて急遽他のエンジニアの刻印を借りたとして、USオリジナル用のカッティングをした日はリー・ハルコ(Lee Hulko)の刻印を借り、日本向けのカッティングをした日はジョージ・マリノの刻印を借りたってことなのかと。
このあたりのことは、今後いろいろ調べながら確認していくことにしよう。
このレコードには、非常に興味深いことがもう一つある。
これである。

PMが、43SZ12なのだ。
これは、1983年12月に一度使用され、1984年1月に再度使用されたスタンパーで、翌2月にプレスされたものであることを意味している。
見本盤のくせにこのPMというのは、第二見本盤(第二見本盤については、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-10-12 をどうぞ。)ということなんだろうけど、興味深いのは1983年12月に最初に使用されているという点である。
このレコードの日本盤の発売日は、1984年2月22日なのだ。

発売前々月に、日本での最初のプレス(テスト・プレスかな?)は行われていたんである。
まぁ、本国アメリカでの発売が1984年1月27日だから、その前月にアメリカ国内向けカッティングと同時に海外向けカッティングも行われて、各国にメタル・マザーが送られたんだとすれば、届いたらすぐにスタンパーを作ってテスト・プレスはするだろうから、辻褄は合うんだけど、そういう事情を推測させるところが興味深いでしょ?(笑)
R.I.P.
ラベル:Christine McVie