2025年10月17日

KISS, DestroyerのUSオリジナル

昨日10月16日、エース・フレーリー(Ace Frehley)が亡くなった。
今朝からTLはエースの話題で溢れている。

ボクがKISSをよく聴いていたのは中学の頃だから、思い入れがあるアルバムといえば、"Destroyer"、"Rock and Roll Over"、"Love Gun"の三枚かなぁ。

ってことで、このレコードで追悼していた。


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1976年3月15日にリリースされた4作目のスタジオ・アルバム"Destroyer"のUSオリジナル(Casablanca NBLP 7025)である。


Discogsによれば、初盤は、ボガード・レーベルで、


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がっしりとした厚紙のインナースリーブが付属していればいいらしい。


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うちのはサンタマリア工場プレスのマト末尾2A/2Bなのだが、これが(これも)初盤マトなのかはよくわからない。
すっきりと2A/2Bではなく、いろいろ修正されているので、初盤マトっぽくはある(笑)

RLカッティングほどガツンとくる感じではないが、STERLINGカッティングで十分に良い音だ。


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5mm刻印なので、ジョージ・マリノ(George Marino)の仕事だろうか。

それにしても、KISSを聴いていると、中学の頃を思い出すなぁ・・・

R.I.P.
ラベル:KISS
posted by 想也 at 22:07| Comment(2) | STERLINGの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月11日

Styx, Paradise TheatreのUSオリジナル

今日9月11日は、トミー・ショウ(Tommy Shaw)の誕生日である。

ってことで、このレコードを引っ張り出した。


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スティックス(Styx)が1981年1月にリリースした10作目のスタジオ・アルバム"Paradise Theatre"のUSオリジナル(A&M Records SP-3719)である。
このアルバム、無茶苦茶ヒットしたよね。

でも、1981年1月リリースというのが、いまひとつピンとこない。
1981年1月というと、ボクはまだ高校2年生だったが、このレコードをよく聴いたのは、大学生になってから、一人暮らしを始めたばかりの6畳間のアパートでだったからだ。

それで、ちょっと調べてみたら、"Paradise Theatre"を引っ提げてのワールドツアーの最後が日本公演で、それが1982年1月。
その日本公演の模様が、ヤング・ミュージック・ショーで放送されたのが、同年3月30日だったらしい。
もともと感度が高くないうえに、受験生でさらに鈍っていたボクのアンテナに、ようやくスティックスがひっかかってきたのが、大学に入学する頃だったのだ。

リリースから1年以上経っていたが、このレコードは、ホント、よく聴いた。
大ヒット・アルバムだけあって内容が申し分ないというのにくわえて、STERLINGでテッド・ジェンセン(Ted Jensen)がカッティングしているので音も良いというのも、よく聴いた理由のひとつかもしれない。
まぁ、当時は送り溝なんて気にしてなかったけどさ(笑)


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テッド・ジェンセンは10mm刻印(正確には9.5mmくらいだけど)である。
(STERLING刻印のバリエーションについては、https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-09-03.html をどうぞ。)


それにこのレコード、作りも凝っている。

表ジャケットは栄えていた頃のパラダイス・シアターなのに対して、裏ジャケットは閉鎖後のパラダイス・シアターになっている。


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それに合わせるように、レーベルも、Side 1が華やかなカスタム・レーベルなのに対して、Side 2は真っ黒だ。


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もっとも、(この記事を書くために調べていて初めて知ったのだが)USプロモ盤では両面ともカスタム・レーベルなので、Side 2をブラック・レーベルにするアイディアは、最後の最後に採用されたのかもしれない。
まぁ、ラジオ局にしたら、各面にちゃんと曲目がクレジットされていたほうが助かるだろうから、そういう理由で、プロモ盤では片面ブラック・レーベルを回避したってだけかもしれないけど。

ちなみに、オリジナルは見開きジャケットで、内ジャケットはこんな感じだが、シングル・ジャケットの再発もあるようだ。


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ジャケットやレーベルも凝っているが、一番凝っているのはこれである。


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Side 2にはレーザー・エッチングが施されているのだ。
(日本盤には、「レーザー・エッチング盤」というステッカーも貼られていた。)

しかも、このレーザー・エッチング、3Dホログラムになっている。
パラダイス・シアターの繁栄をあらわすのだろう、虹色に煌くのだ。
(設定で、画質をHDにし、再生速度を0.25まで落として、再生してみてください。実際は、もっと綺麗ですが、それに少し近づきます。)





すごく安いのに、実に所有欲を満足させてくれるレコードなのである。
ラベル:Styx
posted by 想也 at 19:10| Comment(0) | STERLINGの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年07月05日

Huey Lewis and the News, SportsのUS盤

今日7月5日は、ヒューイ・ルイス(Huey Lewis)の誕生日である。

ってことで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。


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1983年9月15日にリリースされたヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース(Huey Lewis and the News)のサード・アルバム"Sports"のUS盤(Chrysalis – FV 41412)である。

US盤?
USオリジナルじゃないの?

そう、うちの盤にはUSオリジナルとは言えない事情があるのだ。

このレコードのUSオリジナルは、STERLINGのテッド・ジェンセン(Ted Jensen)によってカッティングされている。
それは、インナー・スリーブに明記されていることからも明らかだ。


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しかし、うちの盤は、Side 2の送り溝にはSTERLING刻印があるものの、Side 1の送り溝にはSTERLING刻印がないんである。

送り溝には次のように刻まれている。
ちなみにプレス工場は、両面に大きく手書きでPと刻まれていることから、ピットマン工場であることがわかる。

FV 41412 AS-2H
FV 41412 BS P2 STERLING

Side 1の末尾2Hなんて、いかにもリカッティングっぽい。
Discogsで確認すると、Side 1にもSTERLING刻印のある盤が確かに存在するから、それがファースト・プレスに間違いない。

「ファースト・プレスじゃないかもしれないが、オリジナルのセカンド・プレスでいいんじゃない?」という意見もあるかもしれないが、やっぱりねぇ、STERLINGカッティングじゃなくなったら、オリジナルというのは厳しい気がする。

ただ、リカッティングされているSide 1も、決して音は悪くない。
十分に良い音だ。
聴いていると、「これもオリジナルでいいかも?」という気がしてくる。

この"Sports"というアルバム、彼らの初の大ヒット・アルバムで、実に700万枚以上を売り上げたという。
それ以前にも"Do You Believe in Love"のヒットはあったが、ここまで売れるとはレコード会社も考えていなかったのだろう。
両面STERLING刻印の盤は、絶対数としてはそこそこあるのかもしれないが、相対的には少なそうだ。
実際、これまで、めくってもめくっても出てこなかった。
そういう事情まで含めて考えると、「これもオリジナルでいいかも?」という思いが、なおのこと強くなる。


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しかし、Side 2を聴いてみると、そんな思いはあえなく消え去ってしまう。
Side 1よりも歴然と良い音で鳴るのである。
やはり、両面STERLING刻印盤でなければ、オリジナルとは言えないだろう。


まぁ、でも、両面STERLING盤も、絶対数としてはそこそこ存在しているだろうから、そのうちどこかで出会うでしょう。


そうそう、送り溝のSTERLING刻印にはTJというサインがないのだが、10mm刻印なので、テッド・ジェンセンのカッティングで間違いないだろう。


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STERLING刻印のバリエーションについては、https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-09-03.html をどうぞ。
ラベル:Huey Lewis
posted by 想也 at 23:59| Comment(2) | STERLINGの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする