2024年04月07日

"This Is It”といえば・・・

"This Is It"といえば、マイケル(Michael Jackson)のドキュメンタリー映画を思い浮かべる人が圧倒的に多いと思うが、ボクの頭には別のものが思い浮かぶ。

それは、マイルス(Miles Davis)の一枚のレコードである。


今日は一日、のんびりと過ごせる日曜日ということもあって、HDDに山ほどたまっている映画の中から一つ選んで観てみようと思い立った。

保存用のHDDの方だから、いったい何年前に録画したんだかわからないが、なんとなく『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』を選んだ。
マイルスが音楽シーンから姿を消していた1970年代後半の5年間を背景にした2015年のアメリカ映画なのだが、「空白の5年間を描いたもの」というわけではないので、邦題にはちょっと騙された気分になる(笑)

とはいえ、それなりに楽しめたし、観終わった後には、とにかくこのレコードが聴きたくなったよね。


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空白の5年間の後の復活の一枚、1981年リリースの"The Man with the Horn"である。
USオリジナル(Columbia FC 36790)には、こんなステッカーが貼ってあって、これまたマイケルに負けず劣らず"This Is It"なのである。


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まぁ、マイケルのほうは「これが最後」、マイルスのほうは「これが復活」って違いはあるけど、「これがそれ」に違いはない。

このレコード、音も良い。

マスタリングは、ニューヨークのCBSスタジオでジョー・ガストワート(Joe Gastwirt)によって行われている。
翌年には、ポール(Paul McCartney)の"Tug of War”のカッティングをしたエンジニアだ(界隈では、一時、大そう話題になった)。

送り溝には、"COLUMBIA NY"の刻印も刻まれている。
(ちなみに、うちのは、マト1F/1Fのサンタマリア・プレス。)


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もっとも、"Tug of War"と違って、JGというサインはない。
これは、おそらく、裏ジャケットに彼の名前が明記されているからだろう。


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マイルスの復活の一枚のマスタリング、彼も気合が入ったんだろうな。
ラベル:Miles Davis
posted by 想也 at 21:10| Comment(0) | Miles Davis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月14日

My Funny ValentineのUSオリジナルMONO

バレンタインである。
相変わらず、孤独なバレンタインである。
もうずーっと孤独なので慣れてしまったのである(涙)

孤独なバレンタインには、マイルス(Miles Davis)の"My Funny Valentine"を聴くのだ。

マイルスの"My Funny Valentine"といっても、"Cookin'"収録のバージョンではダメである。
"My Funny Valentine Miles Davis In Concert"収録のバージョンに限る。
中山康樹さんをして、「孤独の谷底へ、容赦なく突き落とす」「絶望を絵に描いたような音楽」と言わしめたバージョンである。


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絶望的に孤独だった夜が蘇る・・・
でも、絶望的に孤独だった夜を思い出せば、最近の孤独なバレンタインなんて、大したことはないと思えるのである(笑)

ターンテーブルに載せたのは、USオリジナルMONO(Columbia CL 2306)だ。

ジャケットには、シュリンクが綺麗に残っていて、完璧な美品である。
盤の方も、レーベルのスピンドルまわりに一本のヒゲもない完璧な美品である。


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MONO表記がなく、下部に黒字で"GUARANTEED HIGH FIDELITY"との記載があるこのレーベルが、1965年にリリースされたファースト・プレスのレーベルである。

白字のMONO表記が入り、その両側に"360 SOUND"が入ったレーベルだと、翌1966年プレスだ。
Discogsでは、このレーベルの盤も1965年プレスになっているが間違いである。

COLUMBIAのMONOレーベルは、その後、1967年には、白字のMONO表記はそのままに"360 SOUND"がないレーベルに変わるが、"My Funny Valentine Miles Davis In Concert"にそのレーベルの盤が存在するのかどうかは不明である(Discogsにも登録がない)。

うちの盤のマトは1C/2Aなのだが、Discogsには、Side 1のマト1Aの登録があるので、マト1A/2Aというのも存在するのだろう。

でも、まぁ、うちのは(ボクのコレクションには珍しく)完璧な美品だし、もうこれでいいや。
ラベル:Miles Davis
posted by 想也 at 22:24| Comment(0) | Miles Davis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月29日

Music From SiestaのUSオリジナル

9月28日はマイルス(Miles Davis)の命日である。

今年は、このレコードを聴いて追悼することにした。


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マーカス・ミラー(Marcus Miller)との共同名義で1987年にリリースされたアルバム"Music From Siesta"のUSオリジナル( Warner Bros. Records 9 25655-1)である。
内袋が黒いポリ製?なのも命日にふさわしい感じだしね。

このアルバム、映画のサントラらしいが、映画自体を知らないし、サントラとして聴いたことはない。
この上なく美しい音楽の中で多様な表情を見せる晩年のマイルスのブロウを堪能するためのアルバムである。
マイルスのアルバムの中で、一番美しいアルバムじゃないだろうか。

送り溝に手書きSTERLING(DMMなのであったとしても刻印ではない)もサインもないのだが、裏ジャケットのクレジットを信じれば、STERLINGのジャック・スキナー(Jack Skinner)のマスタリングで、音も素晴らしい。

マイルス晩年の傑作である。

R.I.P.
ラベル:Miles Davis
posted by 想也 at 00:18| Comment(0) | Miles Davis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする