2025年05月14日

Stevie Wonder's Original Musiquarium 1のUSオリジナル

<ファンクラブ入会申込書の封入状況につき、sentimentalfoolさんから情報をいただいたので追記しました。>(2025年5月15日)
<すろはん先輩が日本盤とUSオリジナルの聴き比べをしてくださったので、追記しました。>(2025年5月19日)

昨日5月13日は、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の誕生日だったので、このレコードを聴いていたのだが、ブログを書く余裕がなかったので、今日また聴きながら、これを書いている。


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1982年5月4日(リリース記念日も10日前だったのね。)にリリースされた(新曲4曲を含む)2枚組ベスト・アルバム、"Stevie Wonder's Original Musiquarium 1"のUSオリジナル(Tamla 6002TL2)である。

ベスト・アルバムなのだが、寄せ集め的な印象はまったくない。
アナログ各面最後に配された新曲4曲がまた素晴らしいということもあるが、曲間をシームレスに繋ぎ、それに違和感が生じないように音質を統一させていることも大きい。
内容的には申し分のないレコードである。

ジャケットがまた良い。
デザイン自体がとてもキュートだが、音符に見立てた熱帯魚達がエンボス加工されている。


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エンボス加工は、やっぱり所有欲を刺激するのである(笑)

裏ジャケット上部に曲目があるが、初回盤ジャケットでは、Side 4の曲順が間違っている。


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正しい曲順は、"I Wish"、"Isn't She Lovely"、"Do I Do"である。

レイト盤ジャケットでは、正しい曲順に修正されるとともに、下部の"WRITTEN, ARRANGED & PRODUCED BY STEVIE WONDER"とTAMLAロゴの間に、"I see the past as only a positive challenge to the future."/...Stevland Morrisという2行が挿入される。
つまり、初回盤ジャケットには、この2行はない。


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ファンクラブの入会申込書は、初回盤にしかついていなかったのかどうかわからない(sentimentalfoolさんからの情報によると、レイトにも申込書は封入されていたようだ。)が、これは欲しいよねぇ。


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カッティングは、Precision Lacquerのスティーヴン・マーカッセン(Stephen Marcussen)によって行われていて、送り溝には、Precision SM.の刻印が確認できる。


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とても良い仕事をしているのである。

ちなみに、日本盤も独自カッティングではなくUSカッティングで、PRECISION LAQUERでカッティングが行われているのだが、送り溝には、PRECISION SM.ではなく、PRECISION LAQUER D.L.と刻印されているようで、誰のカッティングなのかわからない(D.L.はエンジニアのイニシャルではなく、Direct Latheの略で、つまり、DMMでカッティングされたという意味のようだ)。

日本盤は聴いたことがないので、USオリジナルと大差ないのか、けっこう違うのか、不明である。

誰か聴き比べたことがある人、いますか?


すろはん先輩が日本盤とUSオリジナルとの聴き比べをしてくださったので、追記しておきます。

「日本盤は中域に芯がある音の良さがあるが、US.盤は加えて高域の響きと抜けを感じる素晴らしさが!!」とのこと。


やはり、このレコードのUSオリジナルは、スティーヴン・マーカッセン渾身の仕事だったようだ。

そりゃそうか、スティーヴィーのベスト盤だもんねぇ。
カッティング・エンジニアとして、人生最高の仕事をしようと思ったに違いない。
ラベル:Stevie Wonder
posted by 想也 at 22:14| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月12日

David Sanborn, HideawayのUSオリジナル

今日5月12日は、デイヴィッド・サンボーン(David Sanborn)の命日である。
もう1年かぁ・・・

ジャズやフュージョンだけでなく、ロックやポップスの多くの作品にも参加していた人なので、彼のアルトは日常的に聴いているが、今日はやっぱりリーダー・アルバムを聴かないとね。

ってことで、このレコードを引っ張り出した。


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1980年にリリースされた5作目のリーダー・アルバム、"Hideaway"のUSオリジナル(Warner Bros. Records BSK 3379)である。
珠玉のバラード"Carly's Song"が聴きたくなったのだ。

このレコード、ファースト・プレスでも両面とも送り溝に刻まれたマトにRE-1がついていて、レーベルにも明記されている。


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レイトになると、Side 1だけRE-2になる。
というのも、5:15の"Anything You Want"が3:46のショート・バージョンに差し替えられ、映画『アメリカン・ジゴロ』の挿入曲"The Seduction (Love Theme)"がA4に追加されたからである。

うちの盤は両面ともRE-1でマトも両面ともLW1のロサンジェルス工場プレスだ。
Discogsにも登録されていないが、両面LW1は存在する(笑)

もっとも、NY録音で、マスタリングもSTERLINGでジョージ・マリノ(George Marino)によって行われているから、ワーナー盤だが、ロサンジェルス工場プレスではなく、ウインチェスター工場プレスの方がオリジナルなのかもしれない。

ジョージ・マリノのマスタリングであることは、裏ジャケットに明記されている。


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ジョージ・マリノは9mm刻印である(5mm刻印もあるけどね。詳しくは、https://sawyer2015.seesaa.net/article/2022-09-03.html)。


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チェック完了!(笑)

送り溝には、ほかにRBMCという手書きの刻印が両面にある。
これって、レコーディングとミキシングを担当したエンジニアRay BardaniのRBと、プロデューサーMichael ColinaのMCを合体させたものなのかな?

R.I.P.
ラベル:David Sanborn
posted by 想也 at 23:42| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月11日

ザ・ゴールデン・カップス『長い髪の少女/ジス・バッド・ガール』

<すろはん先輩から貴重な情報をいただいたので追記しました。>(2025年5月14日)
<アーバンさんから次のシングル『愛する君に/クールな恋』に関する情報をいただいたので追記しました。>(2025年5月15日)

昨日5月10日の朝、ザ・ゴールデン・カップス(THE GOLDEN CUPS)のギタリスト、エディ藩さんが亡くなった。
昨日の夜から、ボクのTLには、エディさんの訃報に関するポストが、かなりの数、流れてきている。
ボクがフォローしている方々にとって、エディさんというのは大きな存在だったのだろう。

ボクはといえば、たぶん、エディさんのギターが聴けるレコードは、この一枚しかない。
(あとは、Char Meetsに出演したときの録画が、どこかにあるはず。)


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ザ・ゴールデン・カップスが1968年4月1日にリリースした3枚目のシングル『長い髪の少女/ジス・バッド・ガール』(東芝音工 CP-1024)である。

このレコード、ハマくん(OKAMOTO'S)がザ・ゴールデン・カップスを激推ししていることもあって、なんとなく買ってみたのだが、B面曲の『ジス・バッド・ガール』を聴いたときにはぶっとんだ。
「なるほど、ハマくんが激推しするわけだ・・・」と、思わず納得したのであった。

それ以来、他のザ・ゴールデン・カップスのレコードも見つけたら買おうと思っているのだが、いまのところまだ入手できたものはない。
『ジス・バッド・ガール』を聴いていたら、「聴きたい熱」が急上昇してきたので、今度探しに行こうかなぁ。

ところで、うちにあるシングル『長い髪の少女/ジス・バッド・ガール』は、初回盤ではない。
まぁ、どこまでを初回盤と言うかは人によって違うと思うが、うちのは誰から見ても初回盤ではない。
PS左下の価格表記部分から価格改定後のものだとわかるからである。


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調べてみると、68年4月1日にリリースされた初回盤は370円だった。
赤盤も黒盤もあるが、前後関係があるのか、どちらも最初からあったのかは、知らない(ご存知の方、教えてくださいm(_ _)m)。

では、いつ400円に価格改定されたのか?
レコード価格の推移をググってみると、シングル盤は68年に370円になり、70年に400年になったと書いてあった。

げっ、2年も後のプレスかよー

しかし、それにしては、あんまりスタンパーが進んでいない。


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両面とも1S 28である。
このレコード、かなりヒットしたはずだが、この時代のヒットだとスタンパーの進み具合はこんなもんなのか?

って、東芝なんだから、まずはPMを確認すべきだよね(笑)


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8Fである。
68年6月プレスだ。
発売翌々月プレスである。
それなら、スタンパーの進み具合もなんとなく肌感覚に一致する。

ってことは、シングルの400円への価格改定は、少なくとも68年7月までには行われていたわけだ。
ググった情報というのは、アテにならないもんだな・・・

アーバンさんから、次のシングル『愛する君に/クールな恋』が68年9月1日発売で、PMが8H(68年8月プレス)の赤盤が定価400円との情報をいただいた。
やっぱり、400円への価格改定は、68年7月までには行われていたのだと思われる。


このレコード、もう一つ興味深いことがある。
それは、コレである。


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JISマークが✕で消されているのだ。
両面とも同じように✕で消されている。

つまり、これって、JIS規格に不適合だったってことだよね?


すろはん先輩から貴重な情報をいただいた。
マト1S 9 / 1S 7でPMが8D(1968年4月プレス)の370円盤(つまり発売当月プレスの初盤)について、やはりJISマークが消されているという。
しかも、✕ではなく渦巻で消されているというのだ。
画像も提供していただいたので、載せておこう。


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ちょっと遠いので、JISマーク部分を拡大してみよう。


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確かに渦巻で消されている。
この消し方の違いが時期的なものなのか、それとも、JIS規格のチェック担当者?によって違うのかについては、不明である。
いずれにせよ、これはやっぱり、JIS規格不適合だったってことなんだと思うのである。


R.I.P.

posted by 想也 at 18:42| Comment(0) | アナログ・コレクターの覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする